近松忌    67句

(旧暦11月22日)

作品
作者
掲載誌
掲載年月
曾根崎も大都市となり近松忌 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
浪花には吉本があり近松忌 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
袖あてて木偶がめつむる近松忌 渡邊千枝子 馬醉木 199912
持時間ふるに使はむ近松忌 鈴鹿百合子 京鹿子 200001
赤樫のうしろ照りゐる近松忌 小形さとる 200003
女性史に娼の文字あり近松忌 塩路隆子 精鋭選集 200008
幔幕に残るしめりや近松忌 岡田万壽美 俳句通信 200101
透かし見るマグリットの絵近松忌 鳴海清美 六花 200104
電柱にホストの募集近松忌 吉川郁美 200202
近松忌重たき傘を借りにけり 湯浅夏以 遠嶺 200205
穂のちびし矢立の筆や近松忌 白鳥義岳 帆船 200301
近松忌舞台四角の雪が降る 須佐薫子 帆船 200302
手擦れせし父の角帯近松忌 吉岡久江 火星 200302
猫塚にせめて花挿す近松忌 伊藤とら 雲の峰 200302
三味線の露地より流る近松忌 伊藤光子 ぐろっけ 200303
渡り来し橋の名知らず近松忌 新家生子 200303
心中は嫌ひなれども近松忌 本荘初枝 築港 200402
起き抜けの嚔をふたつ近松忌 鈴木五鈴 草の花 200403
めりはりを利かす朗読近松忌 武藤隆司 200403
芝居はねそぞろ歩きや近松忌 石堂絹子 河鹿 200504
なぐさめてゐるはをんなや近松忌 成瀬櫻桃子 春燈 200504
近松忌途中地方銀行へ寄る 辻直美 200611
近松忌あかときの橋擁みたる 延広禎一 200702
脇道が妙に明るき近松忌 井上菜摘子 京鹿子 200801
泣く男泣かない女近松忌 芝尚子 あを 200801
近松忌ひと日かがみを見ずをりぬ 折橋綾子 200802
綾取りの終はもつれて近松忌 村田冨美子 京鹿子 200804
天鵞絨ヘダイヤの置かる近松忌 藤本る衣 炎環 200904
ラディッシュの酢漬あかあか近松忌 中島陽華 201002
泣くときの型のいろいろ近松忌 鳥居秀雄 201102
大川に水烟たつ近松忌 石脇みはる 201102
南座に誘はれてをり近松忌 竹内悦子 201103
近松忌情にもろきが弱みなる 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
恋と冥の廻り舞台や近松忌 延広禎一 201202
骨董屋のかんざし研く近松忌 米澤光子 火星 201202
ひつそりと知人の家や近松忌 岡野安雅 かさね 201202
口割らぬ貝を湯責めの近松忌 矢田涼 201202
死するより生くるが難し近松忌 石田康明 春燈 201203
大店の暖簾分け入り近松忌 北崎展江 くりから 201209
近松忌下駄の鼻緒に湿りあり 佐々木ひろ 火星 201302
文楽の興りし淡路近松忌 密門令子 雨月 201302
期限切れ玉子を茹でて近松忌 古井公代 ぐろっけ 201303
綾の鼓打つは男や近松忌 成瀬櫻桃子 春燈 201307
母よりも祖母思ひ出す近松忌 河野美奇 ホトトギス 201405
大阪の人情ばなし近松忌 稲畑汀子 ホトトギス 201412
男には男の日暮れ近松忌 岡本一路 京鹿子 201501
近松忌裏地の勝る羽織かな 山田正子 201502
共衿の赤さ目に染む近松忌 山中サク子 201504
浅酌の四五子のこるや近松忌 水原 秋櫻子 馬醉木 201512
匂ひなき齢となりぬ近松忌 中田みなみ 201603
抽出しにくれなゐの紐近松忌 村田あを衣 京鹿子 201701
近松忌死ぬほどでない恋をして 熊川暁子 201702
近松忌歳時記にみる先師の句 須山登 201702
曽根崎に昼酒を酌む近松忌 山本喜朗 雨月 201702
大方の男は疲れ近松忌 三上程子 春燈 201803
剃刀を当てられてゐる近松忌 永淵惠子 201906
按摩機にほだされてゆく近松忌 和田照海 京鹿子 201912
道行の場面辿りて近松忌 平居澪子 六花 202002
心中も姦通も死語近松忌 高橋将夫 202002
泣く男立ち去る女近松忌 田中信行 202003
人肌の服薬の白湯近松忌 井原美鳥 202101
火桶抱き火種をつつく近松忌 高橋将夫 202102
その年で恋でもなかろ近松忌 高橋将夫 202102
なにごとも定めなき世や近松忌 山口地翠 春燈 202103
近松忌からくれなゐの糸からむ 村田あを衣 京鹿子 202111
リサイクル店に螺鈿の櫛や近松忌 懸林喜代次 春燈 202201
道ならぬ道も道なり近松忌 和田華凛 ホトトギス 202205

 

2022年12月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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