走馬燈     163句

鯨また廻りきたりし走馬燈    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
走馬燈余生といふも遠回り
甲富代
199809
夕草の青の激しさ走馬燈
岡本眸
199810
火を入れて母の匂ひの走馬灯
鷹羽狩行
199811
自力なむどこ吹く風の走馬灯
渡辺純
京鹿子
199812
こころして影を放てよ走馬燈
中原道夫
銀化
199909
走馬燈一度は見たき己れの背
千田百里
巴里発
199911
しあはせに回りはじめし走馬灯
鷹羽狩行
199912

岬雪夫氏の句碑

(幸すこし不幸をすこし走馬灯)

建立を祝して

一劫年前の約束走馬灯
市川伊團次
六花
199912
不忍池の隅にて売られ走馬燈
田中藤穂
水瓶座
200002
ちちははに背きしことも走馬灯
鈴木ミヨコ
200002
走馬燈つぎつぎ用の生れ来て
山本潤子
いろり
200008
走馬燈父母の齢になほ遠し
水原春郎
馬醉木
200009
走馬燈太く短き生なりき
水原春郎
馬醉木
200009
徳田榮之君新盆
ささやかな希望に生きて走馬燈
友岡咲子
いろり
200009
祭壇の見慣れし笑顔走馬燈
市橋章子
ぐろっけ
200010
追ひかけて母はむらさき走馬灯
稲見光
船団
200102
ちちははのもう揃はざる走馬燈
佐藤博美
200108
走馬灯回れば過去の近づきぬ
稲畑廣太郎
ホトトギス
200108
走馬灯母に会ひたく灯し寝る
渡邉友七
あを
200108
走馬灯声なきものら来てあそぶ
石田邦子
祭笛
200109
父の手を引くときの来し走馬燈
渡辺知美
銀化
200110
走馬燈蝋燭の火が見えてゐる
木曽岳風子
六花
200111
考への堂々巡り走馬燈
池崎り子
六花
200111
その中の一花欠けたる走馬燈
浜麻衣子
六花
200111
シャガールの女そのほか走馬燈
浜麻衣子
六花
200111
走馬燈吹き消す息の鳴りにけり
岡本眸
200112
山に住み海に廻りて走馬燈
嶋田一歩
ホトトギス
200201
走馬燈女ばかりが出て消える
後藤立夫
ホトトギス
200201
夜ふかしの好きさうな絵の走馬燈
後藤立夫
ホトトギス
200201
走馬灯の横の写真の笑ひをり
大東由美子
火星
200207
雲雀山舞う十五分走馬燈
松村美智子
あを
200208
走馬灯人生三百六十度
稲畑廣太郎
ホトトギス
200208
遠を見るまなざしとなり走馬灯
水野恒彦
200209
走馬燈研ぐ庖丁に思ひ出繰る
大山清
200210
走馬燈離れに吊りて母偲ぶ
斉藤やす子
春耕
200210
走馬燈追ひつ追はれつゆく男女
中島知恵子
雨月
200211
生き残るものの淋しき走馬燈
下平しづ子
雨月
200211
走馬燈心うつろに見てゐたる
佐野布娑
雨月
200211
走馬燈病に臥しつつ友思ふ
河合笑子
あを
200211
灯ともりて仏間の主役走馬灯
有吉桜雲
200212
苦言してほほゑみし人走馬燈
芝宮須磨子
あを
200308
走馬灯板の間に色落しけり
鈴木綾子
百鳥
200309
かへりたき過去などはなし走馬灯
石川英利
百鳥
200310
同じこと又くり返し走馬灯
一ノ瀬千恵
築港
200310
走馬燈ゆつたり廻れ吾が余生
代田正雄
ぐろっけ
200311
読み方に脇目振らぬ子走馬灯
禰寝瓶史
京鹿子
200311
風あらば父よ兄よと走馬灯
小澤克己
遠嶺
200311
走馬灯あはれつくして巡りをり
藤岡紫水
京鹿子
200409
節目なきもののさびしさ走馬燈
宮本啓子
200410
ロケットを鯨の追ひて走馬燈
井上道子
百鳥
200410
走馬灯まはりはじめを見守りぬ
太田佳代子
春燈
200410
走馬灯挽歌はいつも闇に消ゆ
宇都宮滴水
京鹿子
200410
窓外の雨風忘れ走馬燈
中野京子
200411
走馬灯廻り浮雲らしきもの
真角多賀子
対岸
200411
つまづくと見せ廻りだす走馬灯
武友朋子
200412
アルバムに残る故郷や走馬燈
尾辻のり子
河鹿
200501
あともどり出來ぬ履歴や走馬燈
竹貫示虹
京鹿子
200508
思ひ出は笑顔ばかりよ走馬灯
南原正子
酸漿
200510
御院主の柩とドライブ走馬灯
南奉栄蓮
風土
200510
過去話すとき人老いて走馬燈
