122句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
杣小屋をゆすぶりに来る狸かな 平松竈馬 ホトトギス 193300
狸のポン大ひたすら走ってどこ行くの 岩田浩明 船団 199811
祖父恋へば狐たぬきと囲炉裏端 石丸弥平 春耕 199812
濡れ縁の朽ちたる狐狸の來る暮らし 中原道夫 銀化 199901
狸栖む咄を肴温め酒 村越化石 199901
狸のポン太首をかしげて見つめ合い 岩田ひろあき 船団 199902
夜だぬきにあなくろがねの裸幹 丸山海道 海道全句集 199910
餌付けされたる狸にも野性の眼 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
首振つて狸が通る直哉の忌 大和田鏡子 俳句通信 199912
黄檗の山ふところの狸罠 小形さとる 200002
高きに登る黒牛と狸に会釈 金子兜太 海程 200002
鞠唄の狸もおいで遊ぼうよ 林翔 200003
狸罠弾ける音がしたるのみ 堀義志郎 火星 200004
野葡萄のゆらりともせず狸出づ 浜福恵 風土 200012
この木の実なんと狸の臍だった 吉田さかえ 海程 200012
信州の湯宿に姥ら狸汁 高田好子 京鹿子 200103
信号を狸が通る月見草 酒井多加子 俳句通信 200108
夜咄の狸に似るか後影 村越化石 200201
冬満月狸ばやしは地底より 塩貝朱千 京鹿子 200201
子狸の猫従へて過りけり 林敬子 酸漿 200203
ビル隙間狸通りぬ獣道 武田正子 ぐろっけ 200204
化けること出来ぬ子狸轢かれたり 久保田由布 ぐろっけ 200204
十三夜狸一匹入院中 竹田圭子 帆船 200210
狸罠見回りに特つ棒一本 橋本榮治 馬醉木 200302
世はあげてマンガの時代狸汁 山陰石楠 200303
農閑の父と子にある狸罠 桑田眞佐子 火星 200304
新雪に子連れ狸の跡残す 恩塚典子 ぐろっけ 200306
恋人を捜す狸の檻の前 木村みかん 200402
フセインの狸の如く捕はれぬ 松崎鉄之介 200402
くたびれし色に狸の飼はれをり 柴田佐知子 200404
築百年主の留守に棲む狸 真木早苗 八千草 200405
若葉山三つは見えて狸穴 今瀬剛一 対岸 200407
果樹園に首輪の狸太りをり 遠野萌 200501
門衛の銀杏を盗る狸かな 山崎祐子 万象 200501
狸罠逸れて家路を急ぎけり 鈴木實 百鳥 200502
狸汁とは知らざりき風の音 大串章 百鳥 200502
浜に逢ふ仔狸もまた月に濡れ 新田巣鳩 馬醉木 200512
十津川の狸ライトをよぎりけり 坂上香菜 200601
子狸の蹤きくる島の十三夜 新田巣鳩 馬醉木 200601
そぞろ寒暗へと落つる狸穴 大森尚子 風土 200602
不覚なる狸のかかる兎罠 赤座典子 あを 200603
炉語りの佳境に狸出できたる 里中章子 200604
賃取橋夜は狸の渡る橋 片田千鶴 馬醉木 200604
狸汁喰ふた喰はぬの真顔かな 山元志津香 八千草 200605
伊代次句碑ショールにしたき狸出づ 山内なつみ 万象 200701
狸罠素つ首とられぬやうにせな 瀬川公馨 200702
子狸の生簀を狙ふ尾の太き 山口順子 馬醉木 200703
真実(ほんと)なりわが家の庭に狸来る 小澤克己 遠嶺 200704
生国は狸居るてふせんば山 相良牧人 200704
襟巻の狸怪しく睨みをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200706
ごみ箱に狸の通ふ夜の秋 海上俊臣 酸漿 200711
襟巻の狸妖しく睨みをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200712
どちらとも言へぬ狐と狸かな 高橋将夫 200801
着ぶくれて零落知らず狸罠 瀬下るか 200804
厄人形夜は狸に訪なはる 藤原キヨ 風土 200806
大鍋や食ひ逃げしたる大狸 瀬川公馨 200902
狸汁だんだん月の丸くなり 貝森光洋 六花 200904
何喰はぬ雁首ばかり狸汁 栗栖恵通子 200904
熊疵のマタギに向かひ狸汁 園部蕗郷 春燈 200905
どちらとも言へぬ狐と狸かな 高橋将夫 真髄 200907
苔むせる谷汲山の置き狸 宮田香 200910
狸来る気配や窓の月明り 鈴木照子 200912
