椎の実       97句

姉妹椎の実たべて東京の雑誌よんでる    尾崎放哉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
働かなくても良いのに椎の実りたる 能城檀 船団 199812
椎の実を栗と呼ぶ子の手提げ籠 三宅やよい 玩具帳 200004
椎の実や土踏めば立つけもの臭 浜福恵 風土 200012
椎の実のぽろぽろ落つる遊歩道 鈴木多枝子 あを 200111
椎の実を拾ふ童に夢あれよ 村越化石 200112
椎の実が跳ねる盤座鳥たむろ 品川鈴子 ぐろっけ 200112
産土神に椎の実落つる音のせり 久胡さわ江 春耕 200112
椎の実のころげて宿の脱衣籠 森下清子 200201
椎の実を教えてくれた京ことば 須山つとむ 船団 200202
椎の実を食んで大空仰ぎけり 鈴木多枝子 あを 200202
手にまろばすまてば椎の実齋宮址 大橋敦子 雨月 200212
椎の実拾ふ風景になりたくて 高田令子 200401
椎の実を仕舞ふ決断鈍きまま 高田令子 200401
さびさびと椎の実降れる一大樹 平野千恵子 雨月 200401
椎の実を食べ少年の日に還る 山田圓子 築港 200501
椎の実のゆくへ簡単には言へず 市場基巳 200504
椎の実の落ちしばかりを拾ひをり 仲村洋子 百鳥 200602
木の実展試食の椎の実うまかりし 奥村香都子 四葩 200602
手に余る椎の実一つこぼれけり 大山妙子 酸漿 200603
椎の実を拾ひて辿る登り窯 塩由造 万象 200611
神住まふ山の椎の実拾ひ来ぬ 浜福恵 風土 200611
椎の実を漢の大き手が掴む 今井妙子 雨月 200612
何となく椎の実を踏むこぼれ日も 芝尚子 あを 200612
ひとつ掌のすだ椎の実を頒け合へる 宮津昭彦 200701
幻住庵辞すと椎の実十ばかり 森脇貞子 雨月 200701
椎の実をにぎる判官自刃の地 林いづみ 風土 200701
椎の実を食べて子リスのふりをする 篠田純子 あを 200703
七厘に炒った椎の実ふるまはる 竹内弘子 あを 200703
椎の實にいとし子の掌のぬくみあり 瀧春一 200706
椎の実やおろそかならぬ百年後 木村茂登子 あを 200711
椎の実の暮色を溜めて嘆きをり 鴨下昭 200712
椎の実を供物となさむ夫の墓 中村昭子 酸漿 200712
考ふることなく椎の実を拾ふ 高橋照子 雨月 200801
前向きに行き椎の実につまづけり 小林正史 200801
あやかりに椎の実拾ふ幻住庵 中坪一子 200801
椎の実落つ去来祭となりにけり 宮川みね子 風土 200802
幼子の椎の実拾ふいくらでも 水野加代 万象 200802
手の温み残る椎の実貰ひけり 大石喜美子 雨月 200802
椎の実のまだ青い日の立志伝 坪内稔典 稔典句集 200804
椎の実の鬱蒼として男坂 吉成美代子 あを 200811
椎の実炒る腹へこませて飢語り 中田みなみ 200812
椎の実をかみゐて釣瓶落しかな 宮川みね子 風土 200901
椎の実の建礼門の前に落つ 浅田光代 風土 200901
極寒や実の生らぬ椎瘤だらけ 瀧春一 深林 200901
椎の実を噛む移り気な漢かな 石脇みはる 200901
椎の実を拾ふ昔を知る人と 原島ふじ子 遠嶺 200902
椎の実の破裂して約うやむやに 荒井和昭 200902
椎の実の一合ほどの重さかな 荒井和昭 200902
拾ひたる馬刀葉椎の実仰ぎをり 石寒太 炎環 200902
椎の実を拾ふ社の石坂に 天野美登里 やぶれ傘 201001
