津 軽 1      203句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
烏賊舟の裸灯眩しき津軽沖 小島ヱイ子 春耕 199808
風にとぶ津軽訛や昆布干 島田万紀子 馬醉木 199812
ひら仮名のように降る雪津軽には 山岸竜治 海程 199905
不定愁訴のごとき津軽の弥生空 かとうゆき 銀化 199905
虎落笛の四面楚歌なる津軽の夜 かとうゆき 銀化 199905
散りいそぐ津軽のさくら撥の音 曷川克 遠嶺 199908
萱を葺く津軽言葉を交しつつ 丸川越司 円虹 200003
日脚伸ぶ津軽馬鹿塗り繰り返し 武藤鉦二 海程 200007
佞武多笛うまし津軽に稼ぎきて 三浦恵子 円虹 200011
津軽じょんがらががんぼが蹴つまづく 柳生正名 海程 200101
おひょうの木津軽は言霊鼻に抜け 柳生正名 海程 200105
野鼠の穴に月さす津軽かな 竹内弘子 あを 200105
草刈女親しき津軽訛かな 山田禮子 遠嶺 200108
土用蜆ひさぐも買ふも津軽弁 水原春郎 馬酔木 200109
津軽線青田を左右に開き行く 水原春郎 馬酔木 200109
青田風正面にある津軽富士 三橋泥太 遠嶺 200110
雪嶺や津軽鴉は晴れ男 豊田都峰 京鹿子 200202
駅頭の津軽三味線冴返る 廣島泰三 200205
高鳴れる津軽ジョンガラ雪を呼ぶ 高橋道子 200205
朴咲くや津軽の空のいぶし銀 沢木欣一 ぐろっけ 200205
三味を弾く津軽の兄弟薄暑かな 藤崎和子 帆船 200207
梅雨じめり津軽言葉のやはらかき 田中重子 雲の峰 200208
津軽三味打弾きをする茶髪かな 河合笑子 あを 200209
田の色の極まつて雨北津軽 小林輝子 風土 200301
失恋し津軽鉄道金木駅 小林輝子 風土 200301
津軽三味線指に秋冷たぐりつつ 小林輝子 風土 200301
寒昴津軽ことばを聞き洩らさじ 小林輝子 風土 200303
内濠を二重に津軽冬深む 小林輝子 風土 200303
津軽郡雪野を舐る夜汽車の灯 小林輝子 風土 200303
吹雪く日の津軽三味線地より鳴る 大塚鈴子 雨月 200304
火恋し津軽五百句読み了へて 山元志津香 八千草 200305
地吹雪や南部津軽と隔てなき 藤原照子 200307
赤々と津軽の明くる桜桃忌 山本昭夫 雲の峯 200308
秋苑の津軽十万石の門 齋藤宣子 帆船 200401
月明の白猫が跳ぶ奥津軽 中村恭子 200401
大志ある津軽なまりの林檎守 加藤峰子 200402
林檎捥ぐや今し雲脱ぐ津軽富士 小林成子 200402
寒星や荒磯に消ゆる津軽三味 小牧喜美子 遠嶺 200403
雪ん子よ津軽じよんがら女節 小山梧雨 200403
吹雪く夜の津軽は籟の忿りとも 鈴木伸一 200404
雁風呂は津軽の海の風のこと 小林てる子 草の花 200405
飢かすかなり青津軽さ迷ふに 伊藤白潮 200406
林檎来る津軽の風の詩のごとく 山田六甲 六花 200412
耳にまだ津軽じよんがら鱗雲 大島翠木 200412
ラジオから津軽弁聞く秋の雨 芝宮須磨子 あを 200412
名月や津軽じよんから響きくる 亀ヶ谷照子 遠嶺 200501
青饅や津軽じよんから聴き乍ら 河合大拙 百鳥 200505
稲架低く野をおほひたる津軽かな 上崎暮潮 ホトトギス 200506
夏めける津軽海峡旅終る 木村茂登子 あを 200507
花林檎津軽の里を一色に 吉村一郎 百鳥 200507
夏館津軽の地酒振るまはれ 伊藤豊美 遠嶺 200509
