獅子舞    164句

初空へさし出す獅子の首(かしら)哉   一茶

作品
作者
掲載誌
掲載年月
待ちし子に獅子舞の笛遠ざかる 貞吉直子 馬醉木 199904
獅子の笛日暮を急ぐ冬の山 皆川盤水 高幡 199905
獅子舞が面のうちより咳洩らす 皆川盤水 高幡 199905
獅子舞の獅子の歯正方形にて淋し 鳥居真里子 船団 199906
獅子舞の終りて犬の歩き出す 三神あすか ヒッポ千番地 199910
舞獅子の鈴振る媚のかなしかり 丸山海道 海道全句集 199910
雪嶺のしたしき街の獅子の笛 丸山海道 海道全句集 199910
獅子笛やどぶろく匂ふ飛騨の禰宜 朝妻力 俳句通信 199912
獅子舞の口より雛の手が伸びる 吉原一暁 200003
両神山の風に乗り来る獅子の笛 斉藤輝子 春耕 200004
獅子舞に遅るる笛の音もよけれ 鷹羽狩行 200102
ミレニアム獅子舞カクンと口を開け 須山つとむ 船団 200103
獅子舞の後の脚が酔うてをり 田中矢水 遠嶺 200105
獅子頭大阪弁にかこまるる 城孝子 火星 200108
獅子舞の在の農家の人と聞く 松崎鉄之介 200201
獅子舞の低く構へて始まりぬ 小田玲子 百鳥 200204
獅子舞の笛渡りくる大代田 古市文子 春耕 200206
獅子舞へ賢き貌のそろひけり 宇都宮滴水 京鹿子 200302
獅子頭取りて青年息荒し 中野薫 雲の峰 200303
獅子舞やほどよき距離に子等侍る 林田江美 馬醉木 200304
獅子舞を引き連れ伊勢の長太夫 大堀鶴侶 雨月 200304
獅子舞に携帯電話鳴りにけり 滝本香世 百鳥 200304
獅子舞のかくりと遠嶺噛みにけり 小澤克己 遠嶺 200401
耳ぴくと荒獅子舞の眠り落つ 鷹羽狩行 200402
乱心の獅子舞となりゆくところ 鷹羽狩行 200402
獅子頭下げて路地行く老いの背 佐原由紀子 200403
獅子頭肩に棚田を登りをり 神村鉄雄 草の花 200403
獅子頭脱げば出入りの植木屋よ 永野秀峰 ぐろっけ 200403
獅子舞の後ろ脚よりまはる酔 長谷英夫 馬醉木 200404
獅子舞に頭かくりと泣く児かな 松井治美 遠嶺 200404
獅子頭横抱きにして舞納む 中島知恵子 雨月 200404
獅子舞の頭卍に振りをさむ 飯塚ゑ子 火星 200404
獅子舞の獅子にかまれる列につく 中村昭義 百鳥 200404
獅子頭取れば思はぬ色男 加藤弘一 築港 200404
獅子の笛ながれてひるの刻くづれ 八田木枯 夜さり 200409
誰ソ彼レの獅子の遠笛いたく寂び 八田木枯 夜さり 200409
獅子舞のまくなぎ拂ひ出を待てり 澁江阿喜子 万象 200410
獅子舞をさらふ舞殿初蜩 竹中龍青 200410
獅子舞におかめひよつとこ出て戯れる 米谷香恵子 築港 200503
獅子舞がおひねり呑んで仕舞ひたり 米谷香恵子 築港 200503
獅子舞の獅子に出会へり旅の途に 大石喜美子 雨月 200503
獅子舞の片足上げて舞納む 辻井桂子 雲の峰 200503
舞ふ獅子の口にくはへし新紙幣 白神知恵子 春燈 200504
獅子舞の腕の丈を舞ひをさむ 城孝子 火星 200504
獅子頭解かれ少年風となる 有島夛美 河鹿 200604
門口に迎へ旧知の獅子頭 渡部志津子 200604
獅子舞のかぶりをとりしピアスかな 高松由利子 火星 200604
獅子舞の村去りいよよ農良仕事 永井孔雀 200605
獅子舞や子は押入に息ひそめ 入野田千寿子 200605
篠笛に合はせ獅子舞口開けし 苑実耶 200605
獅子舞を入れて宴の豪気かな 小澤克己 遠嶺 200701
畦道を来るよ真つ赤な獅子頭 鷹羽狩行 200702
獅子舞の逆立ちこれも生くるため 鷹羽狩行 200702
湖の荒れをうしろに獅子頭 山尾玉藻 火星 200702
菊五郎の「芝浜」締めし獅子の舞 荻野嘉代子 春燈 200703
