春装 春の服 春服    84句

人皆の春服のわれ見るごとし   篠原梵   皿

作品
作者
掲載誌
掲載年月
行く人のまだ春装にあらずして 桑垣信子 いろり 199906
水色の風みずいろの春の服 塩見恵介 虹の種 200005
春服の色教へてよ揚雲雀 太宰治 京鹿子 200005
春の服選び疲れて買はざりし 大平保子 いろり 200006
春装のあと蹤きゆけば岬かな 小澤克己 遠嶺 200007
雑沓に春装のわが妻在らず 藤田宏 200104
春の服脱いで喪服に着替へけり 伊藤和枝 百鳥 200106
風の流れて春服の立ち上がる 中島陽華 200107
胸元にゆふかぜ春の服購はむ 染谷晴子 200206
うす色の春服着ても同じ顔 小田元 六花 200206
ときめきや春服海へ向き吹かれ 今瀬剛一 200206
ペルシャ猫春服買うてもらひけり 船山博之 百鳥 200206
春服に地下鉄の風ビルの風 高千夏子 200307
春装や午後より風の少し出て 恒川絢子 対岸 200404
春装のひと悪びれぬ齢かな 戸田和子 200405
外出なき母にも選ぶ春の服 北島上巳 酸漿 200405
アイロンの余熱もて足る春の服 笹村政子 六花 200405
春服の珍しがらる淡き色 細川知子 ぐろっけ 200505
春装のめだつ着流し京男 山田をがたま 京鹿子 200505
春の服合せ鏡に老を見る 菅野正一 帆船 200505
春服の少女に重きバイオリン 高橋喜和 百鳥 200506
春服の師よ海照りの直中に 木内憲子 200506
春服や熊襲の眉を切り揃ふ 原田達夫 虫合せ 200506
春装の人島紬新調す 小澤克己 遠嶺 200605
昨日まで教師でありし春の服 今瀬剛一 対岸 200605
春装の楚々と映えたる萌葱かな 渡辺玄子 酸漿 200606
子の贈る春の服着て焼かれけり 淺場英彦 万象 200606
春装といへど黒着て紅を引く 岸田爾子 200608
表紙絵を決め春装の二書を待つ 小澤克己 遠嶺 200705
マネキンの春服目立つ問屋筋 弓場赤松 ぐろっけ 200706
春服に明るき未来ランドセル 塩野きみ 遠嶺 200706
春装のその香たしかにココシャネル 山下佳子 200707
マネキンの胸見えてゐる春の服 秋千晴 200708
春装といへど前傾たもちをり 吉田明子 200805
戦争を中にはさみし春の服 井上信子 200806
春服の芯ある男だと思ふ 小林奈穂 200806
手作りの花ブローチよ春の服 永岡セッ 酸漿 200806
見るだけと決め店先の春の服 岡本淳子 200807

 虎童子と良子の結婚を祝ひて

春装や第一日の山と海

瀧春一 深林 200901
失礼にあたらぬほどの春の服 山尾玉藻 火星 200904
春服を買ふや恩師を意識して 和田政子 200905
春服のこよなく似合ふ別れかな 加藤みき 200905
風をもて春服となす一日かな 遠山みち子 200905
春装の都会派夫人声若く 野中啓子 200906
春装の刀自にこにこと橋の上 中村恭子 200906
春服や貝の縞々鮮しき 甕秀麿 201006
クラシカルてふ平凡な春の服 遠山みち子 201006
春服をまとひて小犬先駈る 平田恵美子 ぐろっけ 201007
春装のひしめく店も風の中 橋本榮治 馬醉木 201103
南大門市場 ナンデムンシジヤン 春服の極彩色 辻美奈子 201104
古希などは意識の外よ春の服 高橋泰子 201106
布を裁つ鋏軽やか春の服 豊美佐子 万象 201206
春服や銀座を独り者めきて 浅岡麻實 末黒野 201207
春服の随ふ沓のひびきけり 山尾玉藻 火星 201303
春の服乗り換へ駅にどつと出で 渡邊孝彦 やぶれ傘 201306
春服の閉ぢし宮沢賢治集 西村節子 火星 201306
釦掛け違へて出づる春の服 山本鬼之助 201401
人間を浮かしているなり春の服 貝森光洋 六花 201405
春服を纏ひラ行の気分なり 常田希望 201405
春服の貝紫に透くる肌 松田和子 201405
春服を汚さぬ花舗のたまり水 風間史子 201406
助手席に粗畳みせる春の服 能村研三 201505
春服に気取りし犬の散歩かな 仁平則子 201506
店員を逃げて春服買ひそびれ 島田喜郎 201606
愚直にも紺を選りつぐ春の服 藤沢秀永 201607
春風や生涯通し既製服 乳原孝 船団 201612
愚直にも紺を選りつぐ春の服 藤沢秀永 201702
一服を天にふかして春野かな 中田禎子 201706
道端に売る春服に鯉や竜 浅田光代 風土 201904
マリンバ叩く春服の肩いからせて 辻響子 201906
マネキンの新しき服春の風 太田利明 末黒野 201906
春服の子のきて試験終りしと 田中藤穂 あを 202004
掲示板のガラスに映す春の服 林田麻裕 202006
春服にポケットの無し昼日中 小島良子 202006
春服の色を拾うて耳飾り 横山さくら 春燈 202007
春装のポメラニアンの気取りやう 石田静 202104
瞠る目が母娘春装花電車 農野憲一郎 春燈 202206
俯きて接種待つ人春の服 佐藤勝代 末黒野 202206
春装に代へて齢を軽くする 亀井福恵 京鹿子 202207
春装のつどふ大会華やげり 菅野日出子 末黒野 202208
春装となるマネキンの四肢ばらばら 荒井千佐代空 202211

 

2023年2月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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