雨乞のやうにも津軽三味線は 望月木綿子 200509
津軽弁聞きつつ開く花りんご 俵藤正克 春燈 200509
ねぷたの灯ともるを津軽富士も待つ 鷹羽狩行 200510
凌霄や津軽の朝日眼に痛き 橋本榮治 馬酔木 200511
朝顔のやつれて午報津軽三味 泉田秋硯 200511
旅果の津軽じょんがら聞く夜長 三輪温子 雨月 200512
瑠璃はしる津軽びいどろ冷し酒 山下佳子 200512
着膨れて津軽じよつぱり通しけり 細川洋子 200601
鳥帰る津軽ヤンシュのその上を 片田千鶴 馬醉木 200606
炎天を消して津軽の「雀こ」 神蔵器 風土 200608
津軽三味の正午の時報風薫る 井口淳子 200609
添文は津軽訛りや青林檎 佐藤哲 万象 200610
夏惜しむ津軽にねぷたねぶたかな 愛澤豊嗣 馬醉木 200611
ねぶた来る津軽の闇を払ひつつ 仲田美智子 200611
冬来ると津軽三味線鳴りにけり 杉浦典子 火星 200702
行く秋の岬の岩肌津軽三味 伊藤希眸 京鹿子 200703
勉学地津軽は遠し林檎に蜜 野沢しの武 風土 200704
吹雪かれて津軽の貌の刻まれる 貝森光洋 六花 200704
「十三の砂山」唄ふ春宵津軽びと 酒本八重 200705
津軽野の冷えののこりし林檎剥く 大西八洲雄 万象 200705
春立つや音のそろひし津軽三味 大西八洲雄 万象 200705
花追ひの旅津軽にて折返す 泉田秋硯 200707
口遊む津軽民謡鳥雲に 隅田恵子 雨月 200707
津軽三味叩けば花の散り急ぐ 佐藤三男 万象 200707
夏夕旅の名残の津軽箸 高尾幸子 遠嶺 200709
太宰忌や津軽の風に錐揉みに 館容子 200711
津軽路より南部へ入るに法師蝉 山下昇士 200712
初雪のありし津軽に千空逝く 松崎鉄之介 200801
暁光に初冠雪の津軽富士 北尾章郎 200802
津軽弁聞きたく姥の林檎買ふ 北尾章郎 200802
撥揃ふ津軽三味線番鴛鴦 島元文 遠嶺 200804
暖房車津軽なまりと越なまり 小林愛子 万象 200805
草餅を食べてひとりの津軽弁 岡有志 ぐろっけ 200806
夕霧の植田流るる奥津軽 阿部悦子 酸漿 200809
銀杏祭津軽三味線ひびきけり 先崎きくよ 酸漿 200902
津軽弁聞きつ小春の五能線 金井香ル 200903
津軽三味聞く夜は雪を想ひけり 渡邊泰子 春燈 200904
しんしんと冬の津軽はしばれけり 金井香ル 200905
弾初や雪の津軽を思ひつつ 瀬沼利雄 酸漿 200905
ななかまどに芽生えありけり津軽晴 谷村幸子 200908
子等泳ぐ魚透くほどの津軽海 井口淳子 200909
津軽富士借景にして袋掛 井口淳子 200909
津軽弁の飛び交ふ一日梅雨晴間 金井香ル 200910
津軽富士茜に約す星月夜 河野美奇 ホトトギス 201001
武蔵野に津軽林檎の実りをり 丸田安子 酸漿 201002
我が津軽雪原と決め踏み締める 古川忠利 ろんど 201006
新涼やここは津軽の城下町 稲畑汀子 ホトトギス 201008
爽やかに聞き逃さじと津軽弁 稲畑汀子 ホトトギス 201008
津軽富士てふ爽やかな裾野かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201008
踊子の津軽訛に教へらる 森岡正作 201011
とつとつと津軽の民話夜の秋 鈴木浩子 201011
荒荒し津軽三味線そぞろ寒 森山のりこ あをかき 201101
津軽なり南瓜ごろりと路に出て 大崎紀夫 やぶれ傘 201101
