啄木忌   146句

便所より青空見えて啄木忌   寺山修司

作品
作者
掲載誌
掲載年月
候文の父の文出て啄木忌 野沢しの武 風土 199811
こだまして還るかたまり啄木忌 柿原金米 船団 199811
タウン誌の文字の細かさ啄木忌 杉良介 200004
ラーメンに眼鏡が曇る啄木忌 三宅やよい 玩具帳 200004
雲の形みな同じなり啄木忌 塩見恵介 虹の種 200005
啄木忌毒の匂いはいつも青 塩見恵介 虹の種 200005
啄木忌米櫃の米わっと出す 西山常好 200007
便箋の罫の薄墨啄木忌 井上比呂夫 200104
夕暮に白き花買ふ啄木忌 藤原紅 いろり 200106
啄木忌夜のコーヒー苦く淹れ 藤原紅 いろり 200107
一行の職歴書きて啄木忌 梅田泰正 ぐろっけ 200107
切り抜いて啄木の記事啄木忌 中村立身 百鳥 200108
満室のカルチュア講座啄木忌 村上沙央 200112
地熱噴く山仰がるる啄木忌 池元道雄 馬醉木 200205
啄木忌母を背負ひしことのなく 大串章 百鳥 200206
飢ゑもせず歌も詠まぬに啄木忌 吉田汀史 200206
啄木忌こんがりと焼くととき餅 古里蝶次 200206
句座に置く紙の古びも啄木忌 木内憲子 200207
啄木忌眼鏡を拭いて土手にゐる 植松安子 200207
古着買ふ須磨古町の啄木忌 谷口蔦子 ぐろっけ 200209
草に寝て草の冷たき啄木忌 高橋とも子 百鳥 200302
地下映画劇場にをり啄木忌 野沢しの武 風土 200305
すり切れてほつれし鞄啄木忌 中島隆 帆船 200305
命なき砂さらさらと啄木忌 坂本俊子 200306
山中にはしる水音啄木忌 栗城静子 200306
啄木忌背中押されて歩きだす 竹内美智代 酸漿 200306
一部屋に三つの時計啄木忌 田村みどり 京鹿子 200307
校正に指先汚す啄木忌 塩田博久 風土 200307
足裏の土やはらかき啄木忌 水田清子 200307
拾ひゆく磯の小貝や啄木忌 水田清子 200307
古書店の終夜営業啄木忌 佐藤佐代子 200307
ひさびさに家族そろひぬ啄木忌 島谷征良 風土 200308
啄木忌明治貧しく美しく 岡本眸 200405
定年の友は故郷へ啄木忌 五島富佐子 雨月 200406
薮中の葉蘭を切りに啄木忌 大島翠木 200406
前向きになれと人には啄木忌 中谷喜美子 六花 200407
シャープペンぽきぽき折れて啄木忌 杉山瑞恵 雨月 200407
鹿尾菜浸け沈みし砂や啄木忌 有賀元子 八千草 200409
蟹の子が誰か待ってる啄木忌 浅田光 八千草 200410
豆二つ無き掌の幸せ啄木忌 浅田光 八千草 200410
東海の小島地震づく啄木忌 池元道雄 馬醉木 200506
不遇なることも生かして啄木忌 塩川雄三 築港 200506
啄木忌隠れ田の畦削ぎゆけり 鈴木多枝子 あを 200506
背の児に爺と呼ばるる啄木忌 木船史舟 200507
裏階段踏めばみしみし啄木忌 三枝正子 万象 200507
一郷に水ゆき渡る啄木忌 伊藤白潮 200605
捨てがたく雑誌嵩なす啄木忌 三村武子 酸漿 200606
天空の淡き色なり啄木忌 岩月優美子 200606
啄木忌弱音吐かざる娘なり 里中章子 200607
父の書にたばこの匂ひ啄木忌 師岡洋子 ぐろっけ 200607
定職に就かぬ長男啄木忌 徳田正樹 河鹿 200608
啄木忌啄木は鉢いくつ割り 大畑善昭 200705
川風や椿寿忌につぐ啄木忌 豊田都峰 京鹿子 200706
啄木忌北にかたむく雲の肩 豊田都峰 京鹿子 200706
なつかしむためのふるさと啄木忌 青野れい子 200706
たこ焼屋おばちやんの鬱啄木忌 定梶じょう あを 200707
素うどんに七味を利かす啄木忌 粕谷澄 馬醉木 200710
六腑にも継ぎ目あるらし啄木忌 木山杏理 京鹿子 200801
本売りしことやや悔やみ啄木忌 西山春文 200806
啄木忌日永の磯の砂が鳴く 吉村摂護 200806
啄木忌思ひ出す詩を口ずさむ 伊藤セキ 酸漿 200807
若きらの富める不思議や啄木忌 岡本眸 200904
みちのくは花もかぶくか啄木忌 秋葉雅治 200906
立読の古書の背表紙啄木忌 戸谷たみ子 酸漿 200906
人混の中に置く身や啄木忌 小田司 馬醉木 200907
汝等の虚子忌我等の啄木忌 竪山道助 風土 200907
廃校に遺るオルガン啄木忌 三輪温子 雨月 200907
祖父母の忌疾うに忘れて啄木忌 山口速 200908
後輩の出世の噂啄木忌 濱上こういち 200909
砂時計返せずじまひ啄木忌 淺井照子 京鹿子 201001
啄木忌活字小さき古雑誌 菅谷たけし 201004
