水中花 3       200句

水中花菊も牡丹も同じ色   長谷川かな女   川の灯

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夢見るは罪とはならず水中花 小林朱夏 201007
したたかに酔うて水中花に戯るる ことり 六花 201007
麻酔さめ確とこの世の水中花 田辺博充 201008
水中花遊び友だち偲ぶとき 小黒加支 酸奬 201008
眠られぬ夜を生き生きと水中花 増田一代 201009
バレリーナを夢みる少女水中花 森下康子 201009
泡一つ吐きて生き生き水中花 塩路五郎 201009
水中花夢に入りたるごとく立つ 水野恒彦 201009
不老不死開ききつたる水中花 中野京子 201009
乾盃の氷片わかち水中花 八染藍子 201009
花ならば風に揺れたし水中花 千坂美津恵 201009
水中花おはじき色の海暮るる 割田容子 春燈 201009
単純な色にひらきし水中花 柴田佐知子 201009
夜の窓に横顔のあり水中花 高倉和子 201009
ひもすがら外をみてゐる水中花 佐藤喜孝 あを 201009
水中花生れつゝあり玻璃の中 鎌倉喜久恵 あを 201009
歌舞伎座にラインダンスの水中花 池田加寿子 201010
身じろぎをしたき刻あり水中花 阪本哲弘 201010
水注いで立たせてもらひ水中花 太田寛郎 201011
記者室の男臭さよ水中花 久保東海司 201011
水中花のぞくをんなの片えくぼ 橋本正二 201011
とある店とある女の水中花 島谷征良 風土 201011
眠られぬ夜の水中花うとましき 中条さゆり 201011
好きな色みんな集めし水中花 亀井紀子 201012
水中花懸想ごころがあぶくほど 田岡千章 201012
水中花薄き俳誌に佳句のあり 小泉欣也 ろんど 201012
猫嫌ひ猫好きに嫁し水中花 笹村政子 初鼓 201105
死んでゐるいや生きてゐる水中花 布川直幸 201106
水中花九鬼の旧宅下段の間 長谷川鮎 ぐろっけ 201106
山荘の卓に一瓶水中花 水原春郎 馬醉木 201108
ある筈もなき胸中の水中花 大島翠木 201108
人の輪の遠くにありて水中花 割田容子 春燈 201109
水中花生死のなきはあきたらず 中野さき江 春燈 201109
真夜中やこの世の端に水中花 柴田佐知子 201109
水中花は退屈な花雨続く 清海信子 末黒野 201109
夜遊びに出かける前の水中花 佐藤喜孝 あを 201109
諍ひのあとのむなしさ水中花 鈴木一三 末黒野 201110
水中花東京ガールズコレクション 辻美奈子 201110
自由てふ不自由のあり水中花 七田文子 201110
置きかへて沖の展けし水中花 戸栗末廣 火星 201110
誰言ふとなく引き寄する水中花 岡田愛子 京鹿子 201110
在ればきつと叱つてくるる水中花 コ田千鶴子 花の翼 201111
水中の余りなきほど水中花 荒井千佐代 201111
飛び込んで私は湖の水中花 いそべみつ ろんど 201111
御簾内は深き湖底や水中花 土居通子 ろんど 201111
水中花水に心を開き初む 史あかり ぐろっけ 201111
一人てふ不思議な安堵水中花 鷹崎由未子 花野 201112
水中花咲かせ塵労癒すべし 松橋利雄 光陰 201203
死にたいと幾たびもらす水中花 石川笙児 馬込百坂 201206
水中花一人の刻を楽しめり 塩千恵子 201208
近道は無きものと知る水中花 牧野慶 ろんど 201208
病室にところを得たる水中花 亀井紀子 201209
老ゆること忘れてゐたり水中花 塩千恵子 201209
何の苦も無きことが苦よ水中花 塩千恵子 201209
水中花変らぬ色を羨みて 柴田靖子 201209
きれいごとばかり並べて水中花 花田心作 201209
家ごもりする体調や水中花 中山純子 万象 201209
水中花男の寡黙美しき 塩路五郎 201210
水中花湖底のやうな喫茶店 宮井知英 201210
水中花睡りつづける母見舞ふ 河口仁志 201210
そこはかとなく揺らしみる水中花 河内桜人 京鹿子 201210
校長が水足してをり水中花 柴田久子 風土 201210
蝶来ぬは哀しからんや水中花 甕秀麿 201210
己が性忘るるまじと水中花 平居澪子 六花 201210
水中花すべて昔の話なり 藤田素子 火星 201210
左から見る君の顔水中花 高野春子 京鹿子 201211
囲はれて愛されなくて水中花 山口ひろよ 201212
余生には余生の月日水中花 和田照海 京鹿子 201301
水中花水に居ること忘じをり 神田恵琳 跫音 201303
水中花夢寐に入つてしまひたる 水野恒彦 夢寐 201306
水といふ透明な檻水中花 望月晴美 201310
眼鏡屋のレンズ水いろ水中花 杉浦典子 火星 201310
藍色の夢ばかりなり水中花 高野春子 京鹿子 201310
水中花海へ向けたるとき開く 戸栗末廣 201310
