双 六     123句

酒ではげたるあたま成覽   曲水
双六の目をのぞくまで暮かゝり   翁

作品
作者
掲載誌
掲載年月
双六の賽をふりけり設計図 稲畑汀子 ホトトギス 199812
絵双六宇宙遊泳して上る 山田弘子 円虹 199902
出世双六夫と子順風満帆に 村井久美子 199903
後戻りあともどりして絵双六 田畑美穂女 ホトトギス 199905
雙六や浮世を離れゐるごとく 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
考への行つたり来たり絵双六 稲畑汀子 ホトトギス 200001
双六の川留めに遭ふ大井川 當麻幸子 雲の峰 200003
双六の畳み癖めき父をるや 柳生正名 海程 200105
双六も囲碁も持て来し遣唐使 松崎鉄之介 200201
すごろくのやうな旅なりみやこ鳥 佐藤喜孝 あを 200202
雙六の海傾けて收ひけり 佐藤喜孝 あを 200202
古稀過ぎて知る双六の面白さ 大牧広 200203
振出しに戻るも勇気絵双六 毛利慶子 200211
双六や昔の旅に従へり 稲畑汀子 ホトトギス 200211
絵双六かこむ十二の膝がしら 鷹羽狩行 200301
双六や美しき絵の落し穴 長山あや 円虹 200304
振り出しに戻せぬこの世絵双六 中尾杏子 200403
博才といふはここにも絵双六 田丸千種 ホトトギス 200405
双六の結果のあとを引いてをり 田丸千種 ホトトギス 200405
盲妻の道中双六上りたる 平尾圭太 ホトトギス 200405
振出しに戻れぬ妻の絵双六 平尾圭太 ホトトギス 200405
傘寿まで一歩届かず絵双六 平尾圭太 ホトトギス 200405
にこにこと母は片方に絵双六 藤崎美恵 ホトトギス 200405
双六を競ふ戦国武将めき 山下美典 ホトトギス 200405
双六に畳の部屋が適ふもの 山下美典 ホトトギス 200405
絵双六休み取る訳読み休む 松井秋尚 ホトトギス 200405
出て欲しくない賽ばかり絵双六 松井秋尚 ホトトギス 200405
浮世てふ流転に遊び絵双六 岡田順子 ホトトギス 200405
双六の去年の折目正しけり 稲垣美枝子 ホトトギス 200405
双六の正座の尻の落ち付かず 稲垣美枝子 ホトトギス 200405
双六に明治の母も乗り出して 松本松魚 ホトトギス 200405
双六といふじれつたき遊びかな 三浦いつ子 ホトトギス 200405
このところ理解むつかし絵双六 三浦いつ子 ホトトギス 200405
双六の上りはいつも時間ぎれ 三浦いつ子 ホトトギス 200405
双六や去年もいろいろありました 稲畑廣太郎 ホトトギス 200412
双六やそろそろ余生てふ二文字 稲畑廣太郎 ホトトギス 200412
双六に彼女の性を見てしまふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200412
まことの世にも似て非なり絵双六 稲畑汀子 ホトトギス 200501
箱根の嶮漸く越ゆる絵双六 大島寛治 雨月 200504
双六もいろは歌留多も上がりは京 宮地れい子 春燈 200504
一生の如きひととせ絵双六 横松しげる 遠嶺 200504
双六や足を組むくせ揺らす癖 加藤峰子 200504
双六や上がれば座より追はれたる 小林朱夏 200602
双六をひろげて淋し賽一つ 久保田万太郎 春燈 200603
水飲んで浄土双六ひろげたり 延広禎一 200603
絵すごろく百パーセント人は死ぬ 篠田純子 あを 200603
ばかばかしき程の幸せ絵双六 岩崎慶子 200605
目を背けたきもの地震絵双六 後藤比奈夫 ホトトギス 200606
双六で終の地めぐる顔よせて 宮島宏子 200703
振り出しに戻さる子との絵双六 木暮剛平 万象 200704
双六の鬼の目玉にすきま風 浜口高子 火星 200704
双六を上がつてしまひたるやうな 井上浩一郎 ホトトギス 200705
双六の賽の勢ひ余りけり 稲畑汀子 ほととぎす 200801
双六の世界一周又上がり 上原朝子 200804
双六のひと振りで着く富士の山 貝森光大 六花 200804
やり直し出来る人生絵双六 新井久男 200805
賽の目は打出の小槌絵双六 山口透 ぐろっけ 200805
双六で巡る列島乱気流 森下康子 200903
父母ともに長寿の家系絵双六 水原春郎 馬醉木 200903
六の目に前途洋々絵双六 水上れんげ 200903
アニメの名子に教はりつ絵双六 舛田初惠 酸漿 200903
双六や見込み違ひをしてゐたる 石脇みはる 200904