椎の実を拾ひ寺門へつづく径 矢田かずこ 201001
椎の実の落ちて時雨るる夕べかな 菊谷潔 六花 201001
てのひらの椎の実温し林道 田中臥石 末黒野 201001
山鳩の椎の実こぼす里日和 黒滝志麻子 末黒野 201001
椎の実のまた一粒を拾ひ上ぐ 岡田愛子 京鹿子 201011
椎の実のごとき眼で椎拾ふ 杉本光祥 201101
戦知る椎の実が降る天守跡 小坂優美子 馬醉木 201101
目を合せ椎の実を食む祖母とわれ 長崎桂子 あを 201101
椎の実を拾ふ母子や古墳苑 田下宮子 201102
椎の実や祖母の思ひ出かぎりなく 川村欽子 雨月 201102
椎の実の拾はれぬまま散らばれり 江島照美 201103
椎の実を炒る香りして友の顔 岡野安雅 かさね 201201
椎の実の叩く木椅子に憩ひけり 小川玉泉 末黒野 201201
椎の実は戦後貴重の品なりし 大橋敦子 雨月 201211
椎古木青き実熟るる弥陀の寺 山本麓潮 万象 201212
叶はぬこと馬刀葉椎の実拾へども 渕上千津 201212
産神や椎の実落つる昼も夜も 柴田佐知子 201302
椎の実やアーリントン墓地りす走る 亀田やす子 ははのこゑ 201306
椎の実やわらべ見守る尊徳像 古川干鶴 かさね 201312
鷹ヶ峰三山椎の実椿の実 竹内悦子 201401
吹き溜まる椎の実誰も気に留めず 小川玉泉 末黒野 201401
ぶつぷつと椎の実踏むや下山道 田中清秀 かさね 201401
椎の実を炒れば跳ね出す二三粒 久世孝雄 やぶれ傘 201402
椎の実を降らせて神を眠らせぬ 田岡千章 201404
椎の実を食みて倭の裔なりし 今井洋子 雨月 201502
椎の実をかじるをみなの真顔かな 赤松赤彦 六花 201502
走り根に寄せて椎の実小楢の実 安藤久美子 やぶれ傘 201502
気前よきとは椎の実の落つる音 きくちえみこ 港の鴉 201510
椎の木の洞に降り積む木の実かな 落合絹代 風土 201512
椎の実を芝目の陰に拾ひけり 瀬島洒望 やぶれ傘 201601
椎の実の三本錐の集まれり 田尻勝子 六花 201602
椎の実や足裏くすぐるざくざくと 植木やす子 201611
椎の実炒る腹凹ませて飢ゑ語り 中田みなみ 桜鯛 201701
椎の実の踏きれて白し遊歩道 大霜朔朗 末黒野 201704
椎の実の降るや一張一弛の地 持田信子 春燈 201801
椎の実を煎る少年のピアスかな 岩田洋子 201802
椎の実の塊りを踏む悲恋かな 伊藤希眸 京鹿子 201803
孫笑むや椎の実ひとつ手に隠す 中川のぼる 201811
鳥語降る中を椎の実拾ひけり 手島伸子 雨月 201901
椎の実を踏めば故里甦り 手島伸子 雨月 201901
椎の実の落つるに迷ひなかりけり 相川健 201901
椎の実を転がしている僕の足 つじあきこ 202001
椎の実のよく跳ねる日や句碑日和 和田照海 京鹿子 202001
椎の実を拾へば根つこ付いてくる 光成敏子 202102
椎の実やかじり甘さの遠き目よ 草場つくし 六花 202102
椎の實の甘さ云ひたく早足に 佐藤竹僊 あを 202112
すだ椎の百の走り根木の実降る 岩木茂 風土 202201
手をとりて椎の実見てとおさげ髪 片岡登志枝 末黒野 202301

 

2023年10月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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