白蝶・紋白蝶       111句

ポケットの紋白蝶を配る午後    小枝恵美子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
紋白蝶もんしろの紋を汚れといふなかれ 中原道夫 銀化 199905
ポケットの紋白蝶を配る午後 小枝恵美子 ポケット 199911
桧山杉山身を揉んでをり白蝶に 谷川季誌子 200001
紋白蝶独りの生を祝い舞う 尾上有紀子 わがまま 200002
白蝶のぶつかっている煉瓦館 藤田宏 200007
白蝶の空にはじまるコンチェルト 小澤克己 遠嶺 200008
白蝶の小さき姿ビルに消ゆ 長谷川登美 ぐろっけ 200008
白蝶のわがまま気まま始発駅 中原幸子 遠くの山 200010
紋白蝶記憶は前後していたり 北原武巳 船団 200010
たかだかと初白蝶と初黄蝶 藤田宏 200104
白蝶の白置いて来るやうに翔ぶ 後藤立夫 ホトトギス 200108
葬の家紋白蝶の迷ひ来る 二瓶洋子 六花 200109
紋白蝶もつれ少女の一輪車 古川利子 200202
菜畑は白蝶の海入水せり 中原道夫 銀化 200204
伝説の沼より風の紋白蝶 橋本良子 遠嶺 200207
白蝶のただ舞ふ落花より穢れ 坊城俊樹 ホトトギス 200208
古堀の化身の紋白蝶ふたつ 竹内弘子 あを 200208
白蝶や人魚の像の周りなり 岩月優美子 200306
散る藤に紋白蝶の紛れたる 二瓶洋子 六花 200309
夏草に黄蝶白蝶触れながら 杉本ひで子 帆船 200309
葱坊主紋白蝶を乗せて立つ 林敬子 酸漿 200309
白蝶の越え行く先の朱雀門 小林登史子 200312
観世音まどひはじめの紋白蝶 宇都宮滴水 京鹿子 200405
ひらがなを生みし国なり白蝶来 横山淑子 200405
籠の菜に紋白蝶の生まれけり 小澤登代 草の花 200406
動き出す貨車にふはりと紋白蝶 飛山ますみ 遠嶺 200406
紫陽花を立ちて白蝶を知りにけり 清水伊代乃 酸漿 200410
紋白蝶飛んでゐるとの知せあり 南原正子 酸漿 200505
十分に汚れて紋白蝶忙し 野路斉子 200507
白蝶のゆらぎつつ滝のぼりけり 坂部尚子 栴檀 200510
潮騒が不意に紋白蝶となる 松本圭司 200604
いつせいに光ゆれ初む紋白蝶 浜田はるみ 遠嶺 200606
紋白蝶にくつきりと紋常陸晴 福井隆子 対岸 200606
白蝶の翅のひらかぬ不安かな 坂井法 200607
ゆるがせにできぬ紋白蝶の数 吉田明子 200608
朝曇り紋白蝶は羽化する気 黒田咲子 200609
虫塚の供養紋白蝶放つ 加藤美代子 万象 200610
追ひ追はれ紋白蝶は沖を見ず 松本鷹根 京鹿子 200701
日を負ひて上の畦より紋白蝶 大内佐奈枝 万象 200704
紋白蝶汚れてをれば生き易し 荒井千佐代 200706
口笛の高鳴りし空紋白蝶 飛山ますみ 遠嶺 200708
白蝶のひらひら隣の嬰抱きて 今井忍 ぐろっけ 200708
白蝶の上を黄蝶のいそぎゆく 佐藤喜孝 あを 200709
菱バッタ紋白蝶におどろきぬ 佐藤喜孝 あを 200805
白蝶を連れて親子の聖書売 田下宮子 200806
橋あらばあの世この世を白蝶々 峯桜子 遠嶺 200806
墓を出て紋白蝶になつてゐる 堀内一郎 あを 200806
草に来し風白蝶と入れ替る 高村令子 風土 200811
追はるるも遊ぶもありし紋白蝶 毛利すみえ 炎環 200906
いくたびも風乗換へる紋白蝶 赤座典子 あを 200906
紋白蝶日だまりに飛ぶ力溜め 鈴木多枝子 あを 200906
紋白蝶菜の花の黄を身の内に 鈴木多枝子 あを 200906
鈴屋の寂と白蝶ふとよぎり 東野鈴子 雨月 200907
白蝶のもつるる草の深からず 奥太雅 万象 200907
白蝶のふと止るがに半夏生 阿部ひろし 酸漿 200908
白蝶や皇后様の御鍬に 上坂渥子 雨月 200909
