煤逃げ    227句

二人の児連れて煤逃げ鴨の池   橘澄男   獐

作品
作者
掲載誌
掲載年月

悼本宮鼎三先生

煤逃の歩を根の国へ延ばすとは

水内慶太 銀化 199903
われもまた煤逃げといふ用ひとつ 中西和 199905
煤逃と見越し買物メモ渡す 千田百里 巴里発 199911
シーソーに煤逃げめきて坐りをり 能村登四郎 芒種 199911
煤逃や珈琲あとの水甘し 山田六甲 六花 199912
煤逃げと言はれてもよき稿を執り 能村研三 200001
二人来てをり煤逃げの男たち 木下野生 200003
図書館に居て煤逃げと悟られず 吉田汀史 200003
煤逃げの映画に好きなモンゴメリー 木田千女 200003
煤逃げの青年連れて浮世風呂 本山卓日子 京鹿子 200004
煤逃げの男がふたり観覧車 塩路隆子 精鋭選集 200008
探鳥会煤逃げらしき男たち 藤武由美子 春耕 200102
煤逃げや妻の実家でもてなされ 吉川智子 200103
煤逃げの書店で肩を叩かるる 大熊庸介 200103
煤逃げの身を深々と寄席の椅子 三代川次郎 俳句通信 200103
煤逃げの大楠の股仰ぎをる 小形さとる 200103
煤逃げの戸主公園で莨吸ふ 品川鈴子 ぐろっけ 200103
煤逃げて大罪人に仕立てらる 吉田裕志 200104
煤逃げと言へば言はるる旅にあり 能村登四郎 200108
煤逃げの鳩が五重塔めぐる 朝妻力 雲の峰 200201
キャンパスに煤逃げらしき老教授 伊藤月江 雲の峰 200202
さりげなく読む煤逃の映画欄 黒崎よし江 雲の峰 200202
日向藥師煤逃吟行會三句 中原道夫 銀化 200202
煤逃げの三十六階エステ室 本山卓日子 京鹿子 200202
煤逃げの男携帯通話中 戸田春月 火星 200203
煤逃の通勤定期よりの旅 深澤鱶 火星 200203
煤逃げの無器用なるを愛しめり 加藤はま子 200203
煤逃の漢か一人釣をせる 西村しげ子 雨月 200203
煤逃にモップのやうな犬連れて 比田誠子 百鳥 200203
煤逃げの句会をまたも増やしたる 塩川雄三 築港 200302
もう一度煤逃しようなあ父よ 中原道夫 銀化 200302
煤逃げを責むる妻ありソクラテス 次井義泰 200303
煤逃げや桃源郷の橋渡る 中村恭子 200303
煤逃げの郵便局の小座布団 大槻きみ 200303
ねむごろな煤逃の儀となりにけり 藤村遊子 200303
煤逃げの友の誘ひの歯切れよし 託正夫 200303
煤逃げの空気枕を膨らます 浜口高子 火星 200303
煤逃や動けば要らぬ事をして 大塚まや 京鹿子 200303
煤逃げに児を連れ出してくれにけり 田所節子 200303
地球儀を廻して夫の煤逃げす 吉田康子 青山椒 200303
煤逃げと言はれ骨董市に来つ 渡辺立男 馬醉木 200303
煤逃げを見こし買物言ひつかる 官森毅 六花 200307
火宅にて煤逃げ支度手間どれる 伊藤白潮 200401
煤逃げの山手線のめぐるかな 今瀬剛一 対岸 200402
煤逃げに隣家の猫も居たりけり 大田たまえ 200403
煤逃げて画廊巡りし疲れかな 塩田博久 風土 200403
煤逃げの挨拶交す映画館 吉野知佐 帆船 200403
煤逃げをせしは娶らぬ子なりけり 小林正史 200404
煤逃げを許さぬ母の立ちはだかる あさなが捷 200405
煤逃げの煙草のけむる喫茶店 木村みかん 200410
煤逃げの医師呼び戻すアナウンス 加藤峰子 200501
煤逃げを黄泉醜女に追はれたる 延広禎一 200502
理髪舗の順番を待ち煤逃げせり 元吉竹瓶子 200502
煤逃げや居酒屋に待つ四斗樽 宮城白路 風土 200502
煤逃げの男と女昼の星 山田六甲 六花 200502
