千 鳥     147句

声細う吹き切る風や小夜千鳥    不白

作品
作者
掲載誌
掲載年月
波昏れて千鳥のあとの残りけり 水田清子 199902
恋千鳥雲よ波よと歌ひたる 丸山海道 京鹿子 199903
天地の間狭めて暮色千鳥足 丸山海道 京鹿子 199903
神まつる離れ小岩や千鳥飛ぶ 伊東みのり 遠嶺 199904
真裸足といふ語のありし川千鳥 小林鱒一 天牛 199904
汐満つと千鳥の嬉々と啼きにけり 大橋淳一 雨月 199906
死の淵に千鳥の名あり千鳥来る 丸山海道 海道全句集 199910
汐満つと千鳥鳴き立つ夕べかな 大橋淳一 雨月 200001
弁明ふっと終わる千鳥の来るように 宮崎斗士 海程 200002
退く波の跡は汚さず夕千鳥 岩崎きゑ子 馬醉木 200003
光年を少年走り千鳥鳴く 中林明美 船団 200007
潟千鳥影より迅く走りけり 小林草吾 円虹 200011
天草の島をはるかに千鳥鳴く 大矢和歌子 200103
千鳥と見し影飛び立ちぬ白子浜 堀田清江 雨月 200104
千鳥鳴く汐木積みある浜番屋 鈴木冽 春耕 200104
鏡掛すこしひらくと磯鵆 佐藤喜孝 あを 200201
ネクタイのほろほろ千鳥芋嵐 浜麻衣子 六花 200201
風に乗り風に吹かれて鳴く千鳥 岡田信雄 百鳥 200202
鳴く千鳥沖に座礁の船あかり 関口ゆき あを 200202
浜千鳥夕日を曳きて走りけり 松岡隆子 200202
砂絵なす牆に千鳥の踏みし跡 品川鈴子 ぐろっけ 200202
波引きしあと砥の如し夕千鳥 和田祥子 馬醉木 200203
さざ波の光に千鳥漂へり 鈴木とし子 遠嶺 200203
河口より湧きて千鳥の群となる 武政礼子 雨月 200203
月夜間の網繕へり遠千鳥 荒井千佐代 「系図」 200203
波の穂に触れては鳴けり夕千鳥 高橋たか子 馬醉木 200204
満ち潮の千鳥の足跡消しに来る 岸本久栄 雨月 200204
偲びつゝなつかしみつゝ群千鳥 稲畑汀子 ホトトギス 200211
光りつつ波間に消えし夕千鳥 稲畑汀子 ホトトギス 200212
波のある限りを駆けて夕千鳥 朝妻力 雲の峰 200302
白波の吹上る岩礁千鳥鳴く 関口ゆき あを 200302
波尖り灯ともし頃を啼く千鳥 新田巣鳩 馬醉木 200303
波が消す千鳥の跡の渚かな 稲畑汀子 ホトトギス 200312
朝の日を返し群れ翔ぶ千鳥かな 稲畑汀子 ホトトギス 200312
昼月に波の揃ひし千鳥かな 柴田佐知子 200312
立ち騒ぐ呼子の浜の夕千鳥 土生逸磨 河鹿 200404
浜千鳥智恵子智恵子と天を欲る 山田をがたま 京鹿子 200405
海光や嘴争ひの夕千鳥 佐々木よし子 200405
群千鳥卯波びかりに旋回す 能村研三 200406
夕凪ぎて千恵子の浜の群千鳥 能村研三 200406
一斉に日をひるがへす群千鳥 稲畑汀子 ホトトギス 200411
小千鳥のつがひ人工浜を翔つ 伊藤白潮 200501
磯に洲に千鳥ちりばめ初日の出 鷹羽狩行 200501
塩枯れの松に千鳥の鳴き交はす 中川晴美 雲の峰 200502
鹽推の神の窟や千鳥鳴く 中川晴美 雲の峰 200502
千鳥飛ぶ裾に貝付く潮仏 渡辺周子 雲の峰 200502
潮入の池に三つ橋千鳥鳴く 原茂美 雲の峰 200503
頼れるは我身だけよと千鳥鳴く 蒔田しをん 200503
浜千鳥空の弾力高まれり 中村恭子 200503
鳴く千鳥水さえざえと暮れのこる 瀧春一 菜園 200509
鳴く千鳥闇のさむさが目に泌みる 瀧春一 菜園 200509
海かけて波寄せくるや磯千鳥 小澤克己 遠嶺 200602
磯千鳥いちばんとほきものは沖 豊田都峰 京鹿子 200602
波を追ふ波に逃げ来る群れ千鳥 森理和 あを 200602
夕星や鳴くは五浦の浜千鳥 関まさを 酸漿 200603
着水のたび流さるる千鳥かな ことり 六花 200607