夜話は裏山狸の三代目 豊田都峰 京鹿子 201001
茂吉忌の狸が駆ける橋の上 滝沢伊代次 万象 201003
暗がりや人の灯たのむ狸ゐる 服部早苗 201003
近道や狸のよぎる除夜詣 大山春江 万象 201004
雪原に朝の足跡狐狸兎 貝羽ただし 遠嶺 201005
生国を捨つる気はなし狸汁 園部蕗郷 春燈 201005
裏庭の夕べの狸けふもくる 松村晋 ぐろっけ 201006
子狸の山に放たれ臭木の実 浜福惠 風土 201012
六郷の満山狐狸みちほとけみち 和田照海 京鹿子 201103
良寛碑遊びに来ぬか山狸 野沢光代 ぐろっけ 201103
天上に種火をさがす狸かな 松原仲子 201103
銃声のそれきりとなる狸汁 小坂優美子 馬醉木 201105
隠沼の辺りひよつこり狸現れ 藤田かもめ ぐろっけ 201202
狸汁人間たるを忘じけり 貝森光洋 六花 201203
子狸と目と目が合ひて極楽寺 西村純太 201203
背合はせに住む狐狸の声毛糸編む 仲井タミ江 京鹿子 201204
化かされてまづ舌を焼く狸汁 和田照海 京鹿子 201205
狸の仔吊橋に来て引き返す 工藤義夫 馬醉木 201302
川土手に死因不明の狸の子 小川滋 やぶれ傘 201303
山門に狸斃れてゐたりける 福島せいぎ 万象 201304
夜は狸来るらし梅の花開き 杉本綾 201305
この先に狸の巣あり枯葉山 田中藤穂 あを 201403
狸穴につつころばしの男かな 瀬川公馨 201403
化生より化粧野生の狸かな 柳川晋 201404
ふり返る狸と出合ふ岐れ道 堺昌子 末黒野 201404
山道やライトを返す狸の目 清水量子 201406
くらのうらであいがしらに狸がギャー 衣斐ちづ子 201410
棲みつきて人馴れ狸窯跡に 塩路隆子 201501
墓参り夜は狸が来たりして 火箱ひろ 船団 201502
困りたる貌に狸の飼はれをり 柴田佐知子 201503
大狸もちを咥へてはいポーズ 瀬川公馨 201503
狸罠語部の継ぐ里の知恵 鈴鹿呂仁 京鹿子 201601
ランプ宿大きな鍋に狸汁 佐々木新 春燈 201602
ハイウエイ狸が出でし事故といふ 今井千鶴子 ホトトギス 201604
植込みに狸一家の眼が並ぶ 河野美奇 ホトトギス 201605
山下りて狸は猫に追はれけり 大久保白村 ホトトギス 201605
峰寺の墓地の供物は狸の餌 大久保白村 ホトトギス 201605
春光の森や狸の居候 田中臥石 末黒野 201606
狸駆く御成街道竹の秋 大山春江 万象 201608
睨むでもなく動かざる狸の目 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
狸汁山の生活に馴れもして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
菜の花や遊ぶ仔を呼ぶ親狸 井上石動 あを 201703
床下に住む子狸や嚔せり 大日向幸江 あを 201704
山寺に和尚と狸それぞれに 大日向幸江 あを 201704
銀杏を狸と分けて村人等 福岡かがり 雨月 201801
夜を運ぶ狸来てをり観音堂 竹中一花 201802
杣道や狸のこゑを聞きもらす 中田禎子 201802
土の上に狸の匂ひありにけり 植木戴子 201804
ゆく年の更けて狸と出会ひけり 鈴木直充 春燈 201804
ひとしれず微笑む狸もいっしょにさ 阪野基道 船団 201805
我が内の狸照らすや冬灯 工藤はる子 201811
我が庭に狸出てくる十三夜 中谷富子 201812
なんとまあ狸が犬科だつたとは 近藤紀子 201903
狸汁嘘も誠となりぬべし コ田千鶴子 馬醉木 202001
狸汁秘湯に秘湯なかりけり 高橋将夫 202002
狸汁昭和の話きりもなく 武智由紀子 202003
通るたび罠の狸と目が合ひぬ 原友子 202105
たま吉てふ狸見られぬ檻の黙 松山三千江 春燈 202201
自動車のライトに映る大狸 小林輝子 風土 202202
餌を探す子連れの狸切通し 上月智子 末黒野 202203
世の中のどう変ろうと狸汁 菊池和子 京鹿子 202205

 

2023年12月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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