空澄む     90句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
巉巖のくつきり雁の空澄める 浜下清太郎 ホトトギス 200001
澄む空と澄む水ありて高麗の里 檜紀代 200002
空澄んで島の通草は熟れごろに 浜福恵 風土 200012
東雲の空澄む帆綱張りにけり 石本秋翠 馬醉木 200012
空澄みてより助っ人の次々と 桑垣信子 いろり 200101
梅漬の瓶伏せて空澄む日なり 大川泉舟 200101
空澄みてUFO見るによき日かも 桑垣信子 いろり 200110
水澄むにさきがけて澄むみ空かな 鷹羽狩行 200111
澄みし空続く向こうに飢えし子等 桑原敏枝 いろり 200112
平均台渡り切つたる空の澄み 石本百合子 馬醉木 200112
銀漢や夜が受けつぐ空の澄み 八染藍子 200201
柏手の鳴るたび空の澄みにけり 岩田育左右 遠嶺 200201
凭れ合ふ稲束空の澄みにけり 暮岸江 銀化 200211
それぞれの読書川辺の空澄めり 永田哲心 遠嶺 200212
空澄みて見はるかす先子の旅路 小林恵子 遠嶺 200311
この坂を越えれば未来空澄めり 大塚まや 京鹿子 200312
花芒空澄む印西牧の原 松崎鉄之介 200312
いと赤き飯桐の実に空澄めり 大内恵 酸漿 200402
双龍図十一月の空澄めり 谷村幸子 200402
もみぢ且つ散る楼門の空澄みて 小林成子 200402
水澄みて空澄みてダム天端かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200410
空澄めり水を替へたる小鳥籠 中田みなみ 200412
鳴き龍のるるると空気澄みにけり 岡崎桂子 対岸 200412
空澄みて海を見通す龍馬像 井出清峯 百鳥 200502
空澄みて「花」の一字の匂ひたつ 山田をがたま 京鹿子 200502
武蔵野の空澄む二十六寺かな 平野無石 200503
空澄めば世にあらぬ汝をうたがひつ 瀧春一 菜園 200509
補聴器に虫の音遠く空澄めり 近藤てるよ 酸漿 200511
空澄むや生涯教師たりし父 角南英二 栴檀 200512
澄みわたる空邂逅のハイタッチ 山中宏子 200602
神渡し高く鳴らして空澄める 泉田秋硯 200602
谷空も巴ケ渕も碧く澄む 江崎成則 栴檀 200602
歳三の立ちて空澄む初不動 篠崎荘市 酸漿 200603
あくまでも澄みたる空や葬以後 生方ふよう 200702
七いろの水面ニセコの空澄めり 佐々木幸 200702
寒の空澄みつ暮れゆく遠伊吹 水野節子 雨月 200704
夕空の澄み澄む青女くる気配 中野英歩 八千草 200707
空澄むや羽衣なせる雲仰ぎ 宮津昭彦 200712
なだらかな越の丘陵空澄めり 大久保寛子 遠嶺 200712
空澄むや声を限りの歌続く 小澤克己 遠嶺 200811
天空の澄みや気になることのあり 加藤みき 200811
ばつた捕りそこねて空の澄むばかり 中山純子 万象 200901
穂芒や高千穂峡の空澄みて 橋添やよひ 風土 200901
運強き日の澄む空を仰ぐなり 掛井広通 200901
空澄むや遠く風車の立つ岬 松本善一 やぶれ傘 200903
空澄みてマイクに対ふ三日かな 杉浦典子 火星 200904
空澄みて山わたりゆく木の芽風 中緒和子 酸漿 200907
空澄めり鳥居に嵌まる畝傍山 中山良子 末黒野 200912
眉の根に男の決意空澄めり 田原陽子 200912
始祖鳥の空の青さや秋気澄む 近藤喜子 200912
河幅に空を流して秋澄めり 井上あい 風土 201001
山頂は天界なりと空澄める 伊地知冶江子 201001
空澄めり鳥居に嵌る畝傍山 中山良子 末黒野 201004
昼も星見ゆるかに澄み秋の空 林直入 ホトトギス 201011
空澄みぬ円盤投げの腕のびて 伊藤希眸 京鹿子 201012
空澄めば紅くつきりと曼珠沙華 池田光子 201012
潮の香の抜くる干網空澄めり 森屋慶基 風土 201101
アリゾナの空澄み渡る冬の朝 伊吹之博 京鹿子 201105
ふるさとの空澄み渡り銀河濃し 廣瀬義一 雨月 201111
一遍の井の空澄みて石蕗の花 久布白文子 馬醉木 201203
梅雨晴れの青空澄みて∞ 長島清山 かさね 201208
空澄むや注連縄高き那智の滝 宮元陽子 末黒野 201211
やめなくてよかつた空は澄み渡る 高橋将夫 201211
空澄むや農は下向くこと多し 佐野ときは 201301
空澄めるぼっちゃん列車に諸手振り 山崎里美 201301
朝の空澄めり八十路の一日目 菅野蒔子 末黒野 201302
出棺の妣澄む空の碧きへと 植田雅代 ぐろっけ 201303
狭庭にも紅梅咲きて空澄めり 田島昭久 かさね 201305
空澄んで昼のチャイムは役場より 大島英昭 やぶれ傘 201311
空澄めり目瞑りて聴くセレナード 水田壽子 雨月 201312
空澄みてその名も太宰の天下茶屋 田村すゝむ 風土 201312
アンカーは新任教師空澄める 前田忍 火星 201401
空澄むや佗しさつのる女坂 飯田美千子 201411
空澄むや暗証番号またちがふ 山田暢子 風土 201412
空澄めり天地返しの鍬高く 松井志津子 201512
空澄めりうかと乗りたる空港行 湯橋喜美 201512
水澄んで負けじと空も澄みにけり 松田泰子 末黒野 201601
澄む空を歩く靴音スカイツリー 岡山敦子 京鹿子 201602
空澄むや黒部の水のきらきらと 黒滝志麻子 末黒野 201611
空澄みて水より昏れる河童橋 阪倉孝子 201612
空澄むや鯉のあぶくの直ぐに消え 笹村政子 六花 201612
空澄みて雲の変相またたく間 岩井京子 201701
枯葉散るウスムラサキの空は澄み 水谷直子 京鹿子 201705
空澄んで正倉院の琴鳴るか 坪内稔典 船団 201707
大仏を空澄む中に見上げけり 王岩 あを 201711
空澄むや焼岳の肌荒々と 松本三千夫 末黒野 201712
阿羅漢や杉の木立の空澄みてし 岡野里子 末黒野 201902
万年杭段畑の空澄みわたり 浜福惠 風土 202001
空澄みて牛飼ひの歌碑凛凛と 岡井マスミ 末黒野 202102
槌音の抜けて空澄む日和かな 村田敦子 末黒野 202102
曼珠沙華不意に咲く花空澄めり 沼田桂子 春燈 202112

 

2022年8月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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