芝 焼(芝火)     64句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
芝を焼く事に始まる起工かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 199902
風の出て風にしたがふ芝火かな 鷹羽狩行 200002
芝焼く火入道崎の崖へ落つ 佐々木ミツヱ 200007
岬の芝焼かるしやりしやりめらめらと 佐々木ミツヱ 200007
もの書けば芝火の匂ひ十指より 鷹羽狩行 200103
わが庭のあつけなかりし芝火かな 鷹羽狩行 200103
途方もなき迅さに芝火走りけり 大橋敦子 雨月 200104
火といへるなめらかなもの芝を焼く 鷹羽狩行 十三星 200105
すぐ消ゆる芝火の行手促して 稲畑汀子 ホトトギス 200202
芝火すぐ消えて狭庭でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200202
芝焼く火たかまれば空翳るなり 丹羽啓子 馬醉木 200204
たちまちに這ひゐる芝火果てにけり 岩永節子 春耕 200205
墨痕の滲むがごとき芝火かな 栗田重二 ぐろっけ 200205
はじまりの終りの芝を焼いてをる 岡本眸 200206
いま出来ること芝焼を見護ること 野路斉子 200206
芝焼の一人芝居をしてをりぬ 八條凛子 銀化 200206
匍匐前進でも侮れぬ芝火 越野蒼穹 銀化 200207
霧深く山は芝焼待ちてをり 井口初江 酸漿 200304
風煽る芝火は海へ走り出す 東尾G子 馬醉木 200305
芝焼くや白日の風操りて 丹羽啓子 馬醉木 200404
芝焼の読み上まはる余勢かな 田村園子 200405
芝を焼く嬉々と煙をくぐる子よ 若林杜紀子 百鳥 200406
焼け残る芝に二度目の火を配る 遠藤とく 200406
芝焼きの明日を占ふ昼の月 山田耕子 京鹿子 200407
焼かれたる芝ひろびろと一の宮 深川知子 雲の峰 200504
午後といふさみしさほどの芝を焼く 岡本眸 200505
燈台を要に芝を焼きにけり 前田青紀 馬醉木 200505
一人棲む一畳分の芝焼いて 藤井智恵子 百鳥 200506
芝を焼くおもひのほかに拡がらず 山田六甲 六花 200602
庭芝を焼いていささか野火とせむ 鎌倉喜久恵 あをかき 200604
庭芝の一隅焼くも一興と 久保晴子 雨月 200605
若草山気取に庭の芝を焼く 青木政江 酸漿 200704
叩かれて踏まれて芝火支配され 布川直幸 200804
芝焼の延期になりし日曜日 椿和枝 200805
風下へ末広がりの芝火かな 木村松蔵 万象 200805
芝焼の煙渦なす夕疾風 緑川啓子 馬醉木 200806
煙草喫ふ火にて故なく芝焼けり 瀧春一 深林 200901
芝焼いて若草山は神と化す 稲畑廣太郎 ホトトギス 200902
芝焼いて本州最南端焦がす 冨山俊雄 春燈 200905
芝焼きや煙突と化すモグラ路 渡部磐空 200907
わが庭の小さきながら芝を焼く 舩越美喜 京鹿子 201004
芝火いま眼中に燃え胸中に 竹下陶子 ホトトギス 201007
芝を焼く太陽もまた燃えてをり 竹下陶子 ホトトギス 201108
芝火燃ゆ米寿のいのち美しく 竹下陶子 ホトトギス 201111
焼芝に花押のやうなしるしかな 有賀昌子 やぶれ傘 201209
芝焼かる後楽園の鳥獣塚 品川鈴子 ぐろっけ 201302
寒さうに広ごりゆける芝火かな 山田六甲 六花 201304
日本地図めく芝焼きしひとところ 穐好樹菟男 馬醉木 201304
名園の歌碑を煙らし芝を焼く 三輪温子 雨月 201305
風向きを計る指先芝を焼く 中山皓雪 201306
これ以上芝焼くことは許されず 稲畑汀子 ホトトギス 201502
足許を少し焦がして芝火消ゆ 稲畑汀子 ホトトギス 201502
芝焼いて若草山の鎮もれる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
芝焼の火の相合うて消えにけり 黒滝志麻子 末黒野 201605
芝焼くや課外授業の火打ち石 吉武美子 201606
芝焼くや素足にほはす聖母像 新谷フクヱ 末黒野 201606
芝焼いて八十路の芦屋マダムかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
芝を焼き庭に手摺の増える家 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
ドローン飛ぶ芝焼く煙かすめつつ 渕田則子 末黒野 201705
一切といふほどでなし芝を焼く 柳川晋 201706
芝焼いて大邸宅の模様替 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
一時帰国先づは庭芝焼きにけり 大内幸子 六花 201805
別人のやうに芝焼取りしきる 岸洋子 201808
芝焼く火警察犬のごと進む 松下道臣 201907

 

2021年3月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。