煤逃げの隠しやうなき目出し帽 斎藤棹歌 200502
煤逃げの軽石拾ふ由比ケ浜 榎本文代 万象 200503
煤逃げの父と子連れのビデオ店 井上加世子 ぐろっけ 200504
煤逃げの釣果を提げて戻り来し 栗原紘子 200504
煤逃げもならず仕切りを任されて 白鳥彰子 200504
煤逃げの口三味線に腹が立つ 泉田秋硯 黄色い風 200505
煤逃げの碁会のあとの行方かな 鷹羽狩行 200601
煤逃げにあらず全席指定車に 伊藤白潮 200601
煤逃げの姫路へ脚をのばしけり 山田六甲 六花 200601
煤逃や水族館に回遊魚 服部早苗 200603
煤逃げのリユックはみ出す杖の首 福山悦子 200603
煤逃げの煤逃げ連れて戻り来し 城孝子 火星 200603
理髪店から煤逃げのしたり顔 川崎光一郎 京鹿子 200603
煤逃を以て今年を逃げ切れり 木寺仙游 四葩 200603
携帯に煤逃げの夫呼び戻し 加藤泰子 四葩 200603
煤逃げはここが最高サウナ風呂 辰巳比呂史 200604
煤逃といつもにあらぬ夫外出 加地芳女 雨月 200604
煤逃げと三途の川を渉られし 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200605
ひとり居に煤逃げはなしやらなくちゃ 中島英子 八千草 200606
煤逃げのままに戻らぬ男かな 前田貴美子 万象 200610
煤逃げの面々で混むゴルフ場 鷹羽狩行 200702
肩車して煤逃げの父となる 服部早苗 200702
煤逃げの淋しくなれば帰りけり 青山丈 200702
煤逃の人の横顔紀伊国屋 長谷川史郊 馬醉木 200703
煤逃げが荷を舁くことにかかはりし 丸山照子 火星 200703
煤逃げの半日こもる四つ手小屋 佐藤俊子 200703
煤逃にひるの天満の寄席囃子 竹内水穂 火星 200704
煤逃げのまさか追手は来るまいに 相良牧人 200704
煤逃げや図書館休みとは知らず 金子野生 京鹿子 200705
煤逃げに先手打たれてしまひけり 安居正浩 200802
煤逃の釣りに行かれてしまひけり 須藤美智子 風土 200803
煤逃の帰りのバスに乗り遅る 杉浦典子 火星 200803
煤逃げや森に樹の声禽の声 奥田紀子 200803
煤逃げにまだ治まらぬ腹の虫 谷澤陽子 200804
煤逃の街の洋画に涙して 三浦ゑおり 風土 200804
煤逃げに大き満月あがりたる 榎本文代 万象 200804
煤逃げや戻りし夫の饒舌に 岡本由紀子 200805
煤逃げの夕日きれいと夫帰る 府川房江 母の空 200808
煤逃げも籠りも老いも許されず 伊藤白潮 200811
煤逃のポケットにある文庫本 堤京子 馬醉木 200902
煤逃の揚げまんぢゆうの列につく 根橋宏次 やぶれ傘 200902
煤逃げの人の往き来や五條橋 塩路隆子 200903
煤逃げや「国定忠治」観てしまふ 吉田空音 炎環 200903
煤逃や隣の旦那も野球帽 竹島勝代 200903
煤逃や書肆に椅子ありコーヒーも 久本久美子 春燈 200903
煤逃や前座ばかりの朝座にゐ 深澤鱶 火星 200903
煤逃げに足湯日和の駅舎かな 飯塚ゑ子 火星 200903
煤逃げの夫のむすびも大きくす 木原今女 ぐろっけ 200903
煤逃げは接骨院となりにけり 田中富雄 万象 200903
煤逃げや泳ぎ納めの一〇〇〇米 遠藤逍遙子 風土 200904
煤逃げやズボンは寅さんより細目 荒木甫 200905
煤逃の親子出合ひし町の書肆 水原春郎 馬醉木 201002
煤逃のとどのつまりは入院す 秋葉雅治 201002
煤逃の老若男女海豚ショー 坂上香菜 201003
煤逃げで賑はふゴルフ練習場 森下康子 201003
モンローに逢ふ煤逃げの名画座で 峰尾秀之 201003