絵双六休みやすみて上りけり 冨松寛子 200904
倫敦も巴里もとつくに絵双六 吉村はづき 炎環 200904
笄は母の駒なり絵双六 深澤鱶 火星 200904
振り出しはお江戸日本橋絵双六 増田甚平 ろんど 201004
振り出しに戻れぬ病絵双六 松嶋一洋 201004
双六を上がれずにゐるそぞろ神 高橋将夫 201101
丹後から京へ上りぬ絵双六 白数康弘 火星 201101
双六のひと飛び越しに上りたし 川崎良平 雨月 201103
住み慣れし京あがりてふ絵双六 安原葉 ホトトギス 201106
まつしぐら出世街道絵双六 河野美奇 ホトトギス 201106
泣き虫も勝気も一緒絵双六 河野美奇 ホトトギス 201106
双六の花の都へあと少し 木村享史 ホトトギス 201107
双六の早々上り所在なく 稲畑汀子 ホトトギス 201201
双六の折目伸ばして賽を振る 稲畑汀子 ホトトギス 201201
双六に足止めといふ難所あり 稲畑汀子 ホトトギス 201201
双六や又人生のあともどり 稲畑汀子 ホトトギス 201201
相撲双六横綱に跳ね返されて 大橋晄 雨月 201203
双六の上がり晩年の無策なり 相澤和子 ろんど 201204
双六や命を賭けた恋もして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201210
双六や虚々実々の世に生きて 稲畑汀子 ホトトギス 201301
抜け駆けを見破られたり絵双六 山田六甲 六花 201301
旅立ちは千住でありぬ絵双六 安居正浩 201303
双六の賽の軽さに身を預く 有松洋子 201304
双六の六を折り目の雛が止む 丸井巴水 京鹿子 201304
双六のまだ上がること許されず 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
双六や上りは蜜柑落花生 瀧春一 花石榴 201312
双六は人生よりも確かなり 高橋将夫 201401
変遷のわたしとあなた絵双六 山田六甲 六花 201401
双六の賽を息もて言ひ聞かす 山田六甲 六花 201401
口々に駒進めたり絵双六 本西一代 201403
雙六の途中はたのし上りけり 佐藤喜孝 あを 201404
雙六の上りのやうに浮寢鳥 佐藤喜孝 あを 201412
楽隠居またふりだしに絵双六 山田六甲 六花 201501
振出しに戻れぬ現世絵双六 小松誠一 201503
先を急ぐ旅でありけり絵双六 松田明子 201506
双六を振るたび数ふ声揃へ 安部和子 雨月 201603
振り直しきかぬ人の世絵双六 藤岡紫水 京鹿子 201704
白山に古道数多や絵双六 麻田優香子 馬醉木 201704
絵双六休んでみたき宿ひとつ 松田明子 201706
川止めに遭ひてとどまる絵双六 松田明子 201706
双六やあの頃はあの頃のこと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
振り出しにまた一年の絵双六 佐藤淑子 雨月 201802
広重の富士はみ出せる絵双六 和田華凛 ホトトギス 201806
双六や一人天下をとりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201901
双六や一足早く旅に出る 稲畑汀子 ホトトギス 201901
寄道のなき双六のつまらなく 稲畑汀子 ホトトギス 201901
双六を広げてひとり句を案ず 後藤比奈夫 ホトトギス 201904
一番にあがるは淋し絵双六 住田千代子 六花 201904
筆づかひやさし呉春の絵双六 和田華凛 ホトトギス 201906
ムスメ双六アガリ花嫁昭和館 篠田純子 201907
双六に高飛びのありクルマ売り 七郎衛門吉保 あを 202003
上がりなき人生双六道祖神 平野多聞 202004
絵双六浮世絵美人の細面 荒井慈 春燈 202004
双六の上がりの後の散歩道 和田芳明 船団 202006
絵双六折目のテープも色褪せし 秋千晴 202007
双六の骰は茶碗を鳴らしけり 山田六甲 六花 202101
まじなひを一言賽に絵双六 住田千代子 六花 202104
絵双六大泣きの子の負戦 伊藤美緒 末黒野 202104
双六の上がりのやうに逝かれけり 角野良生 202108
双六の折り目に賽のつまづきて 山崎貴子 ホトトギス 202205

 

2023年1月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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