栃の花   94句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
橡の花露月旧居の黒き戸に 松崎鉄之介 199808
開拓の地の力見ゆ橡の花 堀田清江 雨月 199901
奥伊予の空の狭さよ栃の花 麻生當子 199909
橡の花山のはるかに長女次女 館林志津子 俳句通信 199909
花の鉾すべて天指す橡の花 岡田ン太雄 雨月 200006
栃咲けり山高帽のある館 中村洋子 風土 200008
山人を力づけむと橡咲くや 村越化石 200008
「トチノキ」に橡の花咲く植物園 佐藤真次 200008
自転車のをみな先生橡咲けり 朝妻力 俳句通信 200106
栃咲いて一樹の燭架かぞふべし 阿部ひろし 酸漿 200107
カルデラへ向ふトロツコ橡の花 北吉裕子 俳句通信 200107
橡咲くや刻を告げゐる童唄 深川知子 春耕 200107
栃の花仰げり露月生家訪ひ 宮津昭彦 200108
風に揺る橡の花房南谷 皆川盤水 春耕 200207
ひそやかに小流れめぐる栃の花 高村洋子 遠嶺 200208
橡の花師に逢うたるはこのあたり 谷村幸子 200208
栃咲いて昔ごころを灯しけり 坂田富佐雄 200208
誰も仰ぐ花くれなゐの橡並木 沢田邦子 200210
雨溜めて空の下りくる橡の花 松岡隆子 200307
橡の花昔の人はよく歩き 高倉恵美子 200308
息止めてCT像影栃の花 筒井妥朶 200308
栃咲くや飛沫浴びゐる不動尊 森木久美 雲の峯 200308
橡の花こぼるる樹下を去りがたし 大塚鈴子 雨月 200308
橡の花の美しきを言うて旅いゆく 大塚鈴子 雨月 200308
暮れ残る峠の口に栃の花 波多野葉子 200310
栃の花さびしき鬼が人家まで 柴田佐知子 200310
鉄塔に雲溜まりだす橡の花 生方ふよう 200401
堂々と咲く栃一樹峡深し 川原典子 酸漿 200405
勅願寺址のしづけさ橡の花 青山悠 200408
足元に冷えの来てゐる栃の花 堀義志郎 火星 200408
栃咲くやビルに大学喫茶室 布施まさ子 風土 200408
栃咲くや小学校に大手門 神蔵器 風土 200507
橡咲くや赤き煉瓦の裁判所 木暮剛平 万象 200508
森抜くる一両電車栃の花 大坪景章 万象 200508
橡咲くや停車短き飯山線 田中明子 万象 200508
栃咲いて恵日寺前に蜂を飼ふ 佐藤俊子 200508
皇室に所縁の牧場橡の花 鈴木石花 風土 200508
森青く蔵してゐたる橡の花 里中章子 200508
鮮かに懸巣あらはれ栃の花 瀧春一 常念 200606

 はからずも淺間山の爆發に遇ふ

くらみゆく噴火の天に栃の花

瀧春一 常念 200606
みちのくの地図広げをり橡の花 植木戴子 200608
栃咲けり天に祈りの燭かかげ 沢聰 馬醉木 200609
橡の花咲かせて白き外務省 阿部正枝 遠嶺 200609
橡の花開きて妻の誕生日 白川敏彦 遠嶺 200609
橡の花なんだかんだと来てしまふ 高橋澄子 200609
淡き影重ねてをりし橡の花 小林正史 200609
橡咲いて見知らぬ街のレストラン 田中敦子 200609
栃の花真つ直ぐ天を見上げ咲く 劔持和子 酸漿 200610
栃咲けり復原住居の煙出し 中村洋子 風土 200708
栃の花咲けば記憶の中の道 稲畑汀子 ホトトギス 200805
谿空に孤高の彩を橡の花 邑橋節夫 菊揃へ 200806
橡咲けり校舎へ続く丘の道 川合八重子 酸漿 200808
大いなる栃の一樹に花咲けり 池田いつ子 酸漿 200808
木の股に花蘂零す栃の花 渡邊孝彦 やぶれ傘 200808
栃咲いて白瀬落ちゆく照葉峡 手島靖一 馬醉木 200809
栃の花蝮注意の立看板 吉成美代子 あを 200907
釣竿の放物線や橡の花 片岡啓子 遠嶺 200908
森深く燭光白し栃の花 田野倉和世 酸漿 200908
栃の花頭上に掲げ退院す 岩本里美 200910
橡の花隆々風に乱れなく 大橋晄 雨月 201008
巫女が振る鈴の様なり栃の花 坂根宏子 201009
栃の花老いて多弁の番所守 鈴木千恵子 万象 201009
橡の花まとはり咲きてこぼれ易 稲岡長 ホトトギス 201010
耐へ抜きし橡の一花や実となりぬ 稲岡長 ホトトギス 201010
街囲む古き城壁橡咲けり 伊藤一枝 酸漿 201101
天辺は県境にして栃の花 浜福惠 風土 201107
妙高の山懐や橡の花 大渕豊子 酸漿 201107
公園のピエロに栃の花垂るる 藤井美晴 やぶれ傘 201108
橡の花烏食ひたる跡ならむ 稲岡長 ホトトギス 201109
山の上ホテル間近き橡の花 森田尚宏 201109
行列のウィーンのカフェや栃の花 長濱順子 201110
天王山登りきつたり栃の花 中山良子 末黒野 201110
橡餅を食べつつ橡の花仰ぐ 伊藤純子 201208
索道の人の危ふさ栃の花 鈴木庸子 風土 201208
三度目にその名云ひあて栃の花 森田尚宏 201209
法界へ届けとばかり橡の花 前田美恵子 201210
暁の空へと咲けり橡の花 廣瀬雅男 やぶれ傘 201210
信者なき神は滅びて橡の花 柴田佐知子 201210
湖といふ大景絞り栃の花 稲畑汀子 ホトトギス 201505
栃は突く櫻は触るる花芽どき 大坪景章 万象 201506
栃咲けり墓石のみなる木地師村 鈴木漱玉 馬醉木 201508
栃の花見に来て黐を見て帰る 藤井美晴 やぶれ傘 201509
蔵町の窓開け放ち栃の花 萩庭一幹 馬醉木 201608
橡の花懸け造りより見下ろせり 升田ヤス子 六花 201608
橡の花底のつながる池と池 高橋道子 201609
橡の花大黒柱平手打つ 荒木甫 201609
せまりくる空の青さや橡の花 小嶋紘一 末黒野 201610
三番叟の舞始まりぬ栃の花 奥田茶々 風土 201708
青空を正面にして橡の花 大坪景章 万象 201708
三番叟の舞始まりぬ栃の花 奥田茶々 風土 201708
青空を正面にして橡の花 大坪景章 万象 201708
単線の鉄橋長し栃の花 森清信子 末黒野 201810
栃咲いて山の低きを雲走る 廣瀬雅男 やぶれ傘 201907
木上にてフレンチカンカン栃の花 瀬川公馨 201908
茅葺きの屋根を凌ぎて栃の花 小原紀子 末黒野 201909
橡咲けば美穗女忌近くなつかしく 千原叡子 ホトトギス 201910
橡咲くや空の高くに鈴の音 道端齊 202108
あかあかと栃の花咲く空であり 谷口摩耶 202206

 

2023年5月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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