煤逃げのつもりが妻も行くと言ふ 安居正浩 201003
煤逃や床屋に姿勢正されて 田所節子 201003
銭湯に行く煤逃げの老爺かな 泉和美 末黒野 201003
煤逃げのならぬ手順となりにけり 竹村清繁 末黒野 201003
煤逃やちよつと短い耳掻棒 荒木甫 201003
煤逃げの新幹線を見てをりぬ 川村文英 ろんど 201003
煤逃げの男は句座を休みけり 菅野雅生 ろんど 201003
煤逃げの文楽長き死出の旅 中条さゆり 201003
煤逃げの媚に夫の聴診器 山本耀子 火星 201003
煤逃や敷居の高き骨董屋 久米憲子 春燈 201003
煤逃や茶杓の銘の「大晦日」 小倉陶女 春燈 201003
煤逃げや誌上に隆鼻術のこと 定梶じょう あを 201003
煤逃げの父酔客を連れてきし あさなが捷 201004
煤逃げの男混み合ふ波止あたり 矢野百合子 201004
煤逃げの鳥を見に行く悪だくみ 加藤峰子 201004
煤逃げのポケットにある万歩計 岩瀬江美子 201004
煤逃げを拡大解釈して機中 久染康子 201102
煤逃げの天気予報は確と見る 森岡正作 201102
煤逃げの大義どこかで変りけり 吉田政江 201102
煤逃げは上野鈴本昼席に 瀬島洒望 やぶれ傘 201102
煤逃を呼びこむ寄席の触太鼓 小林千草 馬醉木 201103
伊豆の湯へ一家丸ごと煤逃げす 久染康子 201103
してみたきこと煤逃と鯨飲と 栗原公子 201103
煤逃や男ばかりの神田そば 五十嵐章子 201103
煤逃げの飄と戻り来頃なれど 浜福恵 風土 201103
煤逃げの負ひ目阿弥陀に畏まる 田中一美 ろんど 201103
煤逃や俳句日和となる能登路 今村征一 ホトトギス 201105
バツハ流して煤逃げの囲碁の会 荒井千佐代 祝婚歌 201110
煤逃げて文具売り場に惚けゐし 能村研三 201202
昼席の左右煤逃らしきかな 小島昭夫 春燈 201202
煤逃げの勢へり囲碁の敵討ち 森岡正作 201203
煤逃げの夫は仏となりしかな 奥田茶々 風土 201203
煤逃げの図書館族となりにけり 荒井千佐代 201204
煤逃げの漢携帯電話鳴る 和田照海 京鹿子 201204
煤逃の外国映画パリ訛 コ田千鶴子 馬醉木 201301
煤逃げの水平線まであとすこし 荒井千佐代 201302
煤逃げの出来ぬ男もゐたりけり 石川笙児 201302
煤逃げの人も居るらしジムの混む 須賀敏子 あを 201302
煤逃げの夫包丁を研いで来し 樋口みのぶ 201302
煤逃や肩車して出掛けたる 田所節子 201303
煤逃げの古社詣とや奈良太郎 佐藤凉宇子 ろんど 201303
煤逃げの背を押してくる付喪神 宇都宮敦子 201304
煤逃げの夫は縁側切抜きす 増本明子 ぐろっけ 201304
煤逃のコーヒー飽いてしまひけり 紅谷芙美江 万象 201304
煤逃ははかなき望み古女房 宮田豊子 春燈 201402
煤逃の阿吽の呼吸父母に 水原春郎 馬醉木 201402
煤逃に適ふめつぽふはれにして 能村研三 201402
煤逃げや眼鏡の度数合はせをり 大川ゆかり 201403
煤逃げや太陽釣つて水釣つて 神蔵器 風土 201403
煤逃げやさしあたり理髪店に居り 田中貞雄 ろんど 201403
煤逃げの媼に夫の聴診器 山本耀子 絵襖 201404
煤逃げや駅中と言ふ旅どころ 成宮紀代子 201501
水釣つて煤逃げしたる昔あり 神蔵器 風土 201501
煤逃のつもりが大物釣り上げて コ田千鶴子 馬醉木 201502
頻繁に震ふケータイ煤逃げて 小松誠一 201502
煤逃や天丼の蓋盛りあがる 菊地光子 201502
煤逃げや釣堀に糸高鳴つて 神蔵器 風土 201502
