茅花流し 1   208句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
駅を出てすなはち茅花流しかな 神蔵器 風土 199807
弔ひの記帳に茅花流しかな 生田恵美子 風土 199808
大患を經し胸中茅花流しかな 中原道夫 銀化 199907
トランペットが反れたる茅花流しかな 鶴田武子 俳句通信 199908
茅花流したぽっと黒船到着感 山中葛子 海程 199911
われの背を押しゐる茅花流しかな 加藤みき 200007
牛飼の左千夫に茅花流しかな 神蔵器 風土 200008
船笛や茅花流しの隅田川 高橋邦夫 風土 200008
安房上総捨て身の茅花流しかな 鈴木ゆき子 風土 200008
ぎしぎしと茅花流しの板戸鳴る 小田悦子 俳句通信 200008
茅花流しの歯に衣きせぬ劇団員 本田ひとみ 海程 200012
正造の霊祠に茅花流しかな 田中正造 春耕 200107
見おろせる海より茅花流しかな 市場基巳 200108
釣人に茅花流しの中洲あり 大東由美子 火星 200109
白鷺も茅花流しに翔けにけり 大塚洋子 酸漿 200109
遊子虚子の茅花流しの散歩道 溝内健乃 雨月 200109
利酒に茅花流しの橋渡る 竪ヤヱ子 俳句通信 200109
茅花流し雲より鈍き川の色 川瀬里江 俳句通信 200109
茅花流し艶濃くなりしログハウス 野口光江 遠嶺 200111
茅花流しきらめくものをいつも追ふ 斎藤棹歌 200201
遊覧船茅花流しの中をゆく 田中章子 酸漿 200207
茅花流し潮の色に沖の石 岩木茂 風土 200208
看取り終へ茅花流しの野を戻る 岡淑子 雨月 200208
山荘の茅花流しに吹かれゐる 佐藤淑子 雨月 200209
茅花流し子が結婚を口にせり 苑実耶 200308
老病躯茅花流しに目をつむる 千代田葛彦 馬醉木 200308
茅花流し川緩やかに流れけり 影山わこ 百鳥 200309
茅花流し比叡離宮の空広き 徳田干鶴子 馬醉木 200401
茅花流し伊八の波の欄間彫 能村研三 200406
茅花流し大風の日がつづきけり 宮津昭彦 200407
海坂へ茅花流しの吹き出づる 加藤みき 200407
叱らるる弟茅花流しかな 富沢敏子 200408
和製ロック茅花流しに梳かれをり 今瀬一博 200408
草津線茅花流しを走りくる 高橋千美 京鹿子 200409
茅花流し旅ははらから老同志 中島伊智子 酸漿 200409
建柱茅花流しとなりにけり 中根美保 風土 200411
手をつなぎ茅花流しをつのらしむ 伊藤白潮 200506
茅花流し檀林守は知を尽す 能村研三 200506
四五頁めくれて茅花流しかな 高橋将夫 星の渦 200507
石橋の茅花流しを女傘 淵脇護 河鹿 200508
浜風の茅花流しとなりにけり 水原春郎 馬醉木 200508
川風の茅花流しとなる夕ベ 小松渓水 酸漿 200508
特急の前触れ茅花流しかな 清水ミツコ 200508
茅花流し車は速度落さざる 三輪慶子 ぐろっけ 200508
校庭に和太鼓茅花流しかな 中嶋陽子 風土 200508
碇錆び茅花流しの漁師小屋 工藤進 200509
江ノ電のごとんと茅花流しかな 三好智子 200509
マンションへ海より茅花流しかな 大坪景章 万象 200509
茅花流し一枚の絵のはじめかな 蓮尾あきら 風土 200509
桂林へ茅花流しを飛び立てり 川上恵子 雨月 200509
母の忌を茅花流しの島訪はむ 川上恵子 雨月 200509
茅花流し母を訪ふかに姉を訪ひ 高垣和恵 雨月 200509
痛む歯に茅花流しの風滲みる 村上和子 ぐろっけ 200509
砺波野のかすみて茅花流しかな 志奈禮子 万象 200510
腰蓑の茅花流しに干されあり 池田鶴月 栴檀 200510
皇女かなし茅花流しの斎宮址 東野鈴子 雨月 200510
首振つて髪解く茅花流しかな 長井順子 200510
眠たくて泣く子に茅花流しかな 遠野萌 200511
最上川茅花流しに舟揺れて 小松鈴子 酸漿 200512
こそばゆき踝茅花流しかな 楠原幹子 白卓布 200602
茅花流しや五感の退化しつつあり 千田百里 200607
茅花流し炭住廃墟聳え建つ 能村研三 200608
今頃は茅花流しに父母の墓 神蔵器 風土 200608
みすずかる信濃に茅花流しかな 奥山絢子 風土 200608
白鳳の黒髪茅花流しかな 中野京子 200608
鹿の糞新し茅花流しかな 大山文子 火星 200608
奥三保茅花流しとなりにけり 守屋井蛙 酸漿 200608
茅花流し地球丸しと人の云ふ 森山のりこ あを 200608
茅花流し少年川を渉り来る 水野恒彦 200708
牧の牛茅花流しに声上ぐる 佐藤和子 万象 200709
タンデムや茅花流しの一里塚 玉川悠 遠嶺 200709