飛行船紋白蝶を撒いてゐる 佐藤喜孝 あを 200910
菜を摘める手よりたちたる紋白蝶 武井美代子 万象 201005
紋白蝶乳房を支ふ母の指 森理和 あを 201006
紋白蝶一回りして帰り行く 立川タカ子 酸奬 201008
四面道の渋滞を越ゆ紋白蝶 赤座典子 あを 201009
白蝶の止まることなき曼珠沙華 田中文治 火星 201101
白蝶のわが前を行く平和像 阿部文子 酸漿 201106
欄に白蝶憩ふ耕三寺 黒滝志麻子 末黒野 201107
虫食ひの菜に五日後や紋白蝶 長崎桂子 あを 201108
紋白蝶汚れてをれば生き易し 荒井千佐代 祝婚歌 201110
泣いて行く子に後より紋白蝶 堀田順子 馬醉木 201205
紋白蝶風のぺージをめくりけり 七種年男 201205
三年の更地や黄蝶紋白蝶 柿沼盟子 風土 201207
紋白蝶まだ鍬音に気づかざり 岡澤田鶴 201207
菜園を狭しと紋白蝶舞ふ 羽賀恭子 201209
みつけたり母国と紛ふ紋白蝶 水谷直子 京鹿子 201209
白蝶の地に止まりけり魂まつり 大島英昭 やぶれ傘 201212
からびたる地より紋白蝶翔てり 大島英昭 やぶれ傘 201305
渓わたる紋白蝶のこころざし 高瀬史 馬醉木 201306
人込みの中に生れる紋白蝶 早瀬淳一 船団 201306
紋白蝶ここは港の見える丘 有賀昌子 やぶれ傘 201306
越冬の紋白蝶か初蝶か 神蔵器 風土 201403
みどり児の指すこと覚ゆ紋白蝶 市村明代 馬醉木 201405
舞ひ遊ぶ一年生と紋白蝶 岡野ひろ子 201407
白蝶のあとに白蝶みづみづし 大豆生田耕一 ろんど 201409
守護神のやうに往き来す紋白蝶 山崎靖子 201606
原つぱをときには高く紋白蝶 廣瀬雅男 やぶれ傘 201607
紋白蝶朝のひかりを織り交ぜて 犬塚芳子 201607
白蝶のあんなに遠いところかな 佐藤喜孝 あを 201607
白蝶と黄蝶の微妙なる間合ひ 松原三枝子 万象 201608
ジーンズの歩々に紋白蝶生る 和田照海 京鹿子 201705
祈りとは遥けきを飛ぶ紋白蝶 片山煕子 京鹿子 201707
時止まることなど無しと紋白蝶 柴田靖子 201707
紋白蝶しづかな日向つくりをり 平沢恵子 春燈 201807
舞ひおりて触るるばかりに紋白蝶 遠山のり子 201808
朝まだき紋白蝶のふはふはと 石森理和 あを 201810
紋白蝶群れなし飛びぬ浄水場 大日向幸江 あを 201905
紋白蝶背なにふと来て消えにけり 廣畑育子 六花 201906
しばらくは草におぼるる紋白蝶 佐藤まさ子 春燈 201907
長屋門ふわり飛び出す紋白蝶 伊藤昌枝 201907
枕木にサンバのリズム紋白蝶 山田邦彦 201909
白蝶の舞ひ白菖蒲揺れにけり 山岸明子 201909
紋白蝶おろしたてなる翅ひろぐ 栗原公子 202006
土手は燦燦飛び交ふ紋白蝶 長崎桂子 あを 202007
指伝ふかすかなふるへ紋白蝶 六車佳奈 風土 202007
紋白蝶ひらひら揺れて風に溶け 本郷美代子 やぶれ傘 202007
白蝶や野辺の草より湧き出し 吉田順子 202007
差別無し紋白蝶と黒揚羽 森なほ子 あを 202009
白といふ静けさにあり紋白蝶 山本則男 202010
パンダ舎に居る気配なく紋白蝶 大日向幸江 あを 202105
連れ舞へる白蝶命二つかな 高村令子 風土 202107
せせらぎや黄蝶白蝶毬となり 池乗恵美子 末黒野 202108
縄電車紋白蝶があとさきに 松田那羅生 202110
紋白蝶卑弥呼のくにへ紛れけり 和田照海 京鹿子 202206
水音の近くに生れ紋白蝶 戸栗末廣 202211
紋白蝶碍子の空を漂へる 中村瑞枝 202212

 

2023年4月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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