雀蛤となる    82句

蛤に雀の斑あり哀れかな    村上鬼城

作品
作者
掲載誌
掲載年月
佃べり雀はことに蛤に 能村研三 199901
雀蛤と化して食はれけるかも 櫂未知子 銀化 199912
ほろ酔ひて蛤となる雀かな 中川晴美 俳句通信 199912
雀蛤となりて腐敗のすすむなり 中原道夫 銀化 200012
蛤とならで田巡る雀かな 朝妻力 俳句通信 200111
蛤となりにゆかむか多田雀 奥田節子 火星 200201
口裏をあはせて雀蛤に 加口哲也 銀化 200211
雀蛤となる沖雲にぽかりと日 小野恵美子 馬醉木 200212
雀蛤に舌うちして沈む 松本康司 銀化 200212
佛門に入るかに雀蛤に 伊藤白潮 200310
蛤となれぬ雀の砂あびる 宮崎やすお 栴檀 200405
忍者屋敷雀たちまち蛤に 長谷川閑乙 馬醉木 200411
纜に雀蛤となる思案 北川英子 200411
蛤の雀にもどる手引せむ 伊藤白潮 200411
石舞台蛤となる日の雀 岡本利恵子 春耕 200412
水郷をめぐり雀も蛤に 高橋将夫 200501
雀蛤に海外視察議員団 古同野良 帆船 200501
雀蛤に国立遺伝研究所 高野良 帆船 200502
残るもの煮返し雀蛤に 早坂トミ子 帆船 200504
大日の膝で雀は蛤に 高橋将夫 200510
蛤になれど雀のこゑのまま 伊藤白潮 200511
蛤となる雀ゐて庭さびし 大塚洋子 酸漿 200601
舟寄せの杭雀蛤となる 橋本良子 遠嶺 200602
蛤となりたる雀雨つづく 岡崎桂子 対岸 200602
酒徒たるを返上雀蛤に 伊藤白潮 200609
飛ぶことに倦いては雀蛤に 伊藤白潮 200611
玩味せり雀の化せし蛤を 築城百々平 馬醉木 200611
蛤となりし雀の倦みてをり 高倉和子 200612
蛤となる雀かも舫船 上野進 春燈 200701
蛤となれぬ雀が寺に群る 柴田佐知子 200801
修復の跡あり雀蛤に 富沢敏子 200801
竹林の風蛤となる雀 川口襄 遠嶺 200802
蛤とならむ雀の片言葉 南一雄 200802
磯屑にずぶ濡れ雀蛤に 中村恭子 200806
陸封を解かれて雀蛤に 伊藤白潮 200809
よく鳴く雀蛤になり損ね 布川直幸 200811
卓袱台に角なき雀蛤に 高橋澄子 200812
諧謔を遺し雀は蛤に 吉田明子 200901
蛤となる雀なり安房なれば 大崎紀夫 やぶれ傘 200901
汀まで足跡雀蛤に 苑実耶 200902
雀化して蛤となるマルセーユ 塩田博久 風土 200912
休耕田増えて雀は蛤に 大森道生 春燈 201001
ネクタイは空色雀蛤に 山本無蓋 201001
雀色どき蛤となる雀かな 小泉貴弘 春燈 201002
蛤になれと選ばれたる雀 柳川晋 201012
砂抜きを忘らる雀蛤に 中村恭子 201012
根拠なき自信雀は蛤に 柳川晋 201101
常神の雀は銀の蛤に 浜福惠 風土 201101
蛤となる相談に雀群れ 安永圭子 風土 201101
上げ潮の中州の雀蛤に 大崎紀夫 やぶれ傘 201101
水べりにこぼれて雀蛤に 根橋宏次 やぶれ傘 201102
雀化して蛤となり良寛忌 神蔵器 風土 201105
栞紐ほつれ雀は蛤に 大川ゆかり 201201
信ずればこそ蛤になる雀 柳川晋 201211
雀大水に入りて蛤となる津田の浜 十川たかし 201211
島を飛び出して雀は蛤に 柴田佐知子 201311
名利などあらざる雀蛤に 山本無蓋 201311
雀蛤に単線駅の昼の月 間島あきら 風土 201402
空とほき日なれば雀蛤に 大崎紀夫 虻の昼 201510
蛤となりたる雀五百円 柳川晋 201701
蛤となりしか雀現れず 小林愛子 万象 201701
雀蛤となる時水の音 矢崎すみ子 201701
この辺の雀おほかた蛤に 根橋宏次 やぶれ傘 201701
二条城の雀お前も蛤に 火箱ひろ 船団 201707
蛤になれぬ雀が寺に来る 福島せいぎ 万象 201712
蛤になるのはいやと雀かな 飛高隆夫 万象 201801
もう翔べぬ雀はあはれ蛤に 片山博介 春燈 201801
雀は蛤に大蛇は縄となる 中島陽華 201903
違ふ世を見たき雀は蛤に 永淵惠子 201904
青空に飽きて雀は蛤に 高倉和子 201904
波ざばとくるとき雀蛤に 大崎紀夫 やぶれ傘 201911
砂浴びに倦きし雀の蛤に 山内碧 202006
舟轆轤ぼつんと雀蛤に 増成栗人 202011
辛抱の足らぬ雀は蛤に 高橋将夫 202011
ちゆんと鳴きこつんと雀蛤に 根橋宏次 やぶれ傘 202101
資本論の論旨雀は蛤に 柳川晋 202103
翼を憂しと蛤となる雀 高倉和子 202104
波寄するあたりで雀蛤に 大崎紀夫 やぶれ傘 202105
雀蛤となり失ひしもの多し 木多芙美子 春燈 202111
口応へ下手で雀は蛤に 里村梨邨 202202
子雀に開けて蛤御門かな 森田節子 風土 202207
穏やかな浦曲よ雀蛤に 増成栗人 202212

 

2023年10月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。