茸 狩     86句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
とどのつまりは手ぶらにて茸狩 鷹羽狩行 199901
茸狩や子は先々と踏んで行く 稲畑廣太郎 ホトトギス 199906
走り根の力を借りる茸狩 栃内和江 199912
茸狩樹の上の空たれも見ぬ 田中藤穂 「水瓶座」 200002
波音に方角定む茸狩 渡美知子 200101
茸狩日の傾くを忘じをり 渡美知子 200101
茸狩後れるひとり消えにけり 高木悠悠 200101
いちじつの長かくしゃくと茸狩 熊谷利子 俳句通信 200101
面目の嵩とはならず茸狩 鷹羽狩行 十三星 200105
熊除けの鈴を鳴らして茸狩 多田鬼堂 200108
茸狩り一目散にあの場所へ 保坂加津夫 いろり 200111
途中までトラックに乗り茸狩 細野みさを 200111
茸狩あしたのきのここぼしつつ 暮岸江 銀化 200112
茸狩や人の背籠を盗み見る 前川みどり 春耕 200112
茸狩迷彩服の一団来 高島久 百鳥 200201
菌狩とは思はれぬ身ごしらへ 稲畑汀子 ホトトギス 200210
小流れの音離さずに茸狩る 朝妻力 雲の峰 200211
そこそこの収穫となる茸狩 河中透水 雨月 200212
案内人不愛想なる茸狩 加藤峰子 200301
茸狩アリスの国へ迷ひこむ 片山タケ子 200301
それからは遊山となりぬ茸狩 小林呼溪 200310
山霊に一拍二礼きのこ狩 関位安代 帆船 200312
きのこ狩せしあの山よかの山よ 鷹羽狩行 200401
茸狩終へ饒舌になりにけり 生出紅南 百鳥 200401
狼の住みたる森で茸狩 足立陽子 200401
茸狩の老出で来たる深山路 松元末則 酸漿 200402
居ない人呼ぶ茸狩のやうにかな 伊藤白潮 200412
団栗を吾への土産茸狩 村越化石 200412
地下足袋の茸狩とて腰の鈴 小牧喜美子 遠嶺 200501
灯台下暗き松茸狩りなりけり 鈴木榮子 春燈 200510
茸狩りのためにも目玉手術せむ 伊藤白潮 200511
茸狩妻も手強き相手なる 託正夫 200512
茸狩も身辺整理も頓挫せり 吉田明子 200601
吾も彼も野武士の目つき茸狩 塩路隆子 200602
鑛泉宿茸狩る人を泊むるのみ 瀧春一 常念 200606
杣人らけふ茸狩を愉しめる 瀧春一 常念 200606
茸狩背負籠揺らし渡船場へ 宮崎知恵美 万象 200701
雨雲に急き立てられて茸狩 有吉桜雲 200702
茸狩の声ごゑ水へ下り来たる 山尾玉藻 火星 200712
石仏に礼して行けり茸狩 村越化石 200801
茸狩の達人といふ百寿かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200810
茸狩の明るく過ぎて戻りけり 能村研三 200811
源流の石踏んでゆく茸狩 蘭定かず子 火星 200812
生き字引の老人に蹤く茸狩 佐山文子 200812
茸狩夫婦無言のハイタッチ 泉田秋硯 200901
秘め事のやうな一人の茸狩 知伊吹文江 200903
誰か一人足りないやうな茸狩 山尾玉藻 火星 200911
故郷の山は豊かに茸狩 須賀敏子 あを 200912
初夢は故里の山菌狩 滝沢伊代次 万象 201001
芳しき籠となりゆく茸狩 水上れんげ 201001
入場の一礼軽く茸狩り 鎌田悟朗 ろんど 201001
茸狩採れるつもりの籠を抱き 中田みなみ 201001
眠さうな山を起こして茸狩 手拝裕任 201008
家前の松の林や茸狩 田中臥石 末黒野 201101
熊の出る噂の山の茸狩り 大西八洲雄 万象 201101
茸狩農夫の父の遊山とも 田中春子 雨月 201101
茸狩りの昔話に花が咲く 宮脇百百子 201102
山分けはじゃんけんで決め茸狩 長谷川鮎 ぐろっけ 201110
茸狩の大声山にひゞきたり 滝沢伊代次 万象 201110
乗鞍へ六根清浄茸狩 桑原逸子 201112
茸狩名人飯田家十代目 橋本榮治 馬醉木 201112
茸狩るどの道行くも獣道 森岡正作 201301
茸狩前を横切るは専女(たうめ)かな 中島陽華 201303
かたぶつと言はるる人と茸狩 山尾玉藻 火星 201312
林相を見て的中の茸狩 大畑善昭 201312
茸狩やかわいてゐたるけもの径 城孝子 火星 201402
茸狩ブーツの少女おくれがち 村田とくみ ぐろっけ 201403
茸狩り山の男の出会い酒 中根千恵子 ろんど 201502
今はもう松茸狩りとは何のこと 時澤藍 201512
まつ直ぐに歩く者なし茸狩 高橋将夫 201601
精霊の話の似合ふ茸狩 大矢恒彦 201612
たれかれの影の大きな茸狩 辻美奈子 201612
日翳の林へ入りぬ茸狩 田中臥石 末黒野 201711
熊笹を分けて尾根道茸狩り 志藤章 末黒野 201712
茸狩や祖父母の家にまづ寄りて 山田健太 風土 201801
断食死ありし山路へ茸狩 石田野武男 万象 201801
はぐれたる末に見つけぬ松茸狩 中島秀夫 王水 201909
山彦に踊らされてる茸狩 大日向幸江 あを 201912
半分はお山に託し茸狩 磯野青之里 六花 201912
茸狩る昔の勘をとりもどし 谷村祐治 雨月 202001
おにぎりを配る役あり茸狩 山岡和子 船団 202003
深谷の風吹き上がる茸狩 升田ヤス子 六花 202101
うな垂れて松茸狩の終りけり 谷口一献 六花 202101
茸狩分け入る森に丸太小屋 秋川泉 あを 202111
深き森そこここあそこ茸狩 秋川泉 あを 202111
茸狩みんな少しく変り者 辻美奈子 202112

 

2023年10月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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