素 麺     108句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
うから等の冷し素麺すする音 田畑幸子 火星 199909
素麺面肉月面の裏見たな 日吉わたる 船団 199912
冷し素麺わが凡日をつなぎゐて 平子公一 馬醉木 200008
相席の黙そのままに冷素麺 能村研三 200008
竹箸が長き素麺流しかな 能村研三 200009
はらからとすする索麺里帰り 岡久枝 酸漿 200108
素麺をすする一人の昼餉かな 柴田美佐子 いろり 200109
七十路やのどもと過ぎし冷素麺 竹貫示虹 京鹿子 200111
素麺ののどごしで生きるつるりんと やのかよこ 船団 200202
神体山白布で囲む干素麺 田中嘉代子 ぐろっけ 200204
アルプスを写して素麺流しかな 関本真一郎 帆船 200209
刹那永劫素麺が流れゆく 高橋将夫 200210
沢の水樋に引く茶屋冷素麺 鵜飼紫生 雨月 200212
素麺干す峠の日差しまだ高し 松崎鉄之介 200301
冷素麺薬味きかせてすすりをり 高木昌子 築港 200309
冷素麺好む夫との五十年 山内栄美子 ぐろっけ 200309
日を背負ひ戻りし夫に冷素麺 鈴木清子 遠嶺 200310
冷索麺姉の新居を訪ねけり 後閑達雄 対岸 200310
引力も啜り了へたり冷索麺 山元志津香 八千草 200401
独り居の昼餉気儘に冷素麺 村山春子 200408
滝見茶屋冷索麺を昼食に 望月喜好 200409
冷素麺ことに無口になる二人 石山惠子 遠嶺 200410
東大寺の鴟尾を間近の冷索麺 松井倫子 火星 200410
せせらぎや昼の灯影(ほかげ)の冷素麺 尾辻のり子 河鹿 200410
冷索麺昼餉は山の雲を呼び 蒔元一草 河鹿 200412
退屈な人は良い人冷素麺 須佐薫子 帆船 200507
百歳の音立てすする冷素麺 藤重良昭 万象 200510
霊山の水で素麺流しせる 矢葺貞子 築港 200510
三輪素麺一把を揉んで足る昼餉 木村茂登子 あを 200609
冷素麺淵明の詩に飢多し 松崎鉄之介 200610
釣具屋のおかみ振舞ふ冷索麺 深見眞弓 200610
霊峰の水より掬ふ冷索麺 寺沢千都子 万象 200611
素麺を流す二キロの竹の樋 福島吉美 万象 200612
冷素麺まっすぐに上げ世紀末 中原幸子 以上、西陣から 200705
冷素麺のんどの奥へ押し込めり 小林正史 200710
湯の宿の二の膳に付く烏賊素麺 武田幸子 200710
素麺を茹でて原爆の日の暮れる 須賀敏子 あを 200711
震源地に住むほかはなく冷素麺 坂井文給 200801
軒々に素麺すだれ干しの峡 浅井青陽子 ホトトギス 200806
流し素麺掬ふまみどり竹の箸 中村悦子 200807
素麺の赤青愛は不器用に 大島翠木 200809
摺りたての胡麻味噌で食ふ冷素麺 上原重一 200810
飽食の猫ゐてひとり冷素麺 小林和子 風土 200810
冷素麺箸を巧みに米紳士 伊吹之博 京鹿子 200810
束解いて冷やし素麺湯がきをり 山田六甲 六花 200907
昼飯は素麺にせむ一人者 鵜野達二 200909
柚子青し素麺つゆの薬味とす 山田六甲 六花 200909
聞き流すこと覚えしや冷索麺 牧浦綾 炎環 200909
食そそる冷し素麺啜りけり 宇治重郎 200911
早梅や風になびける三輪素麺 山田春生 万象 201004
時折の風に山気や冷索麺 金山千鳥 酸漿 201010
夏痩せてなほ素麺を茹で昼餉 中川すみ子 201010
素麺の赤の一本無くさみし 菅野雅生 ろんど 201011
素麺干す吹かれて三輪の山景色 川井秀夫 ろんど 201104
素麺を囲みたる箸往き交へる 山崎里美 201110
干し素麺ほぐす爪立ち山の風 宇野慂子 万象 201206
索麺の流るるごとく杞憂去る 高橋将夫 201208
素麺に七味振り足す昼餉かな 黒澤登美枝 201208
開け閉てに潮の匂ひや冷素麺 荒井千佐代 201209
素麺のよく冷えてをり患者食 小川玉泉 末黒野 201210
千束の素麺流しハイキング 渡部法子 201307
冷素麺孫と取り合ふ箸絡み 大島寛治 雨月 201310
田戻りの冷素麺は嫁の味 池田喜代持 六花 201310
色付きの素麺ほどの誇りかな 乾有杏 201311
冷素麺箸を短かくつかひけり 齋藤厚子 201409
青竹の味うばひ合ふ流し素麺 中山皓雪 201409
とりあへず冷索麺で済ませけり 中道愛子 201410
お変わりもなくお元気で冷素麺 火箱ひろ 船団 201502
食卓に眼鏡が三つ冷素麺 中谷三干子 船団 201502
悪阻の日々そつと素麺貧べて堪へ 村上倫子 201510
初味見の素麺南瓜今朝の秋 和田政子 201510
混沌の世素麺の白啜りけり 黒澤登美枝 201510
僧へ昼餉冷素麺をより冷やし 服部早苗 201511
その顎は相当怒っている索麺 池田澄子 201602
御土産の厚手のグラス冷素麺 須賀敏子 あを 201609
冷索麺過ぎし記憶を逃すまじ 坂入妙香 春燈 201610
素麺をまく帯紙をほどきけり 天野美登里 やぶれ傘 201708
明日のため素麺のどに流しこむ 加藤峰子 201710
滾滾と富士の湧き水冷素麺 今村千年 末黒野 201710
素麺やいづこよりくるさみしさか 直江裕子 京鹿子 201712
冷素麺期日前投票済ます 中谷三千子 船団 201805
決別は素麺すすり終えてから 梨地ことこ 船団 201805
素麺をすすり愚痴など言ひ合へり 廣畑育子 六花 201810
寿司桶にどつぷり浸る冷素麺 山本茂子 末黒野 201810
噴火せし山からの風冷素麺 栗原京子 201811
春光や千の光の三輪素麺 竹村淳 201906
素麺の腰の強さや播磨灘 田中美恵子 201909
冷素麺しずかに白き二人かな 中原幸子 船団 201910
わけもなく高ぶれる日の冷素麺 辻水音 201910
休日のたちまち昼や冷素麺 廣田幸子 末黒野 201911
屈託もするりと啜り冷素麺 三羽永治 201912
部活動の合宿の昼冷や素麺 濱野新 やぶれ傘 201912
引売りの烏賊素麺や朝の路地 山浦紀子 京鹿子 202008
素麺の泡立つ鍋をのぞき込む 泉一九 やぶれ傘 202009
七夕や色素麺の五六本 谷口一献 六花 202010
冷素麺妣の齢に今しばし 苑実耶 202108
夜の秋波のかたちに鯛素麺 升田ヤス子 六花 202112
素麺を茹でる後に首相の声 高木晶子 京鹿子 202209
素麺の喉越し大事老いたれど 山田健太 風土 202210
素麺の流し止めにも小石置き 谷口一献 六花 202210
素麺に飽きて夏休みが終はる 苑実耶 202302

 

2023年6月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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