蜻蛉生る       73句

蜻蛉生れ覚めざる脚を動かしぬ   中村汀女

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蜻蛉生まるピカソに似て非なり 松山律史 船団 199811
新墾の湫に八丁蜻蛉生る 岡田ン太雄 雨月 199908
水衣すらりと蜻蛉生まれけり 小澤克己 遠嶺 199909
とんぼ生まれ三尺飛んで二尺継ぐ 小倉行子 風土 199911
人界の水の明るさ蜻蛉生る 蜻蛉生る 京鹿子 200007
蜻蛉生れ里山ひとしほまるみゆく 豊田都峰 京鹿子 200009
蜻蛉生れしゅわしゅわと風遊び出す 豊田都峰 京鹿子 200009
蜻蛉生れ蛻に棲みつく風ばかり 新井竜才 銀化 200009
宮址に流れぬ小川蜻蛉生る 谷野由紀子 俳句通信 200110
山寺に放生池や蜻蛉生る 仲尾弥栄子 俳句通信 200110
蜻蛉生れ湖畔の季節移りけり 塙告冬 ホトトギス 200111
全身のしずくを弾き蜻蛉生まる 竹内弘子 あを 200206
教室に人の輪のでき蜻蛉生る 森裕子 円虹 200209
遊具なき草原公園蜻蛉生る 田中藤穂 あを 200209
九十の良寛戒語とんぼ生る 柴田由乃 風土 200209
小気味よき水車のリズム蜻蛉生る 西田円史 円虹 200210
糸蜻蛉生まれて水の星となる 工藤進 200307
べつ甲蜻蛉生れて間もなき湖の村 有島夛美 河鹿 200407
蜻蛉生る浮き石揺れてゐるやうな 城尾たか子 火星 200408
水中に秘密の小部屋とんぼ生る 小澤克己 遠嶺 200408
蜻蛉生れ人へ木立へ光り運ぶ 宮津昭彦 200409
雄ごころの手元足元蜻蛉生る 高畠陽子 河鹿 200410
蜻蛉生れ気づけば腕の力瘤 原田達夫 虫合せ 200506
とんぼ生れ風の言葉を目で探す 竹貫示虹 京鹿子 200506
蜻蛉生る和紙の軽さの風に乗り 工藤進 200508
からつぽの葉擦れの舟や蜻蛉生る 山田美恵子 火星 200509
蜻蛉生れかちわたる子らの尻まるく 瀧春一 菜園 200509
碧潭や鬼の名持ちて蜻蛉生る 浜口高子 火星 200510
蜻蛉生るわがふるさとは夢の中 前田陽子 200609
天使より翅をもらひて蜻蛉生る 関根洋子 風土 200609
蜻蛉生れ妻の一書をことほぎぬ 小澤克己 遠嶺 200609
波音の小さき歓声蜻蛉生る 林翔 200609
蜻蛉生る湖乳色の風に醒め 松本鷹根 京鹿子 200610
蜻蛉生る土佐の川風友として 稲畑廣太郎 ホトトギス 200705
羽光りつつ震へつつ蜻蛉生る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200705
紺の衣に白の帯しめ蜻蛉生る 蔦三郎 ホトトギス 200711
蜻蛉生るこんな小さな水辺にも 稲畑汀子 ホトトギス 200806
長杭の先の尖りや蜻蛉生る 小澤克己 遠嶺 200809
糸蜻蛉生んでしづかな麓の田 内山芳子 雨月 200809
蜻蛉生る天女のごとく身をさらし 竹内孝彦 200811
蜻蛉生る水辺きらめくものふやし 小泉三枝 春燈 200908
日を映す池あり蜻蛉の生れをり 上原光代 酸漿 201005
糸とんぼ生るる月山八合目 山田春生 万象 201006
みづうみの眩しきあした蜻蛉生る 川中佐知子 風土 201007
蜻蛉生れガイドの誇る神の裔 戸田春月 火星 201009
人柱鎮もる池や蜻蛉生れ 澤田澄子 末黒野 201011
蜻蛉生る翅に染みゐし水の色 布川直幸 201207
蜻蛉生る沼の小草を掠めつつ 米尾芳子 馬醉木 201210
蜻蛉生る夕日の葭に身じろがず 新堀満寿美 末黒野 201211
海光を集むる砂丘とんぼ生る 土屋草子 ろんど 201311
近寄れぬ池に蜻蛉生れけり 稲畑汀子 ホトトギス 201406
隠沼に蜻蛉生れをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201406
はらからの殻よじのぼり蜻蛉生る 原田達夫 201408
頂上に生るる蜻蛉の千の舞 谷口俊郎 201409
蜻蛉生る育ちし水辺後にせり 森理和 あを 201409
蜻蛉の生まれし朝七七日 西村節子 火星 201409
朝の日や蜻蛉生れたての顔 竹中一花 201607
蜻蛉生る小草にしかと上がりをり 小山ほ子 末黒野 201610
蜻蛉生る忙中閑の金曜日 大山夏子 201612
しののめの水の匂や蜻蛉生る 木村美翠 201711
生まれたる塩辛蜻蛉葉裏かな 大日向幸江 あを 201807
蜻蛉生る一掬の日を震はせて 布施政子 馬醉木 201808
蜻蛉生る失ひやすきものまとひ 高橋あさの 201810
九十をかるく生きたし糸とんぼ 岸洋子 201811
丹の小橋渡り浄界蜻蛉生る 塩貝朱千 京鹿子 201811
あかときの雫を振つて蜻蛉生る 南うみを 風土 201908
水辺とは蜻蛉の生るる処なり 増成栗人 201908
蜻蛉生る祝ふやうなる水あかり 近藤喜子 201909
指揮棒の先に生れたる赤蜻蛉 岩下芳子 201911
蜻蛉生る記憶そこからはじまりぬ 鷹崎由未子 春燈 202008
蜻蛉生る星の未来やもつと青し 近藤喜子 202009
蜻蛉生るまだ広すぎる空のあり 石川雪江 202109
蜻蛉生るはや風と遊びて風となり 加藤静江 末黒野 202212

 

2023年6月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。