獅子頭抱へ踏切り待ちにけり 中和田洋美 万象句集 200703
獅子舞の飲みたる札(さつ)を落しけり 広田和子 200704
獅子舞の若き二人に拍手湧く 浅井青二 雨月 200704
獅子舞の上り框につまづけり 前田忍 火星 200704
獅子舞に噛んでくれろと膝を出す 島田山流 春燈 200803
一笛にたちまち獅子の舞姿 豊田都峰 京鹿子 200803
獅子舞のまづ大空を噛みにけり 豊田都峰 京鹿子 200803
獅子頭その前足のやさしかり 豊田都峰 京鹿子 200803
獅子舞をちらと見かける三日かな 赤座典子 あを 200803
床の間の剣を銜へし獅子頭 木暮剛平 万象 200804
獅子舞や大寒の町賑やかに 宮口文泰 万象 200804
獅子舞に興じしあとの別れかな 藤井佐和子 200804
御慶々々と獅子の金歯に噛まれけり 木村茂登子 あを 200804
獅子舞に隠れゐし児も咬まれけり 高橋宏行 遠嶺 200805
獅子頭はづせば若き貌の笑み 邑橋節夫 菊揃へ 200806
獅子舞の脚よりしざりゆきにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200901
不思議なけれど獅子舞に獅子の影 鷹羽狩行 200901
獅子舞の宙を食みては地面はむ 曷川克 遠嶺 200904
眠る嬰にそつと近づく獅子頭 いしだゆか 遠嶺 200904
獅子舞のうねり来て頭をがぶと噛む 手島伸子 雨月 200905
獅子舞やときにぴたぴた動く耳 有賀昌子 やぶれ傘 200905
獅子舞の来て村ぢゆうが動きだす 鷹羽狩行 201002
獅子頭被る男も歯を見せて 羽生きよみ ぐろっけ 201002
獅子舞の一座来る頃比良晴るる 小澤菜美 201003
父祖よりの獅子舞の笛遠ざかる 小澤菜美 201003
獅子舞やどの路地ゆくも海に出る 阿部月山子 万象 201003
獅子舞に噛まれて楽し京の宿 宇治原弥幸 201003
獅子舞やビルの中なる畳の間 矢島久栄 201004
逃げ回る子に獅子舞のうねりたる 秋千晴 201004
獅子舞の後足で立ち丈六に 高橋大三 ぐろっけ 201004
獅子舞より屋台ラーメン欲る幼 高橋大三 ぐろっけ 201004
銅鑼・太鼓子供獅子舞次々と 高橋大三 ぐろっけ 201005
獅子舞の釣瓶落しに終りをり 長田秋男 酸漿 201012
獅子舞の神籤人形梅の昼 鷹崎由未子 春燈 201105
舞獅子のなか立ち上がる女高生 高橋大三 ぐろっけ 201105
獅子舞の四頭すべて女高生 高橋大三 ぐろっけ 201105
獅子の舞長屋門より始まれり 須賀敏子 あを 201203
手の反りて子供獅子舞よく跳ぬる 和泉道草 末黒野 201204
獅子頭脱ぎしは乙女髪ほどく 森清堯 末黒野 201204
舞獅子の金歯四角い陽をはじく 塩貝朱千 京鹿子 201204
おひねりを飲んで獅子舞昂れり 綱川恵子 万象選集 201205
獅子舞や戸を開けて待つ漁師町 西本才子 万象選集 201205
一口の御神酒を含み獅子の舞ふ 榊原キヨ子 万象選集 201205
津軽より獅子舞きたる湯島かな 工藤みのる 万象選集 201205
妻の頭を獅子に噛まして初詣 宮脇秋峯 万象選集 201205
奉納の大羽子板に獅子舞へり 林稲子 万象選集 201205
獅子舞の顎にきりりと豆絞り 安田良子 万象選集 201205
獅子舞いの芸妓阿吽の呼吸かな 豊田高子 万象選集 201205
細身なる漢すり足獅子の舞 林早苗 万象選集 201205
ひと吹きの笛に獅子舞立ちにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201206
年老いし顔あらはるる獅子頭 廣瀬雅男 やぶれ傘 201206
獅子舞に頭噛まする年男 北崎展江 くりから 201209
