須 磨    138句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
松風も沖ゆく船も須磨の秋 大崎ナツミ 雨月 199811
山吹の一重の搖るる須磨なりき 中島陽華 199907
須磨明石見えし峠より桜散る 高木伸一 ヒッポ千番地 199908
須磨浦の段に見惚れる夜の新樹 村田近子 遠嶺 199909
療養の須磨に雲間の後の月 田畑美穂女 ホトトギス 200002
須磨寺にあつもりの塚春の逝く 川崎妙子 風土 200008
螢火を恃み繙く須磨明石 武田菜美 銀化 200008
新年を光りて迎ふ須磨の海 河内童楽 六花 200103
須磨と聞き舞子と聞きて冬の旅 岩垣子鹿 ホトトギス 200104
桜貝姉と拾ひし須磨の浜 浮田胤子 ぐろっけ 200105
須磨うらら野猫は句碑で爪を研ぐ 品川鈴子 ぐろっけ 200105
初雪が別れの雪か須磨の浦 平松薫 六花 200107
須磨寺の寺苑にありし若葉風 小田ひろ 円虹 200107
須磨寺につなぐ仏縁春惜む 村田明子 円虹 200108
須磨駅の長い階段海開き 池崎るり子 六花 200110
子規の忌をこころに須磨の渚ゆく 和田崎増美 雨月 200112
首塚に鵯の鳴き継ぐ須磨の秋 木村てる代 雲の峰 200201
山門をくぐりて須磨の秋に入る 志水芳秀 雲の峰 200201
秋深し須磨琴に聞く盛衰記 志水芳秀 雲の峰 200201
降る雨にゆたけき須磨の櫨紅葉 志水干代子 雲の峰 200201
須磨琴の謂はれききゐる坊の秋 高野清風 雲の峰 200201
行平の歌聞いてゐる須磨の秋 志水芳秀 雲の峰 200201
須磨琴の洩るる参道札納 友田直文 200203
冬至粥黒楽に盛り須磨明石 雨村敏子 200203
須磨浦の歴史を復習へり寒土用 小林玲子 ぐろっけ 200205
須磨琴の一線潔し寒の浦 小林玲子 ぐろっけ 200205
古着買ふ須磨古町の啄木忌 谷口蔦子 ぐろっけ 200209

 滝瓢水姫路城主と面会中に中座して須磨の月見にゆく

須磨までは命がけなる月見客

山田六甲 六花 200210
石蕗の花須磨の離宮の厩あと 山田六甲 六花 200211
須磨の松枝ほの明き無月かな 荒川桂子 ぐろっけ 200212
須磨琴に目をつむりゐる冬座敷 三澤福泉 雲の峰 200302
須磨明石望む古墳や冬の凪 林和子 雲の峰 200302
ひびわれし笛の身に入む須磨の寺 岡田万壽美 雲の峰 200302
まんべんに木枯吹きぬ須磨明石 飯塚ゑ子 火星 200304
汐汲み女祀りて須磨や東風まぶし 大野英美 風土 200304
子規虚子を偲びて須磨の春の海 千原叡子 ホトトギス 200308
秋天や松あをあをと須磨離宮 仲尾弥栄子 雲の峰 200311
秋籟の松一本が須磨の浦 小澤克己 遠嶺 200312
須磨浦の白砂に色を変へぬ松 鷹羽狩行 200401
敦盛の笛古りにけり須磨の秋 鈴木秋子 草の花 200401
マフラーの毛先に須磨のひかりかな 小林成子 火星 200403
須磨の海蝉の声ききリハビリす 的場うめ子 ぐろっけ 200410
須磨寺に碑多しつくつくし さわいりまりこ 遠嶺 200411
夕凪に客の帰れる須磨の浜 上原口チヱ ぐろっけ 200411
須磨浦へ放哉の見し月を見に 中野智子 春耕 200412
雁の棹つなぐ淡路と須磨明石 小泉三枝 春燈 200412
敦盛を語る須磨琴雁渡し 小泉三枝 春燈 200412
虫絶えて海原白き須磨明石 飯塚ゑ子 火星 200501
秋晴や思ひ出多き須磨明石 吉田小幸 ホトトギス 200502
海苔筏に冬日鏤む須磨の浦 岡村葉子 栴檀 200503
子規虚子の句碑拝さむと花の須磨 堀田清江 雨月 200506
水着にて階段登る須磨の駅 三輪慶子 ぐろっけ 200511
須磨琴の弦切々と菊の秋 水原春郎 馬醉木 200512
須磨琴の調べせつせつ秋深し 大畠政子 雨月 200601
照る月を須磨に明石に仰ぎけり 峯桜子 遠嶺 200601
須磨寺や春の夕べの濃くありぬ 林いづみ 風土 200606
野茨や須磨は海光溢れしめ 山田六甲 六花 200606
須磨琴の調べに秋を惜しみけり 森脇貞子 雨月 200702
芭蕉句碑照らし須磨なる後の月 手島伸子 雨月 200702
須磨琴に寿永の春を偲びける 中村碧泉 ぐろっけ 200707
砂文字を遅日の須磨に残しけり 中村碧泉 ぐろっけ 200707
霊水の若葉にそまる須磨なりし 谷村幸子 200709
須磨浦の砂のこぼるる秋の草 戸栗末廣 火星 200712
須磨浦や潮入れかはる初嵐 深澤鱶 火星 200801
浜茶屋のあとかたもなく須磨は秋 堀井英子 雨月 200801
須磨浦の篊は天女の歌留多なる 品川鈴子 ぐろっけ 200802
須磨の篊歌留多並びのやや乱れ 品川鈴子 ぐろっけ 200802
須磨の波止釣場となりて明易し 和田一 雨月 200809
潮騒を眼下に須磨の月愛づる 山田六甲 六花 200810
抱きしむる蕪村の石へ須磨の月 山田六甲 六花 200810
長き夜の源氏いよいよ須磨の巻 木村ふく 馬醉木 200812
源氏千年紀の須磨の月を待つ 三村純也 ホトトギス 200903
しらじらと残月はあり花の須磨 堀井英子 雨月 200907
春暁や一絃琴の須磨寺に 手島伸子 雨月 200908
波音を妙法と聴く須磨の秋 高橋和女 春燈 200912
大年の須磨寺に望上りけり 戸栗末廣 火星 201004
新春の須磨アルプスや空青く 坂根宏子 201004
須磨凪ぎて朧の月を浮べたり 和田一 雨月 201007
薔薇色に染まりてゐたる須磨離宮 五ケ瀬川流一 六花 201008
黒南風や船足早き須磨の沖 五ケ瀬川流一 六花 201008

