年の市     150句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
買うてすぐ嵌める指輪や年の市 山田弘子 「春節」 199503
叩くてふほどは値切らず年の市 朝妻力 俳句通信 200001
なりふりをかまはず出かけ年の市 吉原一暁 200003
湯葉買つて通り抜けたる年の市 大東二三枝 200003
年の市棚の跳ね駒売約済 吉見文子 200003
年の市おじやこのいのち升で買ふ 奥田筆子 京鹿子 200004
年の市大き荷を提ぐ修道女 藤武由美子 春耕 200102
年の市買ひ物を手に立ばなし 熊谷みどり いろり 200102
雑踏の人に喜憂あり年の市 田島勝彦 遠嶺 200104
鰤割くに山刃の背叩く年の市 小林昌子 200202
雑踏の夕日が眩し年の市 小林螢二 春耕 200202
四万十の川海苔も売る年の市 和田祥子 馬醉木 200203
年の市綴じ糸美しき箒買ふ 太田陽子 春耕 200203
だみ声もなく年の市はじまりし 下田水心子 円虹 200203
今別れ来し人と逢ふ年の市 田中子 円虹 200203
甘酒を温めし匂ひ年の市 太田陽子 春耕 200203
四五日を灯す小さな年の市 藤井昌治 200203
年の市求めて小さき飾り馬 和田祥子 馬醉木 200203
年の市青〆縄のにほひたつ 石川桂郎 200212
何買ふにあらねど寄りし年の市 藤井昌治 200302
赤べこの首の諾々年の市 鈴木まゆ 馬醉木 200303
たゆたひて眼行き交ふ年の市 鈴掛穂 200303
年の市棒で境界線を引く 杉浦典子 火星 200303
年の市威勢も共に買ひゐたり 塩川雄三 築港 200303
妻に蹤き双手ふさがる年の市 前田青紀 馬醉木 200303
年の市通り過ぎては又戻り 稲畑廣太郎 ホトトギス 200312
年の市世相反映してをりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200312
年の市鳥獣戯画の包み紙 細川知子 ぐろっけ 200312
詰めて来し箱に物乗せ年の市 川野喜代子 雲の峰 200402
山積みのもの匂ひたち年の市 片山由美子 200402
年の市爪はじきして選ぶ皿 土生逸磨 河鹿 200402
年の市しみじみ生きてきたるかな 藤井昌治 200403
年の市七味小辛く誂へる 芝尚子 あを 200403
年の市あさぶら草履乱積みに 佐藤輝子 200403
呼込みの異邦の漢年の市 田島勝彦 遠嶺 200404
陸橋に猫は寝そべり年の市 品川鈴子 六香 200501
はやる店はやらざる店年の市 塩川雄三 築港 200502
活気とも空騒ぎとも年の市 柴田毅 築港 200502
両の手に余る荷となり年の市 木村茂登子 あを 200502
年の市花屋は花に満ちてをり 塩川雄三 築港 200502
値札なき壺の怪しき年の市 高倉和子 200503
ためらはず銀の瓶買ふ年の市 新海りつ子 馬醉木 200503
波音の聞える町の年の市 河合大拙 百鳥 200503
年の市社長にされて買ふ帽子 石田きよし 200503
軽石の仏のいのち年の市 淵脇護 河鹿 200503
電飾の寺裏くらき年の市 館容子 200504
先生も大きなマスク年の市 水原春郎 馬醉木 200602
七輪の炎の美しき年の市 初瀬啓子 200603
抜け道の多き祇園や年の市 松井倫子 火星 200603
年の市裏に病院ありにけり 初瀬啓子 200603
大方は母の使ひよ年の市 松鶴裕子 河鹿 200603
掘出しの骨董探す年の市 秋田直己 ぐろっけ 200604
爺ちやんに鯛焼ぬくき年の市 中川志帆 万象 200605
ひやかしと見抜かれてゐる年の市 山田夏子 雨月 200703
売り買ひの眼血走る年の市 大橋晄 雨月 200703
店先を声もはみ出し年の市 秋千晴 200705
年の市かかはりもなく見過ぎけり 瀧春一 200706
旧道のさびれたる店年の市 松尾緑富 ホトトギス 200707
肩こりを癒すてふ靴下年の市 仁平則子 200802
大漁旗掲げ人呼ぶ年の市 山下佳子 馬醉木 200803
売り声の追ひかけてくる年の市 西岡啓子 春燈 200803
足馴らしの夫と出できし年の市 杉浦典子 火星 200803
押されつつ買ふ物は買ひ年の市 山下由理子 200810
大声に皆が振り向き年の市 山田六甲 六花 200812
鳴門巻入りが支那そば年の市 森理和 あを 200902
小面をそのまま茣蓙に年の市 浅田光代 風土 200903
無傷なる橙を選り年の市 上原和子 200904
石榴売なども出てゐて年の市 鷹羽狩行 200912
背山より雪飛びきたる年の市 山尾玉藻 火星 201001
日の出から日の入までぞ年の市 井上幸子 酸漿 201002
軒を出る紅白の垂れ年の市 秋千晴 201003
首すぢに人の息ある年の市 城孝子 火星 201003
福助の耳に日あたる年の市 浅田光代 風土 201003
盃を値切る本気や年の市 村田さだ子 酸漿 201003
伊勢海老を色どりとして年の市 長谷川史郊 馬醉木 201003
年の市するめの足の長々と 秋千晴 201004
食べさうもなきものも買ひ年の市 片山由美子 201012
