すかんぽ(すいば)     114句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
すかんぽや旅行の日取数えつつ 岡山道江 ひまわり 199806
すかんぽを独り噛みつつ泣けてくる 尾崎マス子 雨月 199807
すかんぽやかんのん堂はかんこどり 佐々木峻 ヒッポ千番地 199905
すかんぽを摘めば近くに母のゐて 加藤真起子 火星 199909
すかんぽを齧り吟行はじめとす 朝妻力 俳句通信 200005
すかんぽや竹帛子翁すこやかに 山田弘子 円虹 200007
すかんぽや耳朶に米粒乗るといふ 西田孝 200007
すかんぽ発の自意識過剰を抱き込んだ 山中口子 海程 200007
すかんぽを噛めばほろほろ泣けてくる 今井妙子 雨月 200008
すかんぽの日昏れぶつかる猫や雹や 小林一枝 海程 200011
ままごとの姉さん言葉酸葉摘む 託正夫 200106
すかんぽや午後をまるまる遊びたる 利根川妙子 200107
すかんぽや渡良瀬川に向く殉難碑 小林修水 春耕 200107
嵯峨草紙歯痛のごときすいばの芽 矢野千佳子 京鹿子 200108
宗鑑の句碑すかんぽの坂下りて 中原幸子 船団 200109
子の足もすかんぽかんぽ真っ直ぐに やのかよこ 船団 200110
すかんぽの語感が好きで花が好き 鎌倉喜久恵 あを 200205
すかんぽやゆらゆらと押す一輪車 溝口八重子 雲の峰 200205
すかんぽや落人墓名ひた秘むる 水谷芳子 雨月 200206
すかんぽを噛み昨日のこと去年のこと 岡本まち子 馬醉木 200208
すかんぽを折ればむかしの音のして 亀井福恵 京鹿子 200209
すかんぽやいっそ知らない振りをする 利根川妙子 200306
すかんぽに城の時鐘は幼なの日 水島夜雨 京鹿子 200307
すかんぽを手折りし道の川に尽き 糸井芳子 200307
すかんぽへもぐらの道の延びゐたり 戸栗末廣 火星 200307
すかんぽやここはむかしの渡し趾 大竹淑子 風土 200308
すいば噛み村で一番強き子ぞ 柴田佐知子 200310
すかんぽを噛めば疎開の味のせり 齊藤實 200405
すかんぽを噛みま昼間の歓喜天 中島陽華 200406
膝の上にすかんぽ置いてくれにけり 米澤光子 火星 200408
溶岩流芽吹くすかんぽ濃く強く 森理和 あを 200505
少女期のかの開墾のすかんぽ噛む 品川鈴子 ぐろっけ 200506
すかんぽを振りふりついて来る子かな 高橋将夫 星の渦 200507
山伏の墓より高き酸葉かな 青山悠 200507
磐梯へ一片の雪すかんぽ噛む 堀内一郎 あを 200507
抽んでて畦に風呼ぶすかんぽう 小島みつ代 200508
すかんぽや自惚れ知らず卑下知らず 本多通博 八千草 200508
すかんぽや空いろの声谺して 牧長幸子 対岸 200508
酸葉ロゼット枯れたる土手に育まる 渡辺玄子 酸漿 200604
すかんぽや青空映す仔牛の瞳 千手和子 馬醉木 200605
川土手に競ひて摘める酸葉かな 荻原麗子 酸漿 200607
すかんぽや入疎らなる河川敷 徳田正樹 河鹿 200607
すかんぽに瀬音やさしき流れかな 長沼紫紅 200607
友を待つすかんぽの道ゆききして 内藤順子 酸漿 200608
国上山酸葉のつかれ濃くなりぬ 深澤鱶 火星 200609
すかんぽや暗がり抜けてゐる記憶 滝沢環 京鹿子 200610
すかんぽの芽に雨の無き寒十日 永田二三子 酸漿 200705
酸葉噛みむかし記憶の野路辿る 岡淑子 雨月 200707
花すいば折れば音して旅はるか 伊藤奈津 200709
すかんぽの酸いを好みし母なりし 鎌倉喜久恵 あを 200804
老僧の電動で来るすかんぽう 佐藤山人 200806
すかんぽを跨いで岸へ測量士 吉沢陽子 200806
すかんぽを手折りて五欲さみしめり 深澤鱶 火星 200807
すかんぽを噛みつつ渡る天井川 中川すみ子 200807
すかんぽの花の裏くる賀茂祭 深澤鱶 火星 200808
すかんぽを噛み噛み峠越えにけり 滝沢伊代次 万象 200903
すかんぽや記憶のなかの父と母 鈴鹿仁 京鹿子 200905
すかんぽに雲の明るさ軽さかな 怱那みさ子 やぶれ傘 200906