獅子舞の入りゆく槻の一構 水原秋櫻子 馬醉木 201301
舞ふ獅子の口の中までくんち晴 上柿照代 馬醉木 201301
獅子舞の地下足袋のまま上がり来る 秋千晴 201302
獅子舞の逆さ踊りに拍手沸く 秋千晴 201302
舞ひ終へて月に冷めゆく獅子頭 佐用圭子 201304
獅子頭小さき咳をこぼしけり 前田忍 火星 201304
獅子頭より凛々とをんなかな 山口ひろよ 201304
獅子舞の口に手の生ふ祝儀かな 岡本尚子 風土 201304
獅子舞に頭差し出す店の客 太田健嗣 ぐろっけ 201304
御旅所の長老を噛む獅子頭 岩木茂 風土 201311
獅子舞に泣く子笑ふ子神の庭 加藤榮一 末黒野 201404
獅子舞のカメラを噛んでしまひけり 鎌田光恵 201404
獅子舞の巡る境内子ら群れて 田代貞枝 201404
獅子舞の鉦はサンバに似たるかな 小山陽子 やぶれ傘 201404
獅子舞の信号渡るとび跳ねて 折橋綾子 201404
獅子舞へ帽子をとりて噛ませけり 有賀鈴乃 末黒野 201405
吉兆や唐獅子舞の噛む宴 伊吹之博 京鹿子 201405
獅子舞のたてがみは幣秋うらら 原田しずえ 万象 201502
獅子舞の次の家まで向ひ風 佐藤喜孝 あを 201502
坂の途中に家の階段獅子舞へり きくちえみこ 港の鴉 201510
扇にて招く獅子舞里神楽 室伏みどり 雨月 201603
耳垂らし獅子舞眠つたふりをせり 鎌田光恵 201604
獅子舞や忘れ形見の女の子 細川洋子 201703
獅子舞や待ちくたびれて門の内 中里昌江 末黒野 201704
獅子頭外す女のしとやかさ 勝木享子 万象 201704
白髪を咬まれて嬉し獅子頭 須賀敏子 あを 201703
獅子舞に卒寿の頭かまれをり 山口順子 馬醉木 201705
赤座布を咬みし昼餉の獅子頭 岡田桃子 201708
獅子舞やあの山越えむ獅子の耳 久保田万太郎 春燈 201802
長老の合図に獅子の暴れ出す あさなが捷 201803
獅子舞ひてめでたや二日六義園 川村欽子 雨月 201803
舞ひ終へて口に祝儀や獅子頭 前原マチ 末黒野 201804
獅子に噛まれ火吹男にハグさるる 篠田純子 あを 201804
獅子舞の笛に光りて風の木々 森なほ子 あを 201804
獅子舞のむんずと掴むのし袋 岡田史女 末黒野 201805
獅子舞に路地の躍つてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
獅子舞の担がれてゆき無抵抗 辻水音 201903
獅子舞のぬつと出てくる宵の路地 賀鈴木崇 201904
獅子舞や子の泣き声をひとかぶり 廣畑育子 六花 201904
獅子舞や歌舞伎のやうに見得を切り 横路尚子 末黒野 201904
飾りけり手に乗るほどの獅子頭 瀬島洒望 やぶれ傘 202003
獅子頭脱ぎて笑顔の町会長 高埜良子 春燈 202004
舞獅子に頭齧られまた泣けり 磯野青之里 六花 202004
獅子舞の噛むより先に泣く子かな 苑実耶 202006
盃を呑む獅子頭より手の出でて 服部早苗 202006
風青し獅子頭厄払ひ臨時祭 長崎桂子 あを 202007
金鱗の殊に和蘭獅子頭 中根美保 風土 202007
獅子舞の噛むより先に泣く子かな 苑実耶 202007
眠る児も噛んでゆきたる獅子頭 あさなが捷 202007
獅子舞のたたら踏みたる二人立て 菅原末野 風土 202203
獅子頭泣き叫ぶ子になほ寄り来 池田光子 風土 202204
花道の幅に獅子舞足踏みす 森田節子 風土 202204
獅子舞のあるいは水の辺に憩ひ 安住敦 春燈 202303

 

2024年1月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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