 樋囗すま子句集『花りんご』序句

浦の名を囗ずさむさへ須磨涼し

鷹羽狩行 201008
須磨寺や子規も芭蕉も西日中 神田小夜子 ろんど 201011
子規虚子も偲ばるる須磨梅雨の月 安原葉 ホトトギス 201011
紫式部の須磨の巻より秋立ちぬ 小幡喜世子 ろんど 201011
源氏好き笛聴きながら須磨の月 高橋大三 ぐろっけ 201101
須磨離宮まだ蕾なる松竹梅 高橋大三 ぐろっけ 201105
飯蛸や川を境の須磨明石 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
月の秋海一望の須磨離宮 尾崎みつ子 雨月 201112
夕暮の須磨浦風の秋の声 大石喜美子 雨月 201112
太公望須磨の寒凪待ちかねて 蓮尾みどり ぐろっけ 201204
冬の海須磨に平家の悲話いくつ 蓮尾みどり ぐろっけ 201204
短夜の電子書籍の「須磨」「明石」 奥田茶々 風土 201208
蛸壺に菊咲く須磨の泊りかな 北崎展江 くりから 201209
奥須磨の四阿(しあ)に遠巻きに草いきれ 赤松赤彦 六花 201211
須磨寺の首洗ひ池月宿る 江見巌 六花 201212
須磨浦の鉄路はさみし虫時雨 高松由利子 火星 201212
銀店ちる須磨寺の笛聞きに来よ 山本麓潮 万象 201303
須磨寺や修羅のこゑ聞く冬木立 山本麓潮 万象 201303
須磨浦や眼下に紅葉沖に舟 永田万年青 六花 201303
須磨の月仰ぎ源氏の君気分 大久保白村 ホトトギス 201303
須磨寺で浴びる香煙野分どき 木本蓚 ぐろっけ 201312
須磨関の売り声媼秋なすび 木本蓚 ぐろっけ 201312
秋深し須磨に伝はる一弦琴 野崎昭子 春燈 201312
須磨寺を走り抜けたる恋の猫 涼野海音 火星 201405
民の釜須磨も明石も釘煮炊く 深澤鱶 火星 201406
須磨寺に大きな月の出でにけり 藤生不二男 六花 201412
月明かり海より窓に須磨の風 市川伊團次 六花 201502
魁けて須磨天神の臥竜梅 堀井英子 雨月 201505
源平にゆかりの須磨や白菖蒲 堀井英子 雨月 201509
秋扇松井須磨子を語り継ぐ 名和政代 万象 201512
須磨寺や草笛吹けば海まぶし 天谷翔子 201512
琵琶の音は滅びのしらべ月の須磨 堀井英子 雨月 201512
須磨案内せしが名残の露の秋 千原叡子 ホトトギス 201603
須磨寺より須磨天神へ探梅行 堀井英子 雨月 201604
まろやかな白味噌雑煮須磨の宿 森礼子 雨月 201604
須磨の海やうやう上る春の月 堀井英子 雨月 201607
須磨寺の背山まぢかに滴れる 藤生不二男 六花 201611
秋雨に須磨の汀の昂り来 善野烺 六花 201702
列車過ぐる青葉の須磨を目交に 田中藤穂 あを 201707
須磨寺や卯の花寿司を中食に 山田六甲 六花 201807
梅雨晴の須磨霊水に口漱ぐ 山田六甲 六花 201807
糸瓜咲く須磨の細道上りけり 山田六甲 六花 201807
須磨涼し離宮の在りし日もかくや 堀井英子 雨月 201809
須磨寺に潮の香の来ぬ梅雨晴間 廣畑育子 六花 201809
山門に須磨の夏山仰ぎけり 住田千代子 六花 201809
煽るなかれ奥須磨浦の花ふぶき 山田六甲 六花 201905
薔薇満ちて亡き人偲ぶ須磨離宮 えとう樹里 201911
須磨浦の秋立つ色を波に見る 阪上多恵子 雨月 201911
夏の雲須磨浦の海囲みけり 北村ちえ子 六花 201912
波音を消す特急車須磨の月 千原叡子 ホトトギス 202002
初日出金波銀波の須磨の沖 加藤みき 202003
秋雨に須磨の浦廻のたかぶり来 善野行 聖五月 202010
一弦琴いざなふごとく須磨の月 和田照海 京鹿子 202011
子規保養せし須磨浦へ卯浪寄す 千原叡子 ホトトギス 202011
笛一管須磨にのこしぬ望の月 深川淑枝 202102
須磨琴の裏は丹塗りや花カンナ 塩貝朱千 京鹿子 202110
胸疼くほど大いなる須磨の月 笹村政子 六花 202212
春愁や小貝を拾ふ須磨の浜 延川五十昭 六花 202305

 

2023年7月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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