津軽にはつがるの唄や納豆汁 コ田千鶴子 馬醉木 201101
冬怒濤津軽弁にて押し寄せる 福田かよ子 ぐろっけ 201102
秋晴や昨日も今日も津軽富士 大久保白村 ホトトギス 201103
雪しんしん飛び交ふやうに津軽弁 渡辺安酔 201103
津軽びとの訛も親し暖房車 名取袿子 201104
津軽び人の訛も親し暖房車 名取袿子 201104
津軽野のストーブ列車するめ焼く 名取袿子 201104
春立つと三味かき鳴らす津軽びと 山田春生 万象 201105
春寒や津軽平野に野火ひとつ 藤原冬人 火星 201106
斑雪闇に溺れる津軽弁 鴨下昭 201106
津軽弁とび交ふ太宰忌なりけり 山田春生 万象 201109
みちのくの凍土に坐る津軽弁 鴨下昭 201202
八重桜りんごの花も津軽染め 高橋範子 末黒野句集 201203
頬かむりして南部弁津軽弁 根橋宏次 やぶれ傘 201203
冴ゆるかな津軽海峡最深部 赤座典子 あを 201204
花冷えの夜は大宰の津軽読む 長田一臣 万象選集 201205
津軽より獅子舞きたる湯島かな 工藤みのる 万象選集 201205
鰊待つ番屋に叩く津軽三味 山口誠 馬醉木 201206
雪霏々と津軽三味線叩き弾き 森山暁湖 万象 201206
花の下津軽じょんがら響きけり 田下宮子 201207
降り立ちて津軽海峡夏霞 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
雪渓の嶺よく霽れて津軽富士 安田とし子 ぐろっけ 201208
旅人に津軽平野の青田風 宮崎高根 201209
赤い羽根付けてくれしよ津軽の子 北崎展江 くりから 201209
太宰の地津軽林檎を頬ばりぬ 北崎展江 くりから 201209
どこまでも続く稲田や津軽富士 黒滝志麻子 末黒野 201211
紅葉且つ散る津軽峠は風の道 吉田政江 201301
行く秋や別れは「へばね」と津軽弁 千田敬 201301
林檎熟れはるかに威ある津軽富士 望月晴美 201301
どこからも見え秋麗の津軽富士 栗原公子 201301
どこまでも秋どこからも津軽富士 大畑善昭 201301
津軽かな身に入む三味の撥捌き 細川洋子 201301
津軽じよんがら胸にたためり十三夜 藤原照子 201301
津軽三味佳境良夜の膝頭 甲州千草 201301
長き夜の魂叩く津軽三味 福島茂 201302
雪しまく背後より来る津軽弁 森岡正作 201303
葭切や津軽の空は風に昏れ 大崎紀夫 やぶれ傘 201309
アカシアの香に溶け出せり津軽富士 岡山敦子 京鹿子 201310
身に入むる津軽三味線よき音色 西田史郎 201312
津軽富士林檎の香り野に溢れ 岡野安雅 かさね 201312
津軽焼に津軽の酒と衣被 土井三乙 風土 201401
雪の津軽0番線に乗り替へる 和田照海 京鹿子 201403
縄文の土器にベンガラ津軽凧 鎌田悟朗 ろんど 201405
春の雪津軽の過去を軽くする 鎌田悟朗 ろんど 201406
津軽三味線に余生のひとひ花の宵 諸戸せつ子 春燈 201407
一湾に万緑の染む津軽かな 中島玉五郎 201408
桜満つうしろ津軽の真闇かな 原田しずえ 万象 201408
黄楊櫛や青葉総身に津軽旅 中島玉五郎 201408
津軽富士天守と桜十年後 鎌田慶子 ろんど 201409
林檎食む今の彼女は津軽弁 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
風鈴が津軽の風を連れて来る 古川忠利 ろんど 201411