啄木忌河を挟んで手振りあふ 大西八洲雄 万象 201005
啄木忌違和感のなき自動ドア 鴨下昭 201006
本郷の坂の往き来や啄木忌 土屋光男 春燈 201006
啄木忌行けども行けども花屋なく 平居澪子 六花 201006
花を待つふる里遥か啄木忌 戸田澄子 末黒野 201007
波が磨ぐガラスの破片啄木忌 関根洋子 風土 201007
山彦の湿りて戻る啄木忌 柴田久子 風土 201007
握りしむ砂のぬくみや啄木忌 中沢三省 風土 201007
会ふも花別るるも花啄木忌 小野すみ子 風土 201007
音の出ぬ鍵盤ひとつ啄木忌 手拝裕任 201008
遠き日の歌集に折目啄木忌 手拝裕任 201008
てのひらにアルミ貨数ふ啄木忌 米山やすえ 末黒野 201008
啄木忌いまでも好きなパンの耳 和田あきを 風土 201008
みちのくの明治の気概啄木忌 奥村真人 雨月 201008
みちのくの風に芯ある啄木忌 佐藤ちさと 馬醉木 201010
花文字もて描くイニシアル啄木忌 安立公彦 春燈 201105
貝寄風の寄せし砂踏む啄木忌 千田百里 201105
古書店の偏屈あるじ啄木忌 前川ユキ子 201106
牛乳を一気呑みして啄木忌 森下康子 201106
不来方の空はそのまま啄木忌 松岡水学 ぐろっけ 201107
銀沙灘にこころ戯むる啄木忌 熊川暁子 201107
啄木忌骨あおあおと残りたり 岩月優美子 201107
流木に鴉の遊ぶ啄木忌 宮井知英 201108
啄木忌就職難は学士にも 平田恵美子 ぐろっけ 201108
遺されしペンなじみたり啄木忌 近藤紀子 201108
啄木の三倍生きて啄木忌 野沢しの武 風土 201110
一軒の花屋閉じたり啄木忌 井上信子 201205
余震なほ続くなかなり啄木忌 鈴木阿久 201206
風邪を病み旅諦めし啄木忌 鈴木阿久 201206
啄木忌鰯一と皿売れのこり 中田みなみ 201207
「貧」といふ字の歩みくる啄木忌 西村純太 201207
百年の星またたけり啄木忌 土屋草子 ろんど 201207
城濠に映るあをぞら啄木忌 久世孝雄 やぶれ傘 201209
長命の父の忌はまた啄木忌 北崎展江 くりから 201209
文机に山吹一枝啄木忌 安立公彦 春燈 201306
啄木忌インテリ臭を憎みけり 瀧春一 花石榴 201312
電柱の傾いてゐる啄木忌 安居正浩 201406
弱きことそれも才能啄木忌 江島照美 201407
卵かけご飯の甘き啄木忌 門伝史会 風土 201407
雨雲となる風の出て啄木忌 橋添やよひ 風土 201407
啄木忌傘に川風受けどほし 松井倫子 火星 201407
川底のような胸底啄木忌 古川忠利 ろんど 201408
傾ぐ樹の砂地を掴む啄木忌 比嘉半升 万象 201408
大根の衣紋ぬきをり啄木忌 神蔵器 風土 201505
啄木忌鉄棒あればぶら下がる 竪山道助 風土 201507
いつ消えしわが手のたばこ啄木忌 木下夕爾 春燈 201508
三行に一生憑かれ啄木忌 中村嵐楓子 春燈 201606
鉛筆にキャップ懐かし啄木忌 箕輪カオル 201607
吊革の高き此の頃啄木忌 卯木堯子 春燈 201607
小説を書く人工頭脳啄木忌 深川敏子 春燈 201607
駄菓子屋のルビーの指輪啄木忌 菊池洋子 やぶれ傘 201607
教卓のささくれに触れ啄木忌 小林共代 風土 201607
啄木忌働かざる手ポケットに 松本三千夫 末黒野 201607
みちのくの佳人の嘆き啄木忌 稲畑廣太郎 ホトトギス 201704
磯の香の後部座席や啄木忌 高野春子 京鹿子 201704
啄木忌鰯一と皿売れ残り 中田みなみ 201705
鈍行に開く駅弁啄木忌 竪山道助 風土 201706
砂を噛む病となりぬ啄木忌 網野月を 201807
一握の野蒜を引きぬ啄木忌 岡野里子 末黒野 201808
啄木忌右手でほぐす左肩 福岡貴子 船団 201811
素足にて渚歩まん啄木忌 楠本和弘 201902
磯洗ふ波透きとほる啄木忌 有江洋子 202004
啄木忌プルタブのなきパイン缶 内田美紗 船団 202006
朝掘の春筍二本啄木忌 岡田史女 末黒野 202008
星ひとつ煌めくみ空啄木忌 安立公彦 春燈 202106
大風の止みし夜空や啄木忌 松橋利雄 春燈 202107
啄木忌桜前線盛岡ヘ 松川昌義 末黒野 202109
花を買ふ男の背中啄木忌 菊池ひろ子 202207
父の書に朱入れのおほし啄木忌 栗原完爾 春燈 202207

2023年4月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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