壺 焼     52句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
壺焼や厄除寺へ来てゐたり 夏秋明子 火星 199905
壺焼や正法眼蔵随聞記 高橋将夫 199908
壺焼の匂い重なる遊歩道 大島竜子 200005
壺焼や一合枡の溢れをり 小澤克己 遠嶺 200008
壺焼の二日を經たる岩戸かな 中原道夫 銀化 200104
壺焼を食うべて覗く射的小屋 中根美保 風土 200106
日照雨来て壺焼茶屋に話し込む 鰍澤真佐子 春耕 200107
壺焼の天の磐戸を拝しけり 野中亮介 馬醉木 200110
食卓の壺焼栄螺香しき 佐藤琴 200204
恋路ケ浜栄螺の壺焼夫と食ふ 市川十二代 ぐろっけ 200205
壺焼や富士くつきりと松の上 遠藤匡子 遠嶺 200206
壺焼や徐々に本音を吐き始む 小澤克己 遠嶺 200207
定食に壺焼ひとつ付いてをり 船山博之 百鳥 200207
壺焼や一合升の澄れをり 小澤克己 遠嶺 200209
壺焼の耳そばだつる人の口 森谷彰 銀化 200305
はじめから壺焼の蓋開いてをる 高橋将夫 200306
壺焼の傾ぎて汁を焦しけり 長谷川守可 百鳥 200307
壺焼の匂ひ残りぬ旅衣 稲畑汀子 ホトトギス 200404
壺焼の匂ひの中で解散す 稲畑汀子 ホトトギス 200404
壺焼の串刺し食ひて童めく 原みさえ 200405
壺焼を食べにオープンカー飛ばす 大和あい子 百鳥 200406
壺焼やひとの泪をふいに見て 清水晃子 遠嶺 200407
雲の影濃く壺焼のたぎりけり 里中章子 200410
硝子戸に海の歪める壺焼屋 青山丈 200505
友呼んで壺焼日和酒酌まむ 小澤克己 遠嶺 200705
腰をやや引き壺焼をすすりけり 上谷昌憲 200705
壺焼のかたむきしまま焼かれけり 岬雪夫 200708
壺焼や父は遅れて笑ひたる 高倉和子 200806
壺焼や他人の些事にかかはらず 小澤克己 遠嶺 200806
青葉冷己が骨壺焼く話 松原智津子 万象 200809
壺焼や少し覚へし島言葉 赤座典子 あを 200904
壺焼のテントの奥に予約席 山尾玉藻 火星 201005
壺焼やまんまと老いし美少年 中村嵐楓子 春燈 201006
壺焼の匂ひ引き寄せ島に入る 岡野里子 末黒野 201007
早々と壺焼二つ小昼とす 清海信子 末黒野 201007
壺焼のひとつは眠りひとつ開く 冨松寛子 201010
さざえ壺焼あんたいくつになりはったん 中原幸子 船団 201107
壺焼のことりと殼の傾ぎけり 蒲田豊彦 雨月 201301
岩蔭に海女の出店の壺焼屋 瀧春一 花石榴 201312
壺焼の潮噴き出せる灰かぐら 瀧春一 花石榴 201312
壺焼のぶつぶつ語り烟りけり 高野昌代 201407
壺焼や煮え滾る汁舌火傷 溝渕弘志 六花 201604
よつたりに壺焼ひとつ切り分ける 荒井和昭 201606
壺焼のすはり心地を念入りに 齋藤厚子 201606
壺焼や気付けばダイヤモンド婚 松本三千夫 末黒野 201707
壺焼の芋に残りし鉤のあと 菊池洋子 やぶれ傘 201803
壺焼や湯呑みに酒を勧められ 大川ゆかり 201805
転がってさざえ並んで壺焼き たかはしすなお 201806
壺焼を傾かせたる火勢かな 田所節子 202004
壺焼を浦の説でさし出さる あさなが捷 202006
壺焼きの香りもれ来る暖簾かな 及川照予 末黒野 202006
壺焼を浦の訛でさし出さる あさなが捷 202007
壺焼きの火を継ぎ足して放哉忌 増成栗人 202206
壺焼や鳥の形の醤油さし 西村洋平 春燈 202307