川千鳥去り難きまで石積まれ 松下道臣 まんまる 200607
鵆鳴く淡路島よりわたる阿波 臼杵游児 春燈 200702
連写せる千鳥飛翔のひかりかな 能村研三 200702
暮れ方の声も無く揺れ川千鳥 大井彌雨 雨月 200703
眺望の天守の光ゲや浜千鳥 林友次郎 遠嶺 200703
悌をたづぬる旅や浜千鳥 横松しげる 遠嶺 200703
海原の雲の茜に夕千鳥 関まさを 酸漿 200703
ひたすらにただひたすらに浜千鳥 小宮山勇 遠嶺 200704
リスボンの塩田千鳥遊ばせて 品川鈴子 200708
盆景のはるかなるうへ夏千鳥 佐藤喜孝 あを 200708
しろがねの堰にひらめく夏千鳥 佐藤いね子 馬醉木 200708
影もつや渚千鳥の一つづつ 竹貫示虹 京鹿子 200712
鴨一羽千鳥の群の中にをり 山田六甲 六花 200712
風にまじる千鳥のこゑやエア・ポート 加藤みき 200802
潮騒のかろき足どり浜千鳥 林友次郎 遠嶺 200803
からすみや千鳥の酒に頬そめつ 鈴木良子 酸漿 200803
走りつつ波を見てゐる磯千鳥 小林正史 200804
あかね空江戸恋しがる川千鳥 岩淵彰 遠嶺 200804
眺望の天守の光や浜千鳥 林友次郎 天帝 200806
短夜の欄間に波と浜千鳥 根橋宏次 やぶれ傘 200808
歩み寄るたびに遠のく千鳥かな 笹下蟷螂子 200901
潮汲みし安寿が浜や鳴く千鳥 山本康夫 200902
消えがての足跡に追ふ千鳥かな 上田明子 雨月 200904
白光す千鳥の群れの翻り 渡部節郎 転舵の渦 200911
岩浜につづく砂浜千鳥翔け 中村恭子 201001
千鳥とぶ智恵子遊びし砂山に 松井志津子 201002
小夜千鳥花の浄土を駆けめぐる 古俣万里 ろんど 201002
夕映えの入江さざめく群千鳥 廣瀬義一 雨月 201003
淋代の浜や千鳥の鳴くばかり 曷川克 遠嶺 201003
日本橋河岸に倉並め千鳥かな 鈴木榮子 春燈 201004
千鳥鳴く渡舟場の昼蕭々と 徳井節子 馬醉木 201005
引く波の残すひかりや浜千鳥 大崎紀夫 やぶれ傘 201005
夕映えの渚小走り千鳥鳴く 和田崎増美 雨月 201005
足あとを見つけてよりの千鳥かな 和田崎増美 雨月 201005
小千鳥の張つてみせたる白き胸 片山由美子 201011
引き潮の時を知るかに浜千鳥 境幹生 201012
磯千鳥合はす鏡に啼きかはす 佐藤喜孝 あを 201101
廃船の蔭より声や夕千鳥 黒滝志麻子 末黒野 201104
島の灯の恋し遠しと浜千鳥 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
旅嚢負ひ千鳥の足跡に続く 中田みなみ 201201
漂うて消えては現るる磯千鳥 堀田こう 雨月 201204
落合ひの空を反転して千鳥 石垣幸子 雨月 201205
浜千鳥母の佐渡見て良寛像 北崎展江 くりから 201209
浜千鳥民草なりし子ら早世 品川鈴子 ぐろっけ 201301
沼を見て育ちし花袋群千鳥 鈴木石花 風土 201302
沖の闇迫る千鳥の鳴き交はし 浜口高子 火星 201302
汀行けば千鳥の群の先立てり 西村節子 火星 201302
焼酎の試飲に酔ひし磯千鳥 松本恒子 ぐろっけ 201302
あかあかとお台場は不夜啼く千鳥 井上石動 あを 201302
千鳥恋ふ足跡仄と残る浜 出口貴美子 雨月 201302
千鳥来て播磨風土記の浦凪げり 山本麓潮 万象 201303
潮満つに浜に千鳥の足の跡 片山喜久子 雨月 201303
呟きを波がすくひぬ夕千鳥 コ田千鶴子 馬醉木 201312
跡あるを千鳥と決めぬ男同士 伊藤白潮 201312
草の上に腰を下ろしたり川千鳥 松下八重美 201402
潮引くを寄り合うて待つ千鳥かな 紅谷芙美江 万象 201403
犀川の雪解千鳥を見にゆかな 山田六甲 六花 201404
