46句 (他季を含む)

鶫死して翅拡ぐるに任せたり    山口誓子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
井田川の夜明けの瀬音鶫来る 皆川盤水 春耕 199810
クリスマス肉は鶫とソムリエが 大橋敦子 雨月 199902
夜を昼を鳴きて鶫の声細る 海上俊臣 酸漿 199909
眉美しき鶫に合へり春立つ日 平しげる 酸漿 200004
単身の鶫余寒の空あぶく 伊藤一枝 酸漿 200005
築山に赤松著し鶫来る 朝妻力 俳句通信 200011
岐路に立ち鶫の声に耳澄ます 岡田万壽美 俳句通信 200012
冬つぐみ弓月の君ら拓きし野 中川芳子 200103
鶫来る朱と金おどしのお稲荷さん 佐々木峻 船団 200103
小走りに鶫が過る雪の庭 青木政江 酸漿 200104
鶫一羽遠く見ている野面みている 金子皆子 海程 200105
静かな鶫花幻に抱かれいることも 金子皆子 海程 200105
雪雲や田に望郷の鶫鳴く 干代田葛彦 馬醉木 200204
立ち止まりまた立ち止まりつぐみ駆く 渡辺政子 雲の峰 200211
空畑に鶫ついばむ犬ふぐり 長澤健子 酸漿 200304
つぐみ来て地鳴きひとこゑ春浅し 井上あい 風土 200305
梅散るや水飲む鶫胸をはり 伊藤いな栄 酸漿 200305
桜咲く吾が歩に合す鶫ゐて 籾山和子 酸漿 200306
刈田駈け独り忙しき鶫かな 松田欽吾 雨月 200401
田の色に鶫の色の紛れけり 佐藤真次 200402
餌を喰みつひよどり脅す鶫居り 大屋和子 帆船 200404
立春の空見上げたる鶫かな 島崎勇作 酸漿 200405
うぐひす鳴き鶫小走り朝の庭 小山ナオ子 酸漿 200406
糠雨にけむる居久根や鶫来る 小柴健一 春耕 200412
合掌す千のつぐみの渡り見て 木田千女 200412
鶫鳴き持明院様の空を濁しけり 淵脇護 河鹿 200502
早春の野面に鶫をりしのみ 石垣幸子 雨月 200505
鶫燒くひるげに寄りて皆ねむし 瀧春一 菜園 200509
朝の日にけぶる林や鶫鳴く 太田寛郎 200601
鶫引きローム層より地靄立つ 田中英子 200605
凍る雪に下りし鶫や嘴紅き 瀧春一 常念 200606
灯台の空を旋回鶫引く 石垣幸子 雨月 200606
桑の実を摘めば鶫の走りけり 松元末則 酸漿 200608
春嵐つぐみは畑に餌を探す 阿部文子 酸漿 200807
啓蟄や鶫啄む朝の芝 阿部悦子 酸漿 200904
外海の凪ぎ渡りゐる冬鶫 福永みち子 馬酔木 200905
降る雪を鶫も畑に仰ぎをり 伊藤一枝 酸漿 201003
草萌の尼寺跡あるく鶫かな 大坪景章 万象 201005
白梅の裾を鶫の小走りに 松原三枝子 万象 201005
県境の河を卍と鶫飛ぶ 田中臥石 末黒野 201301
鶫群るる空や上総の山低し 田中臥石 末黒野 201301
玄関を叩ける鶫は叩くらし 北村香朗 京鹿子 201303
口中の鶫の骨のほぐれゆく 佐藤喜孝 あを 201601
鵯鶫椋鳥争奪の木守柿 沼澤石次 馬醉木 201704
横切りてばつ悪さうな鶫かな 相良牧人 201712
中空へつぶて撒きたるごと鶫 江見悦子 万象 201801

 

2021年10月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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