肩組みて茅花流しの二人づれ 内藤順子 酸漿 200709
海昏く茅花ながしに彌撒の鐘 長沼恒子 馬醉木 200709
伊那に来て茅花流しの中に立つ 阿部ひろし 二の杉 200710
来てしまふ茅花流しの父の国 伊藤白潮 200806
旅はみちのく茅花流しをやり過ごし 岡本まち子 馬醉木 200808
ここからの茅花流しのゆくへかな 中野京子 200808
茅花流し海見るだけの車寄せ 鶴見遊太 200808
絵馬鳴らす茅花流しのゆくへかな 岡澤田鶴 200808
白髪のアン佇む茅花流しの島 品川鈴子 ぐろっけ 200808
茅花流しつめたくなりし風夕べ 福盛悦子 雨月 200808
窓を打ち茅花流しの粒増ゆる 宮津昭彦 200808
茅花流し鞄の底の虫めがね 風間史子 200809
蜑の村茅花流しに暮れてゆく 和田崎増美 雨月 200809
武蔵野の茅花流しに蘆花旧居 落合絹代 雨月 200809
僧と別れ茅花流しの小辺路ゆく 今井妙子 雨月 200810
茅花流し田上がる母に右手貸す 岡田満壽美 夢のごとしと 200904
茅花流し膝にひろぐる海図かな 石寒太 炎環 200907
兼好の草庵跡や茅花流し 下山田美江 風土 200907
土地訛茅花流しに攫はるる 柴田雪路 200907
茅花流し岩礁の海前にせり 阿部ひろし 酸漿 200907
立体駐車場前なる茅花流しかな 中谷葉留 風土 200908
伸ばしきる巻尺茅花流しかな 中谷葉留 風土 200908
一周忌近まる茅花流しかな 山崎靖子 200908
白々と茅花流しの風やはし 成田なな女 春燈 200908
杉菜茶や茅花流しのそよそよと 中根健 200908
茅花流し潮の匂ひの握手かな 加藤美代子 炎環 200909
ハングライダー茅花流しの勢得て 那須礼子 春燈 200909
どこまでも茅花流しや旅の空 平野千江 200909
業平の通ひ路茅花流しかな 山田弘子 ホトトギス 200910
柴又も矢切も茅花流しかな 安藤久美子 やぶれ傘 200910
離陸今茅花流しの滑走路 稲畑汀子 ホトトギス 201005
茅花流し休耕田を余しけり 小山繁子 春燈 201007
夕影の茅花流しに湧く旅愁 西村博子 馬醉木 201008
茅花流し三河連山深曇り 羽根嘉津 201008
水逝かす茅花流しや遠筑波 松本俊介 春燈 201009
オカリナを遠くに茅花流しかな 甕秀麿 201009
わが野性くすぐる茅花流しかな 冨松寛子 201010
夕暮や茅花流しの地平線 小川みゆき ホトトギス 201012
待ち合はす茅花流しの葵橋 天谷翔子 火星 201107
茅花流しみんな忘れぬ人ばかり 酒本八重 201108
海晴れて茅花流しの分離帯 田所節子 201108
禰宜守るや茅花流しの流罪の地 井山幸子 万象 201108
女子走者茅花流しを腿高く 荒木甫 201108
缶を蹴る向かうに茅花流しかな 柳川晋 201108
逆波の茅花流しとなりにけり 根橋宏次 やぶれ傘 201109
茅花流し父の轍の切れしあと 土居通子 ろんど 201110
女子走者茅花流しを腿高く 荒木甫 201201
しつとりと茅花流しの帰宅かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201204
飛機一機茅花流しに飛び立てり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
詩を詠む形に茅花流しかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
古利根の茅花流しの濁りかな 須賀充子 パミール越え 201206
鐘楼に鐘なく茅花流しかな 山田六甲 六花 201206
近江路の茅花流しや好っきゃねん 竹内悦子 201207
雄蛇ヶ池茅花流しの渡りけり 小林共代 風土 201207
茅花流しもう少年でなき匂ひ 北川英子 201207
寺門出づる尼僧へ茅花流しかな 松本三千夫 末黒野 201208
茅花流し浜にまんばう揚がるころ 福島せいぎ 万象 201208
待つことを茅花ながしの闇の中 大島翠木 201209
微睡は茅花流しをくぐりをり 中野京子 201209
さざなみと戯る茅花流しかな 寺田すず江 201209
若干の負けん気茅花流しかな 田部井幸枝 201210
巫女の舞茅花流しに匂ひ立つ 神田恵琳 跫音 201303
大利根の茅花流しや通夜帰り 亀田やす子 ははのこゑ 201306
もろ手の荷茅花流しに置きにけり 小林成子 火星 201309
茅花流しかな銀輪の縦一列 吉田政江 201401
大江戸へ小江戸へ茅花流しかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
晴海より銀座へ茅花流しかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