白波を追ひつ追はれつ磯千鳥 斉藤マキ子 末黒野 201404
引き潮にあらはるる島浜千鳥 堺昌子 末黒野 201405
白千鳥木曽川の渚をつつつつと 室伏みどり 雨月 201405
九十九里の砂に足跡浜千鳥 中道愛子 201405
池凍てて小石に佇てる夕千鳥 廣畑育子 六花 201405
ラムサール条約の浦夕千鳥 坂上香菜 201502
夕さりてトレモロ哀し浜千鳥 岸本順子 京鹿子 201601
てん鞠のごとく千鳥の水に落つ 山田六甲 六花 201602
遠浅を潮の引きゆく群千鳥 秋山信行 やぶれ傘 201606
海沿ひに神の名の村千鳥鳴く 中條睦子 万象 201702
夕千鳥ひるぎ林へ潮さし来 大湾宗弘 万象 201702
つつと来て三尺飛んで浜千鳥 久世孝雄 やぶれ傘 201703
星影の汀に遊ぶ小夜千鳥 涌羅由美 ホトトギス 201704
群千鳥波間に影を置き去りに 涌羅由美 ホトトギス 201704
浜千鳥汀の日差浴びに来る 山田天 雨月 201704
母恋ひて鳴くか淡路の浜千鳥 堀田清江 雨月 201704
千鳥との距離は縮まず潮干狩 渡部節郎 201707
青葉風榎根方の千鳥塚 佐藤貞子 雨月 201709
浜千鳥鵺流れ来し昔あり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
小夜千鳥星座散らしてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
遠千鳥声に故郷近づけて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
浜に建つ一の鳥居や磯千鳥 浜福惠 風土 201802
波の引く砂に映りてゐる千鳥 根橋宏次 やぶれ傘 201803
夕さりの霧に友呼ぶ磯千鳥 池野つむぎ 馬醉木 201803
夕暮のひかりの底の千鳥かな 杉田智榮子 馬醉木 201804
夕千鳥川風強くなりをりぬ 廣畑育子 六花 201805
桃色の骨をすかして磯千鳥 本多俊子 201903
退屈な渚千鳥の遊び啼き 和田照海 京鹿子 201903
一潮に終る焚舟夕千鳥 和田照海 京鹿子 201903
浪かはす羽しろがねの浜千鳥 和田照海 京鹿子 201903
啼く千鳥声はそろはず沖荒るる 和田照海 京鹿子 201903
引き波の耀ふ渚夕千鳥 和田照海 京鹿子 201903
引き汐に群るる千鳥や磯遊び 谷村祐治 雨月 201907
彳と河原を掃きし千鳥の尾 岩下芳子 202001
山を背の浦曲は凪ぎて初千鳥 藤岡紫水 京鹿子 202003
遠浅の渚に吹かれ夕千鳥 森清信子 末黒野 202004
千鳥鳴く教皇ミサの聖歌めき 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
千鳥の洲訪ひたることも一と昔 稲畑汀子 ホトトギス 202012
磯千鳥発ちては返る潮だまり 福田禎子 末黒野 202103
引く波を押し上ぐる波浜千鳥 黒滝志麻子 末黒野 202104
波音は第二楽章浜千鳥 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
夕千鳥暗いて落日見送れる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
川千鳥六甲颪聴いてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
夕星に照らされてゐる夕千鳥 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
夕千鳥汀に沿うて母を恋ふ 本郷公子 京鹿子 202203
そぞろ歩いて浦里の磯千鳥 増成栗人 202203

 

2022年12月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。