爽 籟       105句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
爽籟や恋へと広ぐ能衣 小澤克己 遠嶺 199811
爽籟や昼の闇おく戒壇院 朝妻力 俳句通信 199910
かくれみのの樹下爽籟に面あげ 大橋敦子 雨月 199910
爽籟や郵便どさり来てをりぬ 金國久子 遠嶺 199912
爽籟や龍馬で終る土佐の旅 松崎鉄之介 200001
爽籟や庭をななめに小柴垣 朝妻力 俳句通信 200010
爽籟に座す風垢離といふもあり ならぶ真希 200012
爽籟や飛騨の匠の鉋屑 水谷契江 六花 200101
爽籟や女人きりりと舞ひ納む 大柳篤子 俳句通信 200111
爽籟や琴の音ひびく大伽藍 広瀬敏子 酸漿 200112
爽籟のはるかに潮目耀へり 北吉裕子 雲の峰 200112
爽籟や遥かな嶺に置く眼 稲辺美津 遠嶺 200201
爽籟や撞木斜めに減りてをり 谷上佳那 百鳥 200201
爽籟や其の人だけを見てゐたり 関薫子 百鳥 200201
爽籟やわが合掌に亡母の声 林和子 200202
オール掲げて爽籟の貝殻道 北川英子 200211
爽籟やぴりりと辛き薬膳粥 黄川田美千穂 200212
爽籟や版画の中の又三郎 大谷茂 遠嶺 200212
爽籟は客寄せの声油市跡 小林玲子 ぐろっけ 200212
一山の爽籟呼ばむ鐘を撞き 池田倶子 雨月 200302
旱鍼(かんしん)盤アラビア海の爽籟秘む 松崎鉄之介 200302
爽籟や社を出でし笙の音 砂川せい輝 遠嶺 200302
爽籟や素読の一と日となりにけり 安西静 帆船 200310
爽籟や羽を廻して発電す 篠田純子 あを 200312
爽籟や青きのれんの象牙店 佐々木よし子 200402
爽籟や一キロ入のアスピリン 須佐薫子 帆船 200410
師の葬へ乃木坂界隈爽籟(さうらい)す 淵脇護 河鹿 200411
新しき耳に爽籟囁けり 瀬下るか 200412
爽籟やさざ波たたむ魞の袖 長沼冨久子 馬醉木 200412
爽籟や如来の膝の薬壺 岩井泉樹 春燈 200501
爽籟や行往坐臥に明け暮れて 落合由季女 雨月 200502
爽籟や討死は吉良家小姓にも 鈴木榮子 春燈 200511
爽籟や声かけて人急ぎ行く 近藤てるよ 酸漿 200601
爽籟や山居倉庫の板庇 佐野静子 遠嶺 200601
爽籟に藻びかり著き南湖かな 能村研三 200610
爽籟や洗濯物の乾く音 木村茂登子 あを 200611
松風の一念一途爽籟す 小澤克己 遠嶺 200611
爽籟や古城に残る火縄銃 浜田はるみ 遠嶺 200612
爽籟や千切れさうなる銀細工 祐森彌香 遠嶺 200612
爽籟や翁媼の手をとりて 西山浅彦 春燈 200612
爽籟や手水鉢の柄杓整列し 山田智子 200612
爽籟やメソポタミアの香油瓶 橋本良子 遠嶺 200701
爽籟やユングフラウに真向へば 金山藤之助 200801
爽籟や思索にふける孔子像 久本久美子 春燈 200811
爽籟を聴かむと丘に佇める 塩路五郎 200812
爽籟に総身するりと委ねけり 北川とも子 ぐろっけ 200901
爽籟や披かる句碑にひざまづき 味村志津子 雨月 200902
爽籟は木々のコーラス登山道 宮入河童 200912
爽籟や水の中より水の湧き 山田京子 200912
爽籟や朱の回廊の御霊殿 山口キミコ 200912
