玉 虫 1    52句

鑑真の目を玉虫の走りけり    阿波野青畝

作品
作者
掲載誌
掲載年月
城に死す玉虫の脚畏まり 品川鈴子 ぐろっけ 201009
玉蟲や刻かけ帰りきたるもの 近藤喜子 201010
玉虫の放つ金色歌垣山 佐藤凉宇子 ろんど 201011
玉虫を仕舞ふ小箱の置きどころ 佐藤博美 201012
玉虫や現世を越えし色放ち 山内碧 201012
玉虫の七彩の羽閉じて絶ゆ 植村よし子 雨月 201012
玉虫が宮より帰る夫の手に 武智恭子 ぐろっけ 201012
朽つことのあらぬ玉虫珍重す 大橋敦子 雨月 201101
玉虫を観てをり鎌の手を休め 生田作 風土 201110
玉虫の光り曳きとぶ自刃の碑 石田野武男 万象 201110
玉虫の宇宙の色やぽつくり寺 有本南陵 ろんど 201111
倭舞ひ冠を越す玉虫よ 小林愛子 辻楽師 201206
命抜けたる玉虫の光かな 天谷翔子 火星 201208
玉虫のごとき小砂利をさくさくと 大信田梢月 万象 201209
玉虫は妙なり滅びなかりけり 大橋敦子 雨月 201210
玉虫の一閃旅の記憶占む 浅井青二 雨月 201210
幾世経し分かぬ玉虫これにあり 大橋敦子 雨月 201210
玉虫の骸を白紙にて包む 白数康弘 火星 201305
玉虫の厨子を離れて虚空かな 石倉千賀子 ろんど 201310
推古より玉虫の魂鎭む厨子 藤岡紫水 京鹿子 201310
玉虫の占代の彩を掌に 本田和子 201401
玉虫色ならぬ玉虫かちと鳴く 原田達夫 201408
玉虫を出すセルロイドの筆箱 大山文子 火星 201409
玉虫の玉虫色をまじまじと 大石よし子 雨月 201409
玉虫の閉ぢ込められし籠の中 大石よし子 雨月 201409
玉虫の夢幻となりし光かな 近藤喜子 201410
玉虫やしあはせ色の光撒く 後藤眞由美 春燈 201412
玉虫を天与の彩と思ひけり 土谷倫 船団 201505
玉虫よぎる拍手高く拝すとき 石垣幸子 雨月 201509
玉虫の時を追ひ越す光かな 近藤喜子 201510
玉虫の爪の先まで美しき 笹村政子 六花 201510
玉虫の色を尽くして泳ぎ切る 笹村政子 六花 201510
玉虫の飛び立つ彼方飛行雲 大内幸子 六花 201512
一閃のつぶて止まりて玉虫に 稲畑汀子 ホトトギス 201607
玉虫を捕へし湖北の青岬 駒井でる太 馬醉木 201610
玉虫はいのちのすゑを児にわたす 佐藤喜孝 あを 201612
言霊に玉虫ついてをりにけり 高橋将夫 蜷の道 201703
玉虫の本音は一途なりしなり 柳川晋 201710
玉虫や神より賜りし光 岩月優美子 201808
玉虫の出自は知らず廃寺趾 加藤翅英 京鹿子 201809
玉虫の棲む木を知つてをりにけり 中杉隆世 ホトトギス 201811
玉蟲や大いに君を讃えたき 瀬川公馨 201811
玉虫や葷酒入山許さぬ碑 高木晶子 京鹿子 201811
玉蟲の千年前のたまむし色 佐藤喜孝 あを 201906
玉虫の仕舞ひわすれし翅みだら 藤生不二男 六花 201908
玉虫の色をたがへて発ちにけり 藤生不二男 六花 201909
しばらくは森の時間を玉虫と 火箱ひろ 201910
推古より瑠璃の輝やき玉虫に 藤岡紫水 京鹿子 201910
しばらくは森の時間を玉虫と 火箱ひろ 201910
玉虫の火傷しさうな翅拾ふ 田丸千種 ホトトギス 202111
結界を出て玉虫の彩失せり 枇杷木愛 202209
玉虫が見極めてをる着地点 高橋将夫 202210
玉虫 →1

 

2023年8月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。