芝 桜   83句

オロナインの蓋開いたまゝ芝櫻    金子蛙次郎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
風這はせ色を這はせて芝ざくら 杉本艸舟 ぶどうの木 199806
この村のけふの色なり芝桜 吉田島江 火星 199807
空き缶の文字転げて芝桜 飯塚ゑ子 火星 199907
山鳩がついてくるなり芝桜 仲山秋岳 春耕 199907
急行で五つ目の町芝桜 朝日彩湖 船団 199909
やさしさは少しでいいの芝桜 尾上有紀子 わがまま 200002
空き缶の文字転がり芝桜 飯塚ゑ子 ヒッポ千番地 200006
芝桜洗礼名に眠る孤児 山本雅子 馬酔木 200107
坪畑一線区切る芝桜 関口ゆき あを 200202
会うてすぐ抱きあぐる嬰芝ざくら 高村淳 200307
さはさはと星のおしやべり芝櫻 鈴木輝子 遠嶺 200308
芝ざくら前にひろげて稲荷さま 阿部ひろし 酸漿 200406
足元の風に色あり芝桜 堀百合子 200407
紅白の芝桜咲く上に虻 毛塚静枝 200407
芝桜風車のゆるき影まはる 古川京子 万象 200408
芝桜母の車の軋みがち 森山のりこ あを 200408
引き返す風のありけり芝桜 飯塚ゑ子 火星 200408
芝桜みんな主役の顔をして 丸山佳子 京鹿子 200409
スピッツの家にゐし頃芝桜 片山由美子 200503
芝桜の絨毯いまに飛びたたむ 鷹羽狩行 200505
紅白が丘を二分の芝ざくら 鷹羽狩行 200505
半分は雨に色消し芝桜 稲畑汀子 ホトトギス 200505
芝桜境界線も覆ひけり 秋千晴 200507
石垣に負けずぎらひの芝桜 丸山佳子 京鹿子 200507
芝桜をさな児いつも手をつなぐ 鈴木實 百鳥 200508
ひとところ日に盛り上がり芝ざくら 渡部志津子 200512
芝桜出口へ道のおのづから 椋本一子 雨月 200607
母屋より昼餉のとどき芝桜 大堀由子 200607
遠汽笛丘を彩る芝櫻 石田邦子 遠嶺 200608
芝ざくら未来の地図を広げたる 鈴木ヒサ子 四葩 200609
芝ざくら空引き寄せて水鏡 加藤たかね 風土 200706
芝桜丘一帯に敷きつめぬ 相沢有理子 風土 200707
山裾に一面ぱしと芝桜 佐藤健伍 200708
雑貨屋の濡れ縁親し芝桜 桑原レイ 200708
芝桜見せむと咲かせたる広さ 宮津昭彦 200806
芝桜真正面に武甲山 須賀敏子 あを 200807
息苦しきまでに一面芝桜 栗原公子 200807
石垣にエプロンのごと芝ざくら 小塩世津 200907
どこまでも芝桜金太郎飴 中田禎子 200907
学園を埋め尽せり芝桜 能勢栄子 200907
夕風や天女の舞の芝桜 鈴木多枝子 あを 200907
風染めて山裾に展ぶ芝桜 鈴木良戈 200907
白と紅パッチワークの芝桜 渡部磐空 200907
芝桜犬づれ散歩おことはり 丸山佳子 京鹿子 200908
芝桜起伏の形の風の色 成宮紀代子 200908
曇天や道辺華やぐ芝桜 家塚洋子 酸漿 200908
卒寿夫妻娘と在りて芝桜 印南美紀子 酸漿 201006
雑草の攻め込んでゐる芝桜 田部井幸枝 201008
なんとかなるさ芝桜に囲まるる 本多俊子 201107
三十余名のまれし斜面芝桜 北村和代 ぐろっけ 201108
絵に文字に丘一面の芝桜 遠藤清子 末黒野 201108
夕さりを突く勝ち歌よ芝桜 布川直幸 201204
石垣の 穴太 あのう 積みなる芝桜 江見巌 六花 201208
芝桜蒼天写し色を増す 山本達人 かさね 201307
蓬田の苑の圧巻芝ざくら 佐藤健伍 201307
石垣を丸ごと包む芝桜 丸山酔宵子 かさね 201307
踏まれても花を忘れず芝桜 布川直幸 201403
時空より力を得たる芝桜 大島みよし 201405
触れてみて撫でて愛でゐる芝桜 大島みよし 201405
地の起伏あまさず見せて芝桜 森清堯 末黒野 201407
田の中の主役となりし芝桜 時澤藍 201407
芝桜誰かをいつも励まして 杉本薬王子 風土 201507
富士を据ゑ見渡すかぎり芝桜 森清堯 末黒野 201508
芝桜丘の起伏をそのままに 伊藤由良 末黒野 201508
芝桜人語絶ゆれば色展げ 荒井千瑳子 201607
サーカスの杭の抜かれし芝桜 荒井千佐代 201705
遠目ほど揃うてをらず芝桜 栗原公子 201706
大地傾けて遠景芝桜 稲畑汀子 ホトトギス 201804
芝桜越しに弾みてゐる会話 稲畑汀子 ホトトギス 201804
上ばかり見て芝桜踏んでをり 稲畑汀子 ホトトギス 201804
芝桜ピンクのふちを白がとる 出口誠 六花 201807
芝桜佳人の靴が拡げゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
地上絵のひかりを広げ芝桜 平田はつみ 馬醉木 201907
埒越ゆることも時には芝桜 玉仲里貞義 201907
芝桜令和元年一日目 出口誠 六花 201908
背伸びしても青空ばかり芝桜 森なほ子 あを 202006
足もとに赤白ピンク芝桜 出口誠 六花 202007
丘陵や風のなでゆく芝桜 森清信子 末黒野 202008
芝桜小さき花弁に蝶の口 七郎衛門吉保 あを 202106
田の神の哄笑はじけ芝ざくら 小原芙美子 風土 202107
風わたる丘どこまでも芝桜 湯本正友 やぶれ傘 202108
芝桜ピンクの他に水色も 出口誠 六花 202207
芝桜一本の茎に花五つ 出口誠 六花 202207

 

2023年4月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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