煤逃げに遣はす追手蔵茶房 松岡和子 201502
煤逃げやひとつ溶けゆく角砂糖 齊藤實 201503
煤逃げの先客の居て芭蕉館 上辻蒼人 風土 201504
煤逃げの本屋の本を見尽して 白石正躬 やぶれ傘 201504
煤逃に買物のメモ手渡され 中原敏雄 雨月 201603
煤逃をぐづぐづと切る足の爪 荒木甫 201603
煤逃の帰る頃合計りをり 土井三乙 風土 201603
煤逃ははかなき望み古女房 宮田豊子 春燈 201402
煤逃の阿吽の呼吸父母に 水原春郎 馬醉木 201402
煤逃に適ふめつぽふはれにして 能村研三 201402
煤逃げや眼鏡の度数合はせをり 大川ゆかり 201403
煤逃げや太陽釣つて水釣つて 神蔵器 風土 201403
煤逃げやさしあたり理髪店に居り 田中貞雄 ろんど 201403
煤逃げの媼に夫の聴診器 山本耀子 絵襖 201404
煤逃げや駅中と言ふ旅どころ 成宮紀代子 201501
水釣つて煤逃げしたる昔あり 神蔵器 風土 201501
煤逃のつもりが大物釣り上げて コ田千鶴子 馬醉木 201502
頻繁に震ふケータイ煤逃げて 小松誠一 201502
煤逃や天丼の蓋盛りあがる 菊地光子 201502
煤逃げや釣堀に糸高鳴つて 神蔵器 風土 201502
煤逃げに遣はす追手蔵茶房 松岡和子 201502
煤逃げやひとつ溶けゆく角砂糖 齊藤實 201503
煤逃げの先客の居て芭蕉館 上辻蒼人 風土 201504
煤逃げの本屋の本を見尽して 白石正躬 やぶれ傘 201504
煤逃に買物のメモ手渡され 中原敏雄 雨月 201603
煤逃をぐづぐづと切る足の爪 荒木甫 201603
煤逃の帰る頃合計りをり 土井三乙 風土 201603
煤逃げの文楽長き死出の旅 永淵暫子 201607
煤逃げや夫と息子と鰻屋へ 有賀昌子 やぶれ傘 201703
煤逃げの主人を連れて帰りたる 瀬川公馨 201703
煤逃げの二回りせし山手線 金子正道 京鹿子 201704
煤逃げや迷ひ入りたる奥の院 林徹也 201704
煤逃げのすぐに戻りてきたるとは 曽根富久恵 201706
煤逃げの四コマ漫画筋斗雲 鈴鹿呂仁 京鹿子 201712
煤逃の一人加はる句会かな 稲畑汀子 ホトトギス 201712
煤逃げの口裏合はせ遊び紙 鈴鹿呂仁 京鹿子 201801
手配済みなり煤逃げの居酒屋は 安居正浩 201802
煤逃げのさらりと持論翻す 吉田政江 201803
煤逃の病室の窓ながめをり 大坪景章 万象 201803
煤逃げの話相手に呼び出さる 佐津のぼる 六花 201803
釣堀へおにぎり持つて煤逃げと 有賀昌子 やぶれ傘 201803
煤逃げの饂飩天丼道の駅 笹村恵美子 201803
煤逃げのすき屋牛丼大盛で 波戸辺のばら 201803
煤逃げの法話を聞きに行かれけり 升田ヤス子 六花 201804
煤逃げや骨を見に来し博物館 深川淑枝 201806
煤逃げの弟子また一人父の部屋 田中藤穂 あを 201902
予告延々煤逃げの映画館 高木嘉久 201903
煤逃の倅帰り来釣果あり 宮澤靖子 末黒野 201904
煤逃げやスマホ持たずに路線バス 森清堯 末黒野 201904
煤逃の武士の世へ潜り込む 古賀しぐれ ホトトギス 201905
煤逃げの気分も少し入院す窪みち子 201907
煤逃げを企んで筆擱きにけり 増成栗人 202002
煤逃げや江戸の老舗の身売り宿 延川笙子 六花 202003
煤逃げや口コミで行く映画館 升田ヤス子 六花 202004
煤逃げのつもりが妻もついて来る 高橋寛子 春燈 202004
煤逃の親爺昼より城見酒 古賀しぐれ ホトトギス 202005

 

2020年12月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。