嶋田摩耶子
ホトトギス
200511
九寨溝の流れなりけり走馬燈
山崎靖子
200511
おふくろに惚れしは親父走馬灯
谷田部栄
万象
200511
農は父祖の枷かと思ふ走馬燈
木船史舟
200512
逆廻りする手作りの走馬燈
伊藤白潮
200608
手品師の手元で回る走馬灯
高橋将夫
200609
蛍見やわが人生の走馬灯
木村迪子
酸漿
200609
走馬灯置かむ昔の闇さがす
田中藤穂
あを
200609
走馬燈海風まはりはじめけり
小野恵美子
馬醉木
200610
走馬燈の馬放たれし夜の雲
渡邉友七
あを
200611
かヽる夜の走馬燈消しのこる
瀧春一
200706
防空演習の夜
走馬灯追ひつけぬもの追ひつづけ
水野恒彦
200707
天井にたひやひらめや走馬灯
鷹羽狩行
200709
思ひ出の横顔を見す走馬燈
児玉修
200710
逝きまして早や一とせや走馬灯
岸本久栄
雨月
200710
母の背のかすかな記憶走馬灯
飯田酔亥
200711
人の世もかくある如し走馬灯
舩越美喜
京鹿子
200711
祖父の膝を思ひ出させし走馬燈
辰巳比呂史
200712
人の世の動きの速さ走馬灯
手拝なをみ
200712
嫁ぎ来てひとり残され走馬燈
高木典子
雨月
200801
閃きの一瞬消ゆる走馬燈
岩月優美子
200810
一周忌主人を偲ぶ走馬灯
山崎泰世
200811
走馬灯回りはじめのぎこちなし
小倉陶女
春燈
200909
走馬灯不確な影美しき
遠藤実
あを
200909
亀兎同じ速さや走馬灯
七種年男
200909
走馬灯上野不忍肩車
森理和
あを
200909
走馬灯来し方何もかも愚か
呂秀文
春燈
200910
走馬灯同じ馬来てつまづきぬ
西谷良樹
春燈
200911
仏前に夫との対話走馬燈
磯野しをり
雨月
200911
畳まれて腑抜けとなりぬ走馬燈
奈辺慶子
雨月
200911
意に染まぬ妥協もときに走馬灯
安斎久英
末黒野
200912
くりかへし良き刻還れ走馬燈
柳生千枝子
火星
200912
母の帯身のきしむなり走馬灯
本多俊子
201008
魚が逃げ漁師も逃げて走馬灯
鷹羽狩行
201008
過ぎし日のなべて美し走馬灯
両角富貴
末黒野
201010
朱なるも水にとけゆく走馬灯
豊田都峰
京鹿子
201010
太梁の峡の湯宿や走馬灯
黒滝志麻子
末黒野
201011
走馬灯畳にいろをこぼしけり
岩田千
201011
しんがりに帰天の友や走馬燈
近藤喜子
201011
走馬燈路地に書き出す○□ 森理和 あを 201107  
走馬灯揺れてあの人還りゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201108  
臨終の瞳に生涯の走馬燈 竹貫示虹 京鹿子 201108  
ちちははと我とのあはひ走馬燈 近藤喜子 201110  
縁うすきうから踊るや走馬灯 大草由美子 春燈 201110  
黄泉路とは曖昧模糊や走馬灯 藤井節女 京鹿子 201110  
屋根裏の梁の縄目や走馬灯 和田照海 京鹿子 201111  
腹這ひとなりて子が見る走馬燈 ふじの茜 201112  
ありし日をやさしく回す走馬灯 池田光子 201112  
走馬燈かげわらわらと席に着き 吉田葎 201205  
走馬燈一処を得たるごとくあり 田中貞雄 ろんど 201208 『辻子』
餓ゑし頃ありあり想ふ走馬灯 木島茶筅子 かさね 201208  
走馬灯過去を持たざる女かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201208  
走馬灯現在にある過去未来 高橋将夫 201209  
走馬灯古稀の汀に映るもの 吉田克美 ろんど 201209  
憶ふこと偲ぶことあり走馬灯 赤座典子 あを 201210  
潮騒とかかはりゐたる走馬灯 山田美恵子 火星 201310  
戦前の女学生卒寿走馬灯 居内真澄 ぐろっけ 201310  
走馬燈あとに生まれて先に逝き 中山酷霊 201210  
走馬燈子は大の字の夢ん中 和田森早苗 201211  
緩急のある長電話走馬燈 舩山東子 ろんど 201211  
丸眼鏡の父のアルバム走馬燈 和田森早苗 201311  