方言も飛び出す年の市活気 稲畑廣太郎 ホトトギス 201012
計算のおそい売り子や年の市 田中藤穂 あを柳 201102
一つだけ青玉ポロリ年の市 和田森早苗 201102
裏観音木の香磯の香年の市 白澤よし子 馬醉木 201102
金堂のほかは暮れきし年の市 田中文治 火星 201103
昭和名残りの鈴蘭燈や年の市 後條さと子 201103
藻の匂ひ藁の匂ひの年の市 乙坂きみ子 末黒野 201103
或る男影が先ゆく年の市 小堀寛 京鹿子 201103
アラジンのランプ転がる年の市 山中志津子 京鹿子 201104
べらばうめこれ持つてけと年の市 能美昌二郎 201104
何買ふといふ当てもなく年の市 脇克行 201104
海のものまだ動きゐる年の市 柴田佐知子 201201
山椒の擂り粉木にほふ年の市 根橋宏次 やぶれ傘 201203
FMの「音の風景」年の市 相良牧人 201203
年の市半紙ひと締め地に売られ 森田節子 風土 201203
献血車かたへに控へ年の市 秋山悌歩 末黒野 201204
仔豚より値の張る小鳥年の市 松井洋子 ぐろっけ 201204
年の市風がうがうと城の空 黒滝志麻子 末黒野 201204
ファスナーを顎まで上げて年の市 森清信子 末黒野 201204
年の市満月雲を透かしゐる 秋山信行 やぶれ傘 201206
跳炭の炎色の美しき年の市 大山文子 火星 201303
年の市封印切りも僧形も 雨村敏子 201303
野沢菜のおやきのぬくし年の市 野畑さゆり 201303
年の市盟に山盛り川魚 竹下道子 京鹿子 201303
鼻とほるごとき藁の香年の市 島谷征良 風土 201304
さばかるる鯉を見てゐる年の市 橋本美代 やぶれ傘 201304
赤札にたぶらかされて年の市 池田かよ ぐろっけ 201403
年の市バイトの指の絆創膏 荒木稔 ぐろっけ 201403
黒門の東西南北年の市 西村しげ子 雨月 201403
大鯛の半身の削がれ年の市 大橋晄 雨月 201404
年の市店の並びの端に矢場 渡邉孝彦 やぶれ傘 201404
大声に大声返し年の市 山田夏子 雨月 201404
年の市髭を打ち合ふ槽の海老 中田みなみ 201503
年の市金箔入りの金平糖 田中淺子 201503
年の市荷物両手にまだ覗く 秋千晴 201504
年の市売り手買ひ手の気合かな 松本文一郎 六花 201504
寺裏に昭和のにほひ年の市 コ田千鶴子 馬醉木 201602
高窓の見送る猫や年の市 斉藤裕子 あを 201602
立寄りて道の駅即年の市 藤原照子 201603
月出でてからの賑はひ年の市 佐々木よし子 201603
年の市妻はずんずん先をゆく 菊川俊朗 201603
眼科出でし視野にまばゆき年の市 乗光雅子 雨月 201603
客もまた声を大きく年の市 高倉和子 201603
撫牛もテント掛けなる年の市 浅田光代 風土 201603
トロ箱の道へはみ出す年の市 瀬戸薫 風土 201603
年の市の配電工事始まりぬ 橋本美代 やぶれ傘 201604
焼け跡から生きてきし街年の市 平野無石 201611
買ふ当てのなけれど浮かれ年の市 松本三千夫 末黒野 201703
年の市数字ばかりがうろうろす 中山皓雪 201703
異国語を判じ分けゆく年の市 藤沢秀永 201703
暮なづむ鍋釜吊す年の市 山田正子 201703
呼び込みの声裏返る年の市 鶴岡節子 風土 201704
裏道抜けて始まる年の市 大日向幸江 あを 201801
常滑の急須を選ぶ年の市 田中藤穂 あを 201802
年の市はや来年が垣間見ゆ 高橋将夫 201802
おが屑に百合根つややか年の市 菊澤さち子 雨月 201804
年の市人混み離れヒヨコ売り 大日向幸江 あを 201902
年の市湯気の立つもの良く売れて 阪上多恵子 雨月 201903
年の市子の住む街を通りぬけ 清水美子 春燈 201903
釣銭に鱗貼りつき年の市 森清堯 末黒野 201903
年の市露地の奥なる占師 倉橋あつ子 京鹿子 201904
空店舗前にテントの年の市 天野美登里 やぶれ傘 202003
江戸前の歯切れのよさも年の市 川村欽子 雨月 202003
年の市大きな闇に隣りをり 門伝史会 風土 202004
人波へ引き寄せられて年の市 池乗恵美子 末黒野 202004
人込みを見に来たやうな年の市 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
ホ社移転して年の市近付ける 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
大阪のをばちやん年の市値切る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
密避くる間延びの列や年の市 森清堯 末黒野 202103
厨して細々とあり年の市 長崎桂子 あを 202202
年の市黄衣の僧は薬缶さげ 浅田光代 風土 202203
釣銭のふくるる財布年の市 池谷鹿次 末黒野 202203
棒鱈のはだかを買ひぬ年の市 升田ヤス子 六花 202204

 

2022年12月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。