水中花眠れぬ夜の聞き上手 涌羅由美 ホトトギス 201311
戰争で明るい地球水中花 佐藤喜孝 あを 201311
水中花何んの花とも知れす咲く 瀧春一 花石榴 201312
水中花子役の楽屋にぎやかに 瀧春一 花石榴 201312
水中花なども盆供の中にあり 瀧春一 花石榴 201312
真夜中の巡回一度水中花 宮路久子 201401
存外にす早く咲けり水中花 西村節子 火星 201408
水中花かすかな揺れを伝へけり 横山さくら 春燈 201408
議論いつ次元違へし水中花 田所節子 201408
身軽さの裏の空しさ水中花 岡真紗子 201408
臨終は人の掌の中水中花 黒澤登美枝 201408
門限は破るためあり水中花 千田百里 201408
いつときを歓声浴びる水中花 黒澤登美枝 201408
仮住ひ机上なるかな水中花 黒澤登美枝 201408
泡として消えたきときも水中花 山下潤子 201409
地下街のきらめきの中水中花 伊東和子 201410
巻貝の渦を根元に水中花 片田きく 201410
復興待つ仮設の家の水中花 河口仁志 201410
また元の話に戻り水中花 竹由ひろ子 ろんど 201411
猫の目の大きくなりし水中花 苑実耶 201411
開き切るまでのときめき水中花 久保東海司 201411
心根を思うてゐたり水中花 熊川暁子 201411
水吸ひて水の澄明水中花 飛高隆夫 万象 201411
水中花捨つるべき時失ひて 飛高隆夫 万象 201501
水中花早く帰ると言ったのに 中谷三干子 船団 201502
夜更けまで鉦鳴る町に水中花 栗原京子 201503
ときめきを忘れてゐたり水中花 寺田すず江 明日葉 201505
正しくは届かぬ話水中花 長谷川翠 馬醉木 201507
うつし世は仮住ひとも水中花 徳田千鶴子 馬醉木 201509
水にもらふ色あざやかに水中花 棚橋朗 201509
友見舞ふグラスに開く水中花 城詰操 万象 201509
水中花少し寄せおき机拭く 山田六甲 六花 201509
葛飾の雨に買ひたる水中花 箕輪カオル 201509
ゆらめきて水ゆらめきて水中花 山田天 雨月 201509
水中花ひと日の疲れ身に溜り 一民江 馬醉木 201510
浮きたがるコップの中の水中花 山田正子 201510
水中花時々修羅のこゑあげぬ 柴田久子 風土 201510
夢見なくなれば晩年水中花 竪山道助 風土 201510
一途とはかなしきものよ水中花 望月晴美 201510
会報の幽霊会員水中花 中田禎子 201510
水中花水に開きて水の花 玉置かよ子 雨月 201510
留守番の昼を眠たき水中花 栗山恵子 雨月 201510
水中花乱れ勝ちなる己が居間 高橋照子 雨月 201510
水中花この世へ吐息二つ三つ 嶋崎豊子 雨月 201510
高熱の夫の寝息や水中花 笹村政子 六花 201510
水中花静か静かな世界なり 森山あつ子 六花 201510
打ち水を始めし午後や水中花 森山あつ子 六花 201510
水中花額寄せ合ふ姉妹 森山あつ子 六花 201510
水中花咲かせ宇宙の片隅で 森山あつ子 六花 201510
鮮やかに色放ちたる水中花 森山あつ子 六花 201510
病む人の眩しみゐたる水中花 永田万年青 六花 201510
水中花憂き事しばし忘れけり 永田万年青 六花 201510
色褪せてしまふのは嫌水中花 升田ヤス子 六花 201510
水中花たゆたふてゐる夜明かな 升田ヤス子 六花 201510
乙姫に溺れてみるか水中花 延川五十昭 六花 201510
向こうから君の瞳や水中花 延川五十昭 六花 201510
雨音の激しき夜の水中花 延川笙子 六花 201510
水中花に背中をむけて着がへけり 鈴木直充 春燈 201510
哀しめば頷き返す水中花 高橋和女 春燈 201510
自らは打てぬ終止符水中花 卜部黎子 春燈 201510
泡一つ溜息つくや水中花 池田節 春燈 201510
水中花開き切るときみな笑まふ 井上浩一郎 ホトトギス 201511
水中花何処から見ても真正面 前田美恵子 201511
水中花息継ぐやうに泡ひとつ 松原智津子 万象 201511
仏壇の隅に置かれし水中花 瀬島洒望 やぶれ傘 201511
原因はつまらないこと水中花 谷口一献 六花 201511
水中花ワイン一滴落としけり 谷口一献 六花 201511
頬濡らし鳴呼水中花きつと愛 谷口一献 六花 201511
淑やかに縺れてをりし水中花 谷口一献 六花 201511
水中花に水やり過ぎてふことはなし 谷口一献 六花 201511
水中花たれも居ぬとき息吐きぬ 荒井千佐代 201511
記者室のをとこ臭さよ水中花 久保東海司 風鈴 201512
寝つかれぬ闇を泡して水中花 森田尚宏 201511
飼ふごとく水替へてをり水中花 奥名房子 201602
友の訃や泡一つ吐く水中花 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