見はるかす津軽海峡秋の航 島玲子 風土 201412
津軽弁聞き返しつつ林檎買ふ 湖東紀子 ホトトギス 201503
風花や露上ライブの津軽三味線 今井春生 201504
地吹雪の母の津軽の唸り出す 葉山彰 ろんど 201504
風花や路上ライブの津軽三味線 今井春生 201504
蕗の芽にふるる津軽の風かたし 黒滝志麻子 末黒野 201505
ストーブ列車遅々と津軽の海吼ゆる 山口誠 馬醉木 201505
大冬田より津軽富士天へ反る 木村享史 ホトトギス 201505
炉辺語りいぶされて聞く津軽弁 岡山敦子 京鹿子 201505
春深し桜前線津軽まで 金森信子 雨月 201507
葭切や津軽の空のただ広く 大崎紀夫 虻の昼 201510
葭切の風の津軽に鳴き通す 大崎紀夫 虻の昼 201510
秋の暮夕陽を背負ふ津軽富士 阿部月山子 万象 201512
林檎畑昼飯運ぶ津軽の子 阿部月山子 万象 201512
津軽富士まだまだ白く花林檎 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
下萌えて津軽やうやく見えてきし 小野寿子 201606
波重き津軽海峡鳥帰る 黒滝志麻子 末黒野 201607
津軽弁聞いて忘れて露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201608
郭公の声のびやかや津軽富士 野畑さゆり 201609
津軽三味聞きゐる広間夏炉焚く 黒滝志麻子 末黒野 201610
津軽海峡に追憶うかぶ冬落暉 諸戸せつ子 春燈 201701
鰤起しまた津軽富士身を隠す 上野紫泉 京鹿子 201703
津軽衆守り札抱き渡り漁夫 佐藤哲 万象 201708
語部の津軽訛や桜桃忌 新海英二 春燈 201709
桜桃忌車窓に大き津軽富士 木村みどり 春燈 201709
太宰忌や墓前にはづむ津軽弁 山田春生 万象 201709
津軽三味線撥の捌きも三日かな 諸戸せつ子 春燈 201803
冬連れて白鳥くると津軽びと 原田しずえ 万象 201803
秋麗の裳裾を引いて津軽富士 磯貝尚孝 清閑 201804
紫蘇つむや津軽言葉の客ひとり 黒滝志麻子 末黒野 201810
林檎二つに割つて津軽の生まれとふ 土井三乙 風土 201901
林檎剥く卓に広ごる津軽の香 高木邦雄 末黒野 201902
待春の語尾はね津軽なまりかな 森田節子 風土 201905
晴十方空に津軽の武者絵凧 くどうひろこ 201906
雨くるか津軽の閑古鳥鳴いて 大崎紀夫 やぶれ傘 201907
吹き抜くる青田の風や津軽富士 黒滝志麻子 末黒野 201908
青りんご青き風吹く津軽かな 木村あさ子 201910
紅玉とふ津軽の林檎妻に買ふ 土井三乙 風土 201912
踏めば鳴る雪の津軽や葬ひとつ 黒滝志麻子 末黒野 202004
残雪の一段映ゆる津軽富士 千葉禮子 202005
山脈の向かうは津軽梅雨あがる 土井ゆう子 風土 202010
津軽三味線茣蓙に腰据ゑ花の中 上村葉子 風土 202102
肌寒の津軽を熱く跳人衆 須賀ゆかり 202105
逃水を追うて津軽に嫁ぎけり くどうひろこ 202106
花渡る津軽海峡蝦夷燃ゆる 中村重幸 202107
鳩笛買ふ津軽に春を惜しみけり 加賀荘介 202107
林檎咲けば妻に津軽のことば増ゆ 土井三乙 風土 202107
夏の津軽みな様々に太宰あり 広海あぐり 202111

 

2022年11月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。