爽籟の発ちたるところ水琴窟 田中一美 ろんど 201001
爽籟や一直線に亀並ぶ 橋本良子 遠嶺 201001
爽籟や幣あたらしき神の杉 黒滝志麻子 末黒野 201001
古代土器爽籟みほふ「国」の文字 上田玲子 201010
爽籟や門に阿吽の仁王像 木村茂登子 あを 201012
爽籟や動輪はわが背丈越す 上原重一 201012
爽籟にしばらく寝かす麺麭の素地 風間史子 201101
爽籟の甘樫の丘去り難し 石黒興平 末黒野 201104
爽籟や西暦換算素早かり 能村研三 201110
爽籟や燃える入り日に明日託す 長崎桂子 あを 201112
夫眠る山の爽籟聞くべかり 椋本一子 雨月 201201
爽籟や勇みて結ぶ靴のひも 岡野里子 末黒野 201204
爽籟を生む松林の売地なる 小川玉泉 末黒野 201211
爽籟や紙で編みあぐパンの籠 荒井千瑳子 201212
爽籟や松の奥処に蜑ヶ宮 大竹淑子 風土 201212
爽籟や乳白色の女神像 福島松子 ぐろっけ 201301
鬼岳の爽籟天へ広ごりぬ 大竹淑子 風土 201301
爽籟やいく磴登る那智大社 坂根宏子 201301
爽籟の通奏低音夕の鐘 中野京子 201302
爽籟や今にも空へ舞へさうな ことり 六花 201311
爽籟に目を閉ぢ足を止めにけり ことり 六花 201311
爽籟や敦盛直実倶会一処 有本惠美子 ろんど 201312
爽籟を聞く叡山の杉木立 片岡良子 雨月 201401
爽籟や空へ帆を張る日本丸 岡野里子 末黒野 201401
爽籟や太洋望む先師句碑 手島靖一 馬醉木 201412
爽籟や旅愁を束ね発つ巨船 小野恵美子 馬醉木 201412
爽籟や百念仏の念珠繰り 辻知代子 201412
爽籟の掠めて行けり前頭葉 犬塚李里子 201511
爽籟の高さに白きマリア像 白水良子 201602
爽籟の沖へ刻つげ風見鶏 藤代康明 201611
爽籟や染めの濁りをすすぐ水 吉武美子 201612
爽籟や行基の寺のいろは歌 柳橋繁子 201711
爽籟やチロル・銚屢の韻き似て 千田百里 201711
爽籟や一途に募る旅ごころ 秋葉雅治 201711
序の舞の笛爽籟とひびきけり 高橋たか子 馬醉木 201712
爽籟や異国語まじる弁財天 山下健治 春燈 201811
爽籟や千年樟に歌神に 西村操 雨月 201901
爽籟や斑鳩の塔支ふ邪鬼 西村操 雨月 201901
裏山の爽籟朝の窓ひらく 片山喜久子 雨月 201901
爽籟や歌神の碑の水茎に 山田夏子 雨月 201902
爽籟や銀髪にぎやかに殖えて 千田百里 201910
爽籟や果物ナイフ手に馴染む おーたえつこ 201912
爽籟の木椅子に時を委ねけり 住田千代子 六花 202001
爽籟の白神の森ほの暗し 山岸明子 202001
爽籟や群れて動かぬ牧の牛 岩永みはる 追伸 202003
爽籟やマストの見ゆるレストラン 今村千年 末黒野 202012
絶巓の爽籟に出でしぶく水 善野行 六花 202101
爽籟にふたたび広ぐ寺の絵図 住田千代子 六花 202101
耿然と朝爽籟の散歩道 五十畑悦雄 202111
爽籟や大奥ありし江戸城址 山本泰人 春燈 202112
爽籟や牧水歌碑の松林 望月郁江 春燈 202112
爽籟や逆さ櫓の揺れあへる 升田ヤス子 六花 202202

 

2022年8月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。