すかんぽの酸つぱさ舌に確かむる 靜寿美子 ぐろっけ 200907
すかんぽや背中流してくれにけり 大山里 200907
すかんぽやさりげなく来る嫁探し 佐藤山人 200907
すかんぽや還ることなき特攻機 櫻井白扇 春燈 200908
すかんぽやどこかへ帰りたき日暮 水野恒彦 200908
すかんぽや筋を通せば生きにくし あさなが捷 200910
すかんぽを噛みては白き雲の下 大島英昭 やぶれ傘 201007
すかんぽや岸辺伝ひに鶴の影 根橋宏次 やぶれ傘 201007
すかんぽのうす紅ありて暮なづむ 大澤洋子 酸漿 201007
城壁の隙間すかんぽ丈伸ばす 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201008
六連銭の旗たんぽぽやすかんぽや 大島翠木 201008
すかんぽや遊ぶ約束思ひ出し 芳賀清美 201008
すかんぽの穂を立てし坂玄関へ 阿部ひろし 酸漿 201008
すかんぽやもぬけとなりしナフタリン 谷村幸子 201009
すかんぽやさびしき言葉雲となる 服部郁史 京鹿子 201104
十字彫り夜泣き祠にすかんぽ伸び 品川鈴子 ぐろっけ 201105
巡礼の途中のやうに酸葉噛む 竹内弘子 あを 201105
すかんぽのいまもすつぱし姉妹 だいじみどり 201107
この先に笑ひ仏や酸葉噛む 今中道子 201108
すかんぽや濠の土手行く縄電車 中島霞 ぐろっけ 201108
すかんぽや道に大きな水たまり 海村禮@子 春燈 201206
すかんぽや魚箱干しある外流し 井村和子 風花 201206
すかんぽや遠き思ひ出おままごと 山荘慶子 あを 201206
すかんぽに斜めの雨や淀堤 森脇貞子 雨月 201207
すかんぽを噛めば昔の山河見ゆ 藤岡紫水 京鹿子 201207
すかんぽや国破れたる少年期 川井秀夫 ろんど 201208
すかんぽの風の青さや脇本陣 和田照海 京鹿子 201208
すかんぽの花穂の四方に吹かれをり 椿和枝 201208
酸葉の穂夜は妖しき炎なる 細野恵久 ぐろっけ 201305
渡良瀬のすかんぽ折るか折るまいか 亀田やす子 ははのこゑ 201306
すかんぽや故郷に捨てし恋の疵 久保久子 湖心 201402
すかんぽや村の鳥居は小さくて 樋口みのぶ 201405
すかんぽや見えゐる魚の糸垂らし 戸栗末廣 201405
ぽんと音たててすかんぽ折られけり 柴田志津子 201407
すかんぽやおとうと兄の真似ばかり 山内碧 201407
すかんぽの原といふほかないほどに 渡邊孝彦 やぶれ傘 201407
すかんぽに音の生まるる宇陀郡 西田孝 ろんど 201407
すかんぽやぽんと竪穴ありにけり 奥田筆子 京鹿子 201409
すかんぽを揺らし堤を駆け抜ける 鎌田光恵 201507
すかんぽやリトマス試験紙青となる 山田正子 201607
すかんぽや下校の列に折られたり 秋川泉 あを 201607
すかんぽの穴の向かふに子供の日 笠井敦子 201608
すかんぽの花の色ほど紅刷かむ 山本久江 201608
酸葉かむ子の口元がすぼまれり 秋川泉 あを 201707
すかんぽの遠き山河を呼び寄せて 滝沢いみ子 末黒野 201708
夕暮の雲流れだす酸葉かな 樋口みのぶ 201708
すかんぽを噛めばおつとり牛の声 小山田子鬼 201710
すかんぽや人には告げぬ愁ひもち 沼田巴字 京鹿子 201805
スカンポをふふみて酸つぱ草サラダ 辻響子 201806
すかんぽや川幅に水滔滔と 加藤みき 201807
すかんぽを噛んでは風の品定め 原ゆき 船団 201811
老骨と思ひ思はれ酸葉噛む 亀田虎童子 202006
すかんぽやとんがつてみるガキ大将 佐藤千恵 京鹿子 202106
雨上がり酸葉を揺らし車過ぐ 渡邊孝彦 やぶれ傘 202206
すかんぽや子等の歩みの遅々として 今村千年 末黒野 202206
ウオーキングさなかの渇き酸葉吸ふ 眞田忠雄 やぶれ傘 202208

 

2023年4月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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