種茄子   48句

縦に割れ横に割れして種茄子    飯島晴子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
種茄子のみな焦げいろや尾根畑 皆川盤水 春耕 199810
浦人の出払うてゐる種茄子 山尾玉藻 火星 199909
産土に腰を据ゑたる種茄子 松島不二夫 199912
雨しとど菜畑に光る種茄子 小田悦子 俳句通信 199912
種茄子に声の集まる登校日 松本恭昂 火星 200004
種茄子そのまま忘れ茄子かな 鬼頭桐葉 春蘭 200010
種茄子のどうでもよいといふかたち 加藤武子 200011
種茄子の種の多きをもて余す 山下功 春耕 200111
三輪山の影のびてきし種茄子 飯塚ゑ子 火星 200112
種茄子となれざる茄子の反り返る 浜口高子 火星 200201
日晒しの鍬の赤錆種茄子 小野崎清美 百鳥 200201
種茄子褒美に寝藁貰ひたる 池田崇 200209
日をはねて弱音を吐かぬ種茄子 内山和江 200212
後ろめたかり種茄子のゆがみにも 風間史子 200302
種茄子の膝行るをみてる山の雨 佐藤喜孝 あを 200308
種茄子の八方破れかぶれかな 須佐薫子 帆船 200309
種茄子の上に種茄子秋立てり 城孝子 火星 200311
御仏を訪ふならみちの種茄子 橋添やよひ 風土 200412
種茄子や筑波にかかる入日雲 小柴健一 春耕 200412
駐車代入れる空缶種茄子 谷野由紀子 春耕 200412
心魂の身ぬちにあるや種茄子 伊藤早苗 200501
まほろばの空晴れすぎる種茄子 大山文子 火星 200612
浮雲も風も素通る種茄子 吉田島江 火星 200711
川風に吹かれすぎたる種茄子 大山文子 火星 200801
種茄子や光源氏は千年忌 上谷昌憲 200812
種茄子わづかに進む忘れ癖 細川和子 炎環 200912
種茄子むらさきの艶うすれゆく 赤松郁代 万象 201012
種茄子とおもへるほどの深手かな 佐藤喜孝 あを 201012
ひとつ家に動くものなし種茄子 飯田ひでを 201101
かむなびの森の果の種茄子 加藤みき 201112
袈裟懸けの傷二ところ種茄子 松本三千夫 末黒野 201201
どつしりと地に尻据ゑて種茄子 松本三千夫 末黒野 201211
種茄子に印つけあり蜑の畑 佐野和子 万象 201211
葉の陰に太りきつたる種茄子 三輪慶子 ぐろっけ 201301
何してもつまらなき日や種茄子 柴田佐知子 201302
種茄子や身辺煩多なる少し 定梶じょう あを 201311
忘れられしごと種茄子の雨に日に 西千代恵 雨月 201401
種茄子となる先々を考へず 山尾玉藻 火星 201410
種茄子に一と日かぶさる怒濤音 荒井千佐代 201601
だんだんと悪相になる種茄子 柴田志津子 201610
人のすることをよく見て種茄子 中川句寿夫 ここのもん 201705
種茄子女の知恵を借りにゆく 中川句寿夫 ここのもん 201705
種茄子や親の言分子の仔細 鈴鹿仁 京鹿子 201811
種茄子のつひのひとつが罅割れて 青谷小枝 やぶれ傘 201901
種茄子の申し分なきすがれぶり 角野良生 201904
生きぬきし色にありけり種茄子 中貞子 201912
種茄子に火星最接近の夜 木暮陶句郎 ホトトギス 202104
種茄子が埃に塗れ畝隅に 渡邉孝彦 やぶれ傘 202201

2023年9月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。