みよし野に魂呼ぶ茅花流しかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
一ト揺れに始まる茅花流しかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201406
黒髪のさらさら茅花流しかな 有賀昌子 やぶれ傘 201407
茅花流し捕鯨港あと波碧く 大森三保子 馬醉木 201408
薬袋提げゆく茅花流しかな 竹内悦子 201408
茅花流し橋梁工事遅々として 楠原幹子 201408
茅花流し火山灰地の畑の黒々と 大森三保子 馬醉木 201408
さざ波のつまづく茅花流しかな 柴田久子 風土 201408
中天に日のある茅花流しかな 甕秀磨 201409
ゆるやかに茅花流しの離陸かな 中野京子 201409
喪服着て茅花流しに吹かれゆく 山内碧 201410
暮れ方の茅花流しの川原かな 辻井ミナミ 末黒野 201410
子の髪を撫でゆく茅花流しかな 石黒興平 末黒野 201410
はは父の許へと茅花流し吹く 今橋眞理子 ホトトギス 201411
離陸する茅花流しに押されつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
離陸する茅花流しの大地置き 稲畑汀子 ホトトギス 201505
たましひを茅花流しに乗せ逝かれ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201506
ビスケットの匂ひの茅花流しかな 加藤みき 201507
茅花流し海の男の葬りかな 能村研三 201507
駅長が窓拭く茅花流しかな 白神知恵子 女坂 201508
老い母に添ひゆく茅花流しかな 白神知恵子 女坂 201508
茅花流ししめり易きは夢二の碑 白神知恵子 女坂 201508
灯台へ茅花流しの遊歩道 上谷昌憲 201508
茅花流し玉の夕日の乗り易し 羽根嘉津 201508
麓まで見通す茅花流しかな 生田作 風土 201508
一穂のタクトに茅花流しかな 下山田美江 風土 201508
茅花流し利根の宿場の閑古鳥 山本喜朗 雨月 201508
重さうな黒髪茅花流しかな 高橋将夫 201508
蝦夷の地に下り立つ茅花流しかな 小林愛子 万象 201509
吹く風に興乗せ茅花流しかな 江木紀子 雨月 201509
夕べには茅花流しとなりにけり 大崎紀夫 虻の昼 201510
土佐の旅茅花流しにをさめたる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
離陸する茅花流しに沿ふ加速 稲畑汀子 ホトトギス 201605
髪湿る茅花流しに流されて 久染康子 201607
のつぽビル茅花流しに吹かれをり 山下良江 万象 201608
子等帰る茅花流しに唄乗せて 柴田近江 201608
藍墨を磨る香に茅花流しかな 本多俊子 201608
茅花流しすべてを風にまかせたる 寺田すず江 201608
陵の全景茅花流しかな 中田禎子 201608
海見ゆる街道茅花流しかな 佐藤やすこ 風土 201609
一便のバス待つ茅花流しかな 綱川恵子 万象 201609
助手席に茅花流しを感じつつ 千原叡子 ホトトギス 201610
灯台祭茅花流しの中を行く 能村研三 201806
水音の暮れそむ茅花流しかな コ田千鶴子 馬醉木 201807
半折に茅花流しの歌一首 下山田美江 風土 201808
慶子忌の近づく茅花流しかな 西岡啓子 春燈 201808
茅花流し旧砲台の遺る浜 堀井英子 雨月 201809
ひと絶えて茅花流しの午後になる 陥山道子 船団 201811
忘れ物茅花流しを引き返し 滋野暁 末黒野 201904
因幡から吹き来る茅花流しかな 山田六甲 六花 201906
河口湖に茅花流しや潮の香 松田多朗 馬醉木 201907
夕さりのハモニカ茅花流しかな 大沢美智子 201907
登校の銀輪茅花流しかな 千田百里 201908
茅花流し歩幅小さくなつてをり 楠原幹子 201908
長者ヶ崎令和の茅花流しかな 門伝史会 風土 201908
解散は茅花流しの日比谷かな 山森みちよ 風土 201908
茅花流し揺れて沈まぬ笹小舟 森清堯 末黒野 201908
極楽へ背を押す茅花流しかな 中田禎子 201909
夕さりの茅花流しや標石 岡野里子 末黒野 201909
川からの茅花流しは陸へ向き 住田千代子 六花 201909
対岸の茅花流しや左千夫の忌 菅野日出子 末黒野 201911
大利根のたうたう茅花流しかな 町山公孝 202007
茅花流し →2      

 

2022年4月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。