友の訃や泡一つ吐く水中花 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
縁側に和む父子や水中花 栗山よし子 馬醉木 201608
客を待つ暖簾・福助・水中花 林昭太郎 201608
点滅の留守番電話水中花 楠原幹子 201608
水中花ノンアルコールを酌み交はし 栗原公子 201608
水中花花気だるき声の研ナオコ 宮ア高根 201609
はげましの時には重荷水中花 窪田粧子 馬醉木 201609
心なき言葉戻らず水中花 小泉三枝 春燈 201609
一片の陰りも持たず水中花 門伝史会 風土 201609
一途とは淋しさもあり水中花 望月晴美 201609
髪切つて己はげます水中花 渡部良子 馬醉木 201610
光りつつ水含みゆく水中花 安藤久美子 やぶれ傘 201610
頷づかるばかりの母や水中花 池村禎子 京鹿子 201610
誰がために存在つくす水中花 山崎靖子 201610
水中花いつしか恋に遠くなり 田代貞香 201611
バーテンの訥弁が良し水中花 是松三雄 末黒野 201611
句は成らず水中花ちょと揺らしみる 隅田恵子 雨月 201612
水中花咲きて眠れぬ花となり 七種年男 輪中の空 201612
後期高齢水に飽きたる水中花 木戸渥子 京鹿子 201709
うたた寝の視界の中の水中花 笹村政子 六花 201709
掌中の珠と愛でをり水中花 秋葉雅治 201709
アナタノ過去シリタイデスネ水中花 甕秀麿 201709
退屈の色に開きて水中花 永淵惠子 201709
開き切りやがて虚しき水中花 岩月優美子 201710
いくつもの息つなぎ合う水中花 河西志帆 京鹿子 201710
何もかも見られてゐたる水中花 赤松赤彦 六花 201710
震度一有りしと覚ゆ水中花 谷口一献 六花 201710
震度一有りしと覚ゆ水中花 谷口一献 六花 201710
一日を微恙かこつや水中花 岡田史方 末黒野 201710
水中花褪せたる色の喫茶店 加藤タミ 末黒野 201710
現し世のしがらみ知らず水中花 安野眞澄 201711
まだぬくみある言の葉よ水中花 加藤峰子 201711
留守勝ちの村の駐在水中花 尾崎みつ子 雨月 201711
水中花手足重たくなりにけり 竹内弘子 あを 201805
水中花恋の水泡ののぼりつぐ 竹内弘子 あを 201805
水中花咲きつづくるは哀しきと 江島照美 201809
マスターの今日も不機嫌水中花 豊谷ゆき江 春燈 201809
やさしさの嘘を通しぬ水中花 高村令子 風土 201810
地下街や昼のカフェの水中花 土井三乙 風土 201810
しばらくはいのちの色を水中花 宮崎紗伎 春燈 201811
地震去りぬ泡ひとつぶに水中花 田岡千章 201812
爪半月なき爪先や水中花 近藤紀子 201908
現し世の波風知らぬ水中花 犬塚李里子 201908
抽斗に仕舞ふ愁ひや水中花 森清信子 末黒野 201909
独り身の気ままな暮し水中花 東木洋子 春燈 201909
真夜の灯に疲れを見せず水中花 松本三千夫 末黒野 201910
一病の行きどころなし水中花 黒滝志麻子 末黒野 201910
来し方に付箋はひとつ水中花 和田照海 京鹿子 201910
睡れざる吾に水中花の泡ひとつ 小坂優美子 馬醉木 201911
水中花グラスに咲いてゐる孤独 熊川暁子 201911
水中花耳遠ければほほゑんで 小形博子 201911
夢ごこち泡ひとつ抱く水中花 鷺山珀眉 京鹿子 201911
水中花昨日今日又明日かな 佐藤恭子 あを 202004
水中花嘘とまことの思ひやり 鈴鹿呂仁 京鹿子 202008
箸置きを変へて朝食水中花 江口恵子 やぶれ傘 202009
水中花磨き切れざる脳の錆 石原孝人 京鹿子 202009
水中花昭和の底の純喫茶 森村江風 202009
句作りは真夜中が好き水中花 谷口一献 六花 202009
色褪せぬ青き花びら水中花 善野行 六花 202010
吐息つく赤きヒールや水中花 山浦紀子 春燈 202011
真夜の閑ナースは光る水中花 安田優歌 京鹿子 202011
感情のもつれなどなき水中花 菊池和子 京鹿子 202011
水中花にも新しき朝の来て 天谷翔子 202101
水中花にも枯れ色といふ矜持 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
ロザリオの玄義に揺るる水中花 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
水中花泡放ちて朽ちゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
咲き継げぬ水中花さきつづけゐる 富川明子 202107
臨終のつぶやき幾つ水中花 沼田巴字 京鹿子 202107
水中花 →4

 

2022年7月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。