灯されてゐて走馬灯売られけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201311  
走馬灯前世のものとなつかしむ 瀧春一 花石榴 201312  
廻り来る色の淋しき走馬灯 小林敏朗 ホトトギス 201402  
華やかに見えて寂しき走馬灯 小林敏朗 ホトトギス 201402  
走馬灯の一句残してゆきし妻 竹貫示虹 京鹿子 201408  
走馬燈逢へなきままの顔照らす 天谷翔子 201409  
走馬灯数へきれざる恩を知る 卜部黎子 春燈 201410  
走馬灯たぐる想ひの濃く淡く 羽根嘉津 201410  
喜寿近き吾に母在り走馬燈 小林昌子 馬醉木 201410  
母の膝父の背中や走馬灯 高橋将夫 201410  
忘といふ心もありぬ走馬燈 熊谷ふみを ろんど 201411  
母のことほとんど知らず走馬灯 戸栗末廣 201411  
走馬灯昔の闇に戻りゆく 湖東紀子 ホトトギス 201501  
濡れ縁を隔てて闇や走馬灯 湖東紀子 ホトトギス 201501  
走馬灯人生いつも待ちぼうけ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508  
走馬灯影塗り替へてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508  
四十年ぶりの花巻走馬灯 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508  
走馬灯君との未来回しけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508  
走馬灯繋ぐ俤ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508  
走馬灯一周分の恋をして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508  
走馬灯極彩色の夢を見て 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508  
走馬灯部屋の真中といふ宇宙 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508  
走馬灯君の悌追ひかけて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508  
遺されし月日のうねり走馬燈 白井友梨 馬醉木 201510  
走馬灯やがて未来も回りくる 高橋将夫 201510  
走馬灯うたごゑ突然挽歌となる 安田優歌 京鹿子 201511  
走馬灯廻るなんども懐しく 後藤立夫 ホトトギス 201512  
存へて会へぬ人殖ゆ走馬灯 渕上千津 201609  
走馬灯しきりに犬の吠えてをり 有賀昌子 やぶれ傘 201610  
走馬灯考にほのかな煙草の香 平野みち代 201611  
一つだけ部品の足りぬ走馬燈 早瀬淳一 船団 201701  
母の膝父の背中や走馬灯 高橋将夫 蜷の道 201704  
又同じ子供が走る走馬燈 稲畑汀子 ホトトギス 201708  
走馬燈吾の背中へ回りけり 山田六甲 六花 201711  
走馬燈闇着せられて売られけり 神蔵器 風土 201712 『二代の甕』
寄せ引く波追へばすぎし日走馬灯 柴田靖子 201808  
言ふなれば犠打と敵失走馬燈 大久保志遼 201809  
回り道これも人生走馬燈 西村渾 201809  
妣の手のぬくさは今も走馬灯 熊川暁子 201809  
走馬燈迷いの窓を照らしけり 平野多聞 201809  
走馬燈去りにし日々のみな美しく 長谷川祥子 馬醉木 201809  
平成の三災七難走馬燈 永田万年青 六花 201809  
巡り来るものに押さるる走馬燈 山本則男 201811  
酔ひ易き父となりけり走馬灯 原友子 201811  
走馬灯梨屋若き日語りけり 中村嵐楓子 春燈 201811  
走馬燈廻る仏間に一家族 後藤比奈夫 ホトトギス 201901  

 

2019年8月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。