年忘れ    165句

日本の軍歌は哀し年忘れ   刑部白雲   獐

作品
作者
掲載誌
掲載年月
世帯持ちし町へ出掛けて年忘れ 関口昌代 199903
忘れたき年なればとて年忘れ 能村登四郎 芒種 199911
誕生日年忘れにて祝はるる 松崎鉄之介 200002
景気には誰もがふれず年忘れ 武岡東西 俳句通信 200002
年忘れユダが唄へるアベマリア 小林輝子 風土 200003
雪の年忘れ浮世絵切手かな 中島陽華 200004
殉職の空席ひとつ年忘れ 天岡宇津彦 200009
中締のあとも盛んに年忘れ 天岡宇津彦 200009
年忘れ豆腐律儀に控へをり 坂本敏子 京鹿子 200101
毒気なき毒舌ばかり年忘れ 鷹羽狩行 200102
橋詰の赤き提灯年忘れ 鷹羽狩行 200102
年忘れホッピーという疑似酒に酔ふ 二村節子 200102
末席のことに賑はひ年忘れ 吉川智子 200103
後味のよき年忘れなりしかな 能村登四郎 羽化 200110
更けてより句会くづれの年忘れ 能村登四郎 羽化 200110
塵のまま心のままや年忘れ 沼田巴字 京鹿子 200202
年忘れ校歌うたひて終りけり 青池亘 百鳥 200203
年忘れ新官誕生乾杯す 河野友子 六花 200203
一歩ずつ噛みしめ帰る年忘れ 松本文一郎 六花 200204
煮え立ちて鍋の吹き出す年忘れ 天岡宇津彦 200205
いよよ喜寿意気軒昂たる年忘れ 川村紫陽 200303
種ばらすことも手品よ年忘れ 田中武山 六花 200303
年忘れフォークダンスの男役 竹下昭子 ぐろっけ 200303
歓声はビンゴゲームよ年忘れ 竹下昭子 ぐろっけ 200303
喜怒哀楽ぐっと飲みほし年忘れ 田中時子 八千草 200306
礼状に礼状の来て年忘れ 山田六甲 六花 200312
つけものは京に限ると年忘れ 山田六甲 六花 200401
一湾を刺す日矢太し年忘れ 中尾杏子 200402
大坂城見下ろしゐたり年忘れ 堀義志郎 火星 200403
一陣のさらに大きく年忘れ 吉野のぶ子 遠嶺 200404
往年のジャズメン揃ふ年忘れ 中里とも子 百鳥 200404
持ち芸は軍歌が一つ年忘れ 小川匠太郎 200412
年忘れ深酒の僧たしなめむ 田中藤穂 あを 200502
年忘れ物忘れして戻りけり 村越化石 200502
ふるさとの山なつかしむ年忘れ 神蔵器 風土 200502
年忘れ君の隣りを択びけり 石川笙児 200503
二坪の畑つ物抜く年忘れ 山本耀子 火星 200503
年忘れ若者言葉とがめけり 石川英利 百鳥 200503
竹生島見ゆる二階の年忘れ 川崎光一郎 京鹿子 200503
年忘れ武州の味のとろろ汁 田中藤穂 あを 200602
ほんのりと酔うて愚痴聞く年忘れ 須賀敏子 あを 200602
子の帽子被つて来たり年忘れ 城孝子 火星 200603
席順はくじ引きとなり年忘れ 細川房代 百鳥 200603
みづからをおどけてみせる年忘れ 峯桜子 遠嶺 200604
乾杯のコップがマイク年忘れ 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200605
譲りあひ席の決まらぬ年忘れ あさなが捷 200702
二十番ホールもあると年忘れ 鷹羽狩行 200702
年忘れ憂さを忘れる酒を酌む 永田勇 六甲 200703
年忘れ人それハ、に笑い鐵 藤川國子 ぐろっけ 200703
佳きことの指折りありぬ年忘れ 池崎るり子 六花 200704
年忘れ病忘れの仏蘭西食 品川鈴子 200708
年忘れ婆ら華麗にフラダンス 羽賀恭子 200802
偽装食品笑い飛ばして年忘れ 達山丁字 200803
下駄箱の木札のいろは年忘れ 柴田久子 風土 200803
老忘れ子の年忘れ柏餅 小國佐世子 遠嶺 200808
