紫蘇の実      60句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雲水が紫蘇の実摘みの傍ゆけり 山尾玉藻 火星 199810
紫蘇の実を噛み日のあたる畳かな 西田美智子 200001
紫蘇の実や姑の暮しの身について 保坂さよ いろり 200010
紫蘇の実を前掛に摘む坊の妻 井水貞子 春耕 200012
向う皿紫蘇の実そへてありにけり 井上清子 200012
喪籠りの黙に紫蘇の実摘むことよ 河村八重 円虹 200101
紫蘇の実をしごき終へたる茎の嵩 間島あきら 風土 200101
紫蘇は実にうす雲刷きし裏蔵王 竹川貢代 春耕 200111
紫蘇の實や詩因しごけば虚ろなる 中原道夫 銀化 200111
丸暗記の論語の出づる紫蘇は実に 杉本寛 200112
紫蘇の実をしごき序列を解いてやる 槐布由子 銀化 200112
紫蘇の実の雀とびたち香りけり 野中弓子 酸漿 200112
紫蘇の実をほつりと噛んで臍決むる 宮脇ちづる 200201
植ゑしかやひとり生えかや紫蘇は実に 田中としを 雨月 200203
紫蘇の実を扱いてをりしピエロかな 植木戴子 200212
紫蘇の実を庭から摘んで朝の卓 庄中健吉 200212
紫蘇は実に日暮の畑の乾きをり 津田経子 火星 200212
よき日和と香りを褒めて紫蘇の実摘む 笹原ひろむ 200301
紫蘇の実のこぼるるままの生活かな 笠井敦子 200401
蚊火つけて紫蘇の実を扱く厨口 阿部文子 酸漿 200412
紫蘇の実を摘みゐる手元より暮るる 清水ミツコ 200412
紫蘇の実の逆さなでして一掴み 栗城静子 200511
歯に当る実紫蘇よろこびゐたりけり 竹山みや子 築港 200512
紫蘇の実を母偲びつつ漬け込む日 木村迪子 酸漿 200601
紫蘇は実となり摘みごろや旅帰り 嶋田摩耶子 ホトトギス 200603
紫蘇の実や糸口の糸解れしも 鈴鹿仁 京鹿子 200611
紫蘇の実を噛みゐて昼を酔うてをり 南うみを 風土 200612
手作りの紫蘇の実味噌を頂きぬ 出木裕子 200801
蓋物の紫蘇の実漬をプツと噛む 竹内弘子 あを 200811
紫蘇の実摘む日月風のごとゆきぬ 青山正生 200812
紫蘇の実を先師好みに辛子漬け 佐藤健伍 200812
紫蘇の実や征きし命の茫々と 鴨下昭 200812
紫蘇の実をしごきぬ嫁せし娘来て 水上陽三 200912
紫蘇の実をほぐせばさらふ秋の風 南うみを 風土 200912
尺取虫旅の紫蘇の実計りをり 小山ナオ子 酸漿 201012
噴煙の佐久へたなびく紫蘇は実に 木内博一 春燈 201101
紫蘇の実を箸でしごくも七年忌 竹内弘子 あを 201102
枯れつつも紫蘇の実放つ香りかな 有賀鈴乃 末黒野 201103
尺取虫笊の紫蘇の実計りをり 小山ナオ子 酸漿 201107
日溜まりの紫蘇枯れきつて実をこぼす 生田作 風土 201202
紫蘇の実をしごく白花まで扱く 三輪慶子 ぐろっけ 201301
紫蘇の実を扱きし手に受く速達便 門間としゑ 末黒野 201302
紫蘇の実の鈴鳴らす風ありにけり 山本久江 201401
紫蘇の実の香り仄かや大原路 北尾章郎 201401
紫蘇の実を扱いてくるる紙漉女 原田しずえ 万象 201501
雀どち枯紫蘇の実を分かち合ふ 荒井和昭 201603
にはとりを叱る媼や紫蘇は実に 甲州千草 201611
紫蘇の実の始末遅れて母の声 秋川泉 あを 201712
紫蘇の実のむすびなつかし母想う 渡辺節子 201811
群去りて紫蘇の実つつく一羽あり 武田未有 201912
紫蘇の実のほのかに匂ふ刺身皿 志方章子 六花 202001
紫蘇の実や母亡きあとは妻が摘み 成瀬櫻桃子 春燈 202009
紫蘇の実を摘む妻が指色の濃し 上家正勝 末黒野 202012
母がりの紫蘇の実を噛む夕べかな 栗原完爾 春燈 202112
紫蘇の実をしごく手指を染むるかに 佐藤忠 春燈 202112
紫蘇の実の香りの残る掌 小池一司 やぶれ傘 202112
紫蘇の実をしごきし指や茶に染まり 森なほ子 あを 202211
母がりの紫蘇の実を噛む夕べかな 栗原完爾 春燈 202212
紫蘇の実をしごく手指を染むるかに 佐藤忠 春燈 202212

 

2023年9月11日 作成

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