田水沸く      90句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ポケツトにドナーカードや田水沸く 山路紀子 風土 199910
田水沸く低学年用実習田 遊橋惠美子 風土 199910
新書読むくわっと田水沸く日なり 中田英子 海程 199911
鄙の恋二つ目成就田水沸く 渡辺純 京鹿子 200010
田水沸く遠嶺に雲を育てつつ 大島ウメ 六花 200012
田水沸くまつただまかに道の駅 北吉裕子 俳句通信 200108
星赤しわけても田水沸きし夜は 鷹羽狩行 200109
田水沸き石灯籠の荒削り 藤井淑子 百鳥 200110
この奥に人の住むらし田水沸く 新家豊子 馬醉木 200111
四つ目紋多き村里田水沸く 永井一枝 200111
校長の防毒マスク田水沸く 山田六甲 六花 200208
特牛と書きてこつとい田水沸く 川野喜代子 雲の峰 200210
真観院蛇笏眠らせ田水沸く 神蔵器 風土 200210
田水沸く中に小学校のあり 堺井浮堂 円虹 200211
忽然とリハビリ病院田水沸く 井口ふみ緒 風土 200211
田水沸く六文銭の旗印 田村すゝむ 風土 200211
火口底なりしは太古田水沸く 河野扶美 ホトトギス 200212
靴脱ぎて汽車に座るや田水沸く 高千夏子 200310
家持の国府庁跡田水沸く 平田安生 風土 200310
闘鶏のはじまる田水沸くさなか 中田みなみ 200312
次の田へ下りる板橋田水沸く 藤田あけ烏 草の花 200408
男の子らしきとメール田水沸く 朝妻力 雲の峰 200408
家奥に赤子の眠り田水沸く 神蔵器 風土 200408
音の無き真昼の校舎田水沸く 川合広保 京鹿子 200409
足早に桂郎過ぎて田水沸く 神蔵器 風土 200409
田水沸く川の流れは変らねど 名村早智子 築港 200409
円墳へ行く畦道の田水沸く 岸田雨童 草の花 200409
はらわたに祝酒あり田水沸く 坂ようこ 200409
田水沸く畦に傾く一輪車 井上紘 京鹿子 200409
後継ぎは市役所勤め田水沸く 奥田弦鬼 風土 200410
午後よりは風の片寄る田水沸く 柴田久子 風土 200410
男手のかがる釦や田水沸く 松崎雨休 風土 200410
田水沸く世阿弥の島の能舞台 中沢三省 風土 200410
送電線斜めに渡し田水沸く 柴田久子 風土 200410
田水沸く川風のくる奥座敷 岸田雨童 草の花 200410
スーパーと工場の間田水沸く 鈴木石花 風土 200410
田水沸く四方に青垣めぐらせて さわいりまりこ 遠嶺 200411
田水沸く土中の声の湧きに湧く 福山悦子 200510
田水沸く匂ひに遠き日々のあり 山村修 酸漿 200511
分蘖をはじめし稲田水沸けり 影島智子 200609
合併に気の乗らぬ村田水沸く 彦根伊波穂 200612
石を積む祈りや田水沸いてをり 高倉和子 200709
田水沸く道ひたに急く父母の墓 北川英子 200710
田水沸きうんざりと待つ次のバス 佐藤山人 200711
鉄塔の真上なる日や田水沸く 阿久津勝利 万象 200808
胞衣塚は小林一茶田水沸く 神蔵器 風土 200809
泪目やアスフアルト沸き田水沸く 大山里 200810
三尺の石橋に銘田水沸く 高橋宏行 遠嶺 200811
子が過ぎて棺が過ぎて田水沸く 神蔵器 風土 200908
田水沸く遠き地に臥す句友ゐて 布川直幸 200909
ふつふつと輪中果てまで田水沸く 水谷靖 雨月 200910
軽鴨の放されてをり田水沸く 陣野今日子 風土 200911
沸く筈の田水沸かざり父のこゑ 山崎靖子 200911
票田のうばひ合ひなり田水沸く 安本恵子 200911
紅花の里千枚の田水沸く 原田しずえ 万象 200911
田水沸き畦に傾く猫車 城戸緑 末黒野 200912
田水沸く稲の力を試すごと ことり 六花 201008
畦道も通学の道田水沸き 中原敏雄 雨月 201009
山姥のしどけなき寝や田水沸く 久津見風牛 201010
バス停に手製の木椅子田水沸く 田村園子 201011
微塵子のびつしり田水沸かしけり 山田六甲 六花 201107
葬列の通りし田水沸き出だす 山尾玉藻 火星 201108
この怒り何かは知らね田水沸く 定梶じょう あを 201209
足裏に活断層や田水沸く 大日向幸江 あを 201210
木簡に兵と租の文字田水沸く 延広禎一 201210
田水沸き天日匂ふ輪中かな 水谷靖 雨月 201211
ミステリーバスの行方や田水沸く 戸栗末廣 201312
田水沸く無口は父に倣ひたる 石井美智子 風土 201401
田水沸き稲の分蘖まつ盛り 神蔵器 風土 201409
田水沸きふつふつこぼす独り言 水谷靖 雨月 201410
ふり返りつつ来て遠し田水沸く 中原敏雄 雨月 201410
田水沸くそこはかとなき秣の香 川村欽子 雨月 201411
田水沸き奥嶺しきりに雲放つ 下平しづ子 雨月 201511
田水沸く真下を走る送油管 竪山道助 風土 201609
ああ言へばかう言ふ田水沸きにけり 中川句寿夫 あを 201609
晩節の力ふつふつ田水沸く 中山皓雪 201611
田水沸く戸籍調べの巡査かな 中川句寿夫 ここのもん 201705
田水沸く不在投票すませけり 中川句寿夫 ここのもん 201705
河童忌や遠野の田水沸けるころ 内海良太 万象 201710
暗がりに牛一塊や田水沸く北 深川淑枝 201712
体温を越ゆる気温や田水沸く 阿部重夫 末黒野 201904
田水沸く朽木の里の塞の神 橋添やよひ 風土 201906
輪中田のいづこの割も田水沸く 大橋淳一 雨月 201910
鉄塔の影置き田水沸きにけり 森清信子 末黒野 201911
田水沸く山を目指せる路線バス 宮元陽子 末黒野 201911
通学の近道は畦田水沸く 谷田明日香 風土 202109
日に二度や食べに往來の田水沸く 石川桂郎 風土 202208
田水沸き鉄塔の脚浮く如し 南うみを 風土 202210
宮普請つづく一村田水沸く 浅田光代 風土 202210
田水沸く足跡すでに埋もれけり 磯野青之里 六花 202210

 

2023年6月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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