太刀魚     59句

太刀魚の水きつて行く姿かな   正岡子規  寒山枯木

作品
作者
掲載誌
掲載年月
太刀魚の皮の捲きつく箸の先
山尾玉藻
火星
199812
太刀魚の竹紙揚とはつゆ知らず
山田六甲
六花
200006
料るまで太刀魚の銀くもるなよ
中原道夫
銀化
200008
太刀魚や月光つたふエンタシス
栗栖恵通子
200009
十六夜や太刀魚跳ねて水を噛む
山尾玉藻
火星
200010
厨房の愉悦太刀魚光りけり
田辺博充
200112
ペテロめく髭の漁師に太刀魚貰ふ
荒井千佐代
系図
200203
太刀魚の諸刃の抜身もらひけり
閑田梅月
馬醉木
200204
太刀魚をかかげ船首に仁王立ち
大久保白村
ホトトギス
200205
ムニエール食べて太刀魚なりしかな
稲畑汀子
ホトトギス
200209
太刀魚の身丈のひかり余寒かな
吉田島江
火星
200305
糶箱に太刀魚の身の納まらず
小笠原扶美女
築港
200309
太刀魚の真一文字に糶られけり
青山悠
200312
太刀魚はかの知盛の落しもの
山元志津香
八千草
200409
太刀魚を一本提ぐる湊町
市川翠峯
200411
太刀魚を釣り上げ海に刀傷
齊藤實
200412
生かされてゐて太刀魚糶られけり
長沼紫紅
200510
太刀魚の置き所なき長さかな
遠野萌
200511
さあ買へと太刀魚翳す朝市女
大森与栄
築港
200511
太刀魚焼き散らし鮨をし吾を待てる
近藤豊子
雨月
200601
太刀魚を焼く食堂の招き猫
延川五十昭
六甲
200612
太刀魚の錆びたる色に傷があり
柴田佐知子
200701
黒潮の幸の太刀魚鮨得たり
池田かよ
ぐろっけ
200708
太刀魚や朝より海凪てゐて
長沼紫紅
200711
店先に太刀魚跳ねる魚棚
奥田妙子
ぐろっけ
200802
昼網の太刀魚並べ声嗄らす
勝野薫
ぐろっけ
200802
太刀魚の全長掴み秋高し
楯野正雄
200812
太刀魚の太刀をまるめて籠の中
坂井恭子
200901
太刀魚の襷がけなる筆生姜
竹内弘子
あを
200901
太刀魚の月にぎらりと釣られけり
栗田武三
ぐろっけ
200912
箱魚籠の太刀魚の丈掴みだす
杉浦典子
火星
201001
太刀魚は長しどこからでも切れと
柴田佐知子
201002
太刀魚の尾のとろ箱に納まらず
渡辺鴻
201002
太刀魚の波打ちながら釣られけり 山田六甲 六花 201110
立ち泳ぐ太刀魚の影卒塔婆かな 延広禎一 201112
抽んでて太刀魚美しき糶場かな 大橋晄 雨月 201201
太刀魚の光歪めて釣られけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
太刀魚の銀色静か横たはる 近藤紀子 201210
白光の太刀魚天へ吊り上ぐる 五領田幸子 馬醉木 201212
太刀魚の諸刃の剣にひるみけり 渡邊泰子 春燈 201212
銀泥の太刀魚に振る異国の塩 古川千鶴 かさね 201311
奈良の旅籠の飯に太刀魚塩辛き 瀧春一 花石榴 201312
朝駆けの魚屋持ち来る太刀魚(たちのうお) 中村吟子 ぐろっけ 201401
太刀魚の曲げて売らるる海遠く 栗原京子 201405
太刀魚の総身の照りや神の留守 浜口高子 火星 201502
太刀魚の背びれ光るや釣三昧 田中繁夫 末黒野 201502
太刀魚をひかり引き抜くやうにかな 原田達夫 箱火鉢 201511
尾鰭たたみて太刀魚の量らるる 武田巨子 春燈 201601
太刀魚の春愁といふ立ち姿 能村研三 201605
太刀魚の光の棒を釣りあぐる 田口萬智子 201612
それぞれに水脈曳き戻る太刀魚舟 和田照海 京鹿子 201701
太刀魚の一太刀翳し釣られけり 安斎久英 末黒野 201711
切れさうに光る太刀魚糶られけり 岩崎武士 万象 201801
太刀魚の銀を纏うてロックンロール 岩下芳子 201902
浜の日に太刀魚乾く亭午かな 蒲田雅子 雨月 202002
太刀魚の竹光の照り延べらるる 成宮紀代子 202010
名物の太刀魚巻やかぶりつく 江見巌 六花 202212

 

2023年8月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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