田草取    58句

折々は田螺にぎりつ田草取    正岡子規

作品
作者
掲載誌
掲載年月
田草取り泣いて来し子を畦に抱く 中川節子 春耕 200008
田草取る夫婦無言の行めけり 名和節子 200010
憩ふ間も目をはたらかせ田草取 田口たつお ぐろっけ 200110
田草取り夜はカーナビに案内され 相原左義長 海程 200110
早暁の影の動きぬ田草取 稲畑汀子 ホトトギス 200206
背よりまた葭切の鳴く田草取 藤井昌治 200207
敗戦のビラ舞ひし村田草取る 木田千女 200208
田草取る鴨がときをり振り仰ぐ 阿部ひろし 酸漿 200208
田草取る貝殻骨を天日に干し 中島あきら 200208
半生を棚田に仕へ田草取り 大串章 百鳥 200209
孫曾孫来る日を明日に田草取る 末益冬青 雲の峰 200209
抜く足に泥が呟く田草取り 宮脇ちづる 200210
うら若く田草取機を押せりけり 伊藤白潮 200308
田草取る所作にかたむく山家かな 谷榮子 雨月 200308
四代目は農継がぬなり田草取る 永井孔雀 200309
年寄が「サムサノナツ」の田草取る 楠原幹子 200310
大橋に灯の点りそめ田草取 高橋誠一 200311
蓑つけし神話の里の田草取 原田しずえ 万象 200410
景観の為の棚田の田草取 史あかり ぐろっけ 200410
田草取り終へて鵜匠になりに行く 高倉恵美子 200501
田草取夕日傾きをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200506
奥伊勢のよく晴るる日や田草取 小山漂葉 酸漿 200508
田草取草へ泥鰌を投げくれし 原田しずえ 万象 200509
田草取る匹夫でる太のこころざし 駒井でる太 200510
村に残る老人ばかり田草取る 北原東洋男 200511
田草取り葉先で大方眼を病めり 北原東洋男 200511
田草取萱草の花も引き捨てし 瀧春一 常念 200606
門の田に四方に遙かに田草取 瀧春一 瓦礫 200606
朝すでに鴨の励める田草取 阿部ひろし 酸漿 200607
田草取る丹波太郎を背に負うて 大島雄作 200609
田草取る人に筑波嶺腰据うる 奥田恵美 200610
田草取足の大きをはにかみて 黒田咲子 200610
田草取りをりしが富士に立ち上がる 嶋田一歩 ホトトギス 200611
立ち憩ふ諸手の雫田草取 中村翠湖 馬醉木 200708
大き尻でんとこち向け田草取 布川直幸 200709
魂の字を背負ふTシャツ田草取る 延広禎一 200808
道とへばやっと顔あげ田草取 博多永楽 雨月 200808
田草取る農夫に貰ふ余り苗 星アヤ 酸漿 200809
仁王立ちして立ち休む田草取り 布川直幸 200810
田草取る人を見てゐる坐る牛 鈴木多枝子 あを 200810
田草取り骨身に応ふ齢かな 水谷靖 雨月 200909
家いへの山を背にして田草取 吉田美智子 末黒野 200910
田草取海へ山へと尻を向け 高橋裕子 201009
田草取る重い時間を動かして 松田都青 京鹿子 201011
田草取つひに顔上げざりし 西村節子 火星 201209
田草取何にも言はでをりにけり 水谷靖 雨月 201210
田草取り野稗むんずと抜きにけり 眞田忠雄 やぶれ傘 201211
黒髪をかたく結ひをり田草取 藤本千鶴子 火星 201311
映す雲くづして進む田草取り 西原勝代 京鹿子 201401
車より男が一人田草取り 中條今日子 万象 201510
田草取り両手で地球かきまぜる 芦田千代子 京鹿子 201601
太陽とひとり語らふ田草取 小山田子鬼 201709
田草取り暫しを立ちて叩く腰 佐藤喬風 末黒野 201709
歪なる水輪となりぬ田草取 鎌田光恵 201710
腰のばすとき沖を見て田草取 深川淑枝 201712
両腕も眼鏡も濡らす田草取 瀬戸薫 風土 201808
田草取る作務衣の僧や昼の鐘 安野眞澄 201809
田草取りひと日素顔を通しけり 杉田智榮子 馬醉木 201910

 

2023年7月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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