潮 干  68句

突立つてゐるおとうさん潮干狩    三橋敏雄

作品
作者
掲載誌
掲載年月
潮干潟蕪村の小貝拾ひけり 川口襄 遠嶺 199905
ひんがしに橋の影ある潮干狩 竹内悦子 199907
人散つてみるみる遠し潮干潟 真保喜代子 199907
潮干狩遠くなりゆく夫の帽 谷口知子 火星 200007
連絡船潮干がへりのにほひなり 谷口知子 火星 200007
青空に声すひこまれ潮干狩 大堀由子 200008
首すぢに砂のざらつく潮干狩 岬雪夫 200008
帆を張って船出よろしく潮干狩り 保坂加津夫 いろり 200009
鳶の影ときをり映す潮干かな 中根美保 風土 200106
何か踏みてゐるやも知れず潮干狩 伊藤妙 200206
父さんが山を見てゐる潮干狩 小澤克己 遠嶺 200206
内浦の縮んでをりぬ潮干狩 うまきいつこ 200206
飛びたがる帽子おさへて潮干狩 新海りつ子 馬醉木 200207
潮干狩大きな声の上がりたる 小林朱夏 200305
網かぶる玉葱畑や潮干どき 仙田孝子 風土 200307
潮干潟母と子の距離ありにけり 竹内悦子 200407
潮干潟ふたりで遠く見てゐたり 田中英子 火星 200506
身支度のまづはをかしき潮干狩 木村茂登子 あを 200605
浦島の磯に散らばり潮干狩 品川鈴子 ぐろっけ 200607
潮干狩やめる切つ掛けなきままに 秋千晴 200608
潮干狩迷子を知らす拡声器 石田嘉江 200707
潮干狩顔まで泥をはね上げて 岡田章子 ぐろっけ 200806
潮干狩の子等の着替への重きかな 深見眞弓 200806
夕時の影の重なる潮干潟 岩井ひろこ 火星 200807
西風の強く吹く日よ潮干狩 山田六甲 六花 200903
潮干狩童返りの好奇心 前川ユキ子 200906
ひとつづつ太陽をおく潮干潟 山本浪子 風土 200906
潮干狩り人いつぱいの無人島 有元洋剛 200907
潮干潟休校解除の声弾け 小阪律子 ぐろっけ 200909
潮干狩みごとな足をさらけ出し 苑実耶 201008
尻濡れて来たる日暮の潮干狩 山田六甲 六花 201104
日翳りて引き揚げ刻の潮干狩 林昭太郎 201105
目印は鳥居のあたり潮干狩 柴田志津子 201105
潮干狩帰る合図の帽子振る 久染康子 201107
地震浜よいつか真砂の潮干狩 鎌田慶子 ろんど 201107
もくもくと浜の女ら潮干狩 鎌田悟朗 ろんど 201107
潮干狩バケツの底に藻の付きし 秋千晴 201111
潮干狩草履浮きだす汀かな 松下八重美 夢見の鐘 201203
潮干狩背中を風に曝しけり 木村傘休 春燈 201207
中腰のやがて本腰潮干狩 細川洋子 201207
本気とは他見えぬこと潮干狩 栗原公子 201207
子等跳ねて尻もち一つ潮干狩 安田一郎 京鹿子 201208
潮干きし砂地に足跡鳥居まで 井上あき子 ぐろっけ 201402
太陽を背負ふかたちに潮干狩 町山公孝 201406
片手より両手の本気潮干狩 宮内とし子 201406
長靴の水を出しをる潮干狩 松田泰子 末黒野 201407
潮干潟二円切手は白兎 竹内悦子 201407
にじり寄るお国言葉や潮干狩 梶浦玲良子 六花 201407
負うた子に汐干の先を尋ねらる 江島照美 201407
一望の伊勢湾ただす潮干かな 有本南陵 ろんど 201407
汐干狩つと立ち上がり体操す 谷田部栄 万象 201408
この先の茫洋とある潮干潟 田所節子 201507
差し潮に足を取られし汐干かな 塩野谷慎吾 201507
竹籠の隙間まだまだ潮干狩 岡井マスミ 末黒野 201508
大いなる潮干にがうな困惑し 定梶じょう あを 201508
潮干狩大きな声で呼ばれけり 高倉和子 201605
潮干狩夕日のこして帰りけり 長容川閑乙 馬醉木 201606
遠出の禁犯し三浦に潮干狩 卯月十六 末黒野 201607
千鳥との距離は縮まず潮干狩 渡部節郎 201707
潮干狩砂紋に見とれをりにけり 鎌田光恵 201707
潮干狩太平洋が後ずさる 齊藤實 201807
声割るる島の放送潮干狩 岸洋子 201911
鮫角の灯台真白潮干潟 小林輝子 風土 202006
暮つ方足跡多き潮干潟 久保寺眞佐子 末黒野 202007
日曜の朝のニュースに潮干狩 大日向幸江 あを 202104
いつの間に子ら遠くなる潮干狩 栗原公子 202107
潮干狩未練を探る足裏かな 板谷俊武 末黒野 202204
背を丸め無口になりて潮干狩 星加鷹彦 202302

 

2023年4月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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