酒だけは忘れぬと言ひ年忘れ 林翔 200901
寄席を出て干支の飴買ふ年忘れ 藤野寿子 あを 200902
年忘れ人それぞれの昭和歌 山中宏子 200903
福相の眉毛をほめて年忘れ 江川きよ 200903
七人の敵みな古稀や年忘れ 石原光徳 酸漿 200903
乾杯が済めば手酌や年忘れ 縣昌司 万象 200905
句会果てみな意気の合ふ年忘れ 佐藤健伍 201002
年忘れ住時の姫も無礼講 三羽永治 遠嶺 201003
暖き銀座の宵の年忘れ 関根喜美 201003
年忘れ向かう旧道岸和田城 島純子 ぐろっけ 201004
山鳥の大鍋滾る年忘れ 松本文一郎 六花 201004
年忘れ祇@園新橋稲荷うら コ田千鶴子 馬醉木 201102
笑ひじわ深く刻んで年忘れ 塩千恵子 201102
老たちのしづかに集ふ年忘れ 柳田和子 酸漿 201102
寒いねとまづ言ひ合ひて年忘れ 鎌倉喜久恵 あを 201102
年忘れすぐに煮つまる牡丹鍋 鎌倉喜久恵 あを 201102
年忘れ時計回りに挨拶す 竹内弘子 あを 201102
旅の夜のカクテルドレス年忘れ 西村純代 201103
はらからと少し早めの年忘れ 吉田きみえ 末黒野 201103
鯛の鯛心充ちたる年忘れ 本多俊子 201103
ミサ曲を歌ひ納めて年忘れ 和田 政子 201103
席順にひたすらうたふ年忘れ 数長藤代 201103
忘れたきことなどあらず年忘れ 安武晨子 201104
寄鍋に賑はいてをり年忘れ 長島清志 かさね 201202
人間探究派に絡まるる年忘れ 上谷昌憲 201202
銀座まで出て年寄りの年忘れ 辻直美 201202
年忘れ本音溶けだす舌下錠 山崎@青史 ろんど 201203
どぜう屋の柱に凭れ年忘れ 大西八洲雄 万象 201203
ぼけ除けのお札配られ年忘れ 小林愛子 辻楽師 201206
どの顔も昔に戻る年忘れ 塚原洋子 201208
年忘れ賑はふ街へウォーキング 斉藤裕子 あを 201301
潔く胃カメラ呑んで年忘れ 斉藤裕子 あを 201301
深酔の落武者めきぬ年忘れ 安居正浩 201302
年忘れ心斎橋の鯨鍋 岡野安雅 かさね 201302
教え子に酌をせらるる年忘れ 後藤克彦 かさね 201302
年忘れ市長の唄ふビートルズ 細川知子 ぐろっけ 201303
年忘れ「高砂」謡ひ締め括る 安田とし子 ぐろっけ 201303
卓囲み和気藹々と年忘 西村しげ子 雨月 201303
デカンショは一節のみや年忘 阪本哲弘 201303
二つ目を呼び町内の年忘 坂場章子 201303
泡盛の良きのど越しや年忘 松田和子 201303
人間に喜怒哀楽や年忘 小原登志春 雨月 201303
高階の夜景千両年忘 峰幸子 末黒野 201303
年忘雨を出掛けてゆきにけり 島谷征良 風土 201304
ブルゴーニュワイン二本の年忘 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
東京の時雨おどろく年忘 秋水原櫻子 馬醉木 201312
年忘熱き料理も味の内 稲畑汀子 ホトトギス 201312
忘れ得ぬことを抱きて年忘 稲畑汀子 ホトトギス 201312
会場の明るきことも年忘 稲畑汀子 ホトトギス 201312
地下抜けて電飾抜けて年忘 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
青春歌渋き喉もて年忘 北尾章郎 201402
この酒のこの香この味年忘れ 町山公孝 201402
句に遊び一喜一憂年忘れ 大日向幸江 あを 201402
年忘れ論客にして恐妻家 服部早苗 201403
年忘の時宜のお開き若女将 北尾章郎 201404
年忘れ論客にして恐妻家 服部早苗 201404
切りたんぽ手作る店で年忘れ 森理和 あを 201502
いそいそとそのいそいそも年忘れ だいじみどり 201503
年忘れ王子稲荷の笑顔みる 神田美千留 京鹿子 201504
ぞろぞろと二階へあがる年忘れ 金子正道 京鹿子 201504
年忘れタンゴ踊りてつかれけり 松川悠乃 ろんど 201504
捨て鐘に始むる京の年忘れ 間島あきら 風土 201504
邂逅のてのひら温き年忘れ 土屋草子 ろんど 201504
マンゴーの種の平たき年忘れ 辻美奈子 201603
梅の枝の伸び放題に年忘れ 戸栗末廣 201603
七人の五人は早寝年忘れ 相良牧人 201603
窓からの原風景や年忘れ 大内幸子 六花 201603
ついたての微妙な高さ年忘れ 五十嵐章子 201604
さまざまなことありし年忘れめや 稲畑汀子 ホトトギス 201612
上手より音痴のうける年忘れ 平川陽三 船団 201612
懐しき歌も出るなら年忘れ 小野喬樹 馬醉木 201702
小骨にもうま味のありて年忘れ 高木晶子 京鹿子 201703
年忘れついでに齢忘れけり 安居正浩 201703
種明かす手品が受けて年忘れ 瀬島洒望 やぶれ傘 201703
持ち寄りの駄句を肴に年忘れ 石黒興平 末黒野 201704
忙中閑座して句を詠む年忘れ 飛田典子 末黒野 201704
年忘おのが未来の第一歩 竹下陶子 ホトトギス 201706
皆心華やぐ句会年忘 稲畑汀子 ホトトギス 201712
青佳さんけんさん偲ぶ年忘 稲畑汀子 ホトトギス 201712
はや過ぎてゐし一年や年忘 稲畑汀子 ホトトギス 201712
年忘れ忘じてならぬ一言あり 河崎國代 春燈 201802
年忘れ敢へて四番下足札 能村研三 201802
酒好きの先師恋しや年忘れ 山田春生 万象 201803
早々と先輩来る年忘れ 尾崎千代一 末黒野 201803
今日晴れて八十路の集ふ年忘れ 廣瀬雅男 やぶれ傘 201803
クラス会傘寿九人の年忘 大橋晄 雨月 201804
煩悩のままに老いたる年忘 竹下陶子 ホトトギス 201806
下戸にして意外な多芸年忘れ 能村研三 201902
酔ひ醒ますほどよき雨や年忘 長谷川閑乙 馬醉木 201902
城たたへ清正たたへ年忘 服郎鹿頭矢 馬醉木 201902
三つ四つの駄句持ち寄り年忘れ 高村令子 風土 201903
古書店をさ迷ひゐたり年忘 山下健治 春燈 201903
年忘歌も歌はず帰りけり 志方章子 六花 201904
母屋より大鍋運ぶ年忘れ 曽根富久恵 201907
年忘ひきずつてゐる大欠伸 今井肖子 ホトトギス 201912
十人の二人欠けたる年忘 佐藤玲子 京鹿子 202002
隠し味ある人とゐる年忘 能村研三 202002
年忘れ電話に聴くやカラオケを 大日向幸江 あを 202002
年忘マイク離さぬ句友ゐて 今村千年 末黒野 202003
病む人に亡き人に年忘れかな 根岸善行 風土 202004
年忘黄泉の噂の飛入りて 嘉味田朝 末黒野 202004
年忘めいて北から南から 稲畑汀子 ホトトギス 202012
一年を振り返る年忘かな 稲畑汀子 ホトトギス 202012
夕影を置きそめしより年忘 稲畑汀子 ホトトギス 202012
スケジュール巡る名苑年忘 稲畑汀子 ホトトギス 202012
ビール壜ぽおと鳴らして年忘 谷口一献 六花 202101
快晴といふ明るさに年忘 稲畑汀子 ホトトギス 202112
女子とて斗酒なほ辞せぬ年忘 高濱朋子 ホトトギス 202204
一病のある人ばかり年忘 森清堯 末黒野 202204
年忘れ余興はいつも同じもの 曽根富久恵 202208

 

2022年12月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。