春 蘭      114句

春蘭の曾ての山の日を恋ひて    高浜虚子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春蘭やとにかく本音吐かざりき 小澤克己 遠嶺 199905
春蘭の匂ふ胎内くぐりかな 小形さとる 199906
春蘭に一粒残る昨夜の雨 小山徳夫 遠嶺 199907
卓上は稲城の心春蘭に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200003
山の辺の春蘭人待ち顔をして 河村泰子 ぐろっけ 200005
掘られたる春蘭の穴鳴咽せり 菅原閧也 200007
春蘭の白き根の浮く岩の上 金國久子 遠嶺 200008
春蘭や足音に耳澄ましをり 鬼頭桐葉 春蘭 200010
母はいま春蘭ごはん欲しいといふ 若森京子 船団 200011
春蘭を騒いで掘つて笹の山 岡井省二 200105
春蘭やどこへ来たかと問ふ媼 白鳥武子 酸漿 200106
春蘭や牛が匂ひを嗅いでをり 竹内悦子 200107
春蘭や地軸の動く日の傾ぎ 鈴木勢津子 200107
踏み入りし春蘭掘に笹の音 桑田眞佐子 火星 200107
武家屋敷臆病窓に春蘭置く 牧悦子 200107
春蘭や母はかなしきもの拾う 森央ミモザ 海程 200108
降り立ちて春蘭を知る稲城 稲畑廣太郎 ホトトギス 200204
春蘭の咲く境内に陶器市 海老澤映草 春耕 200204
春蘭や目で語り合ふ喪の心 村戸裕子 円虹 200205
春蘭の花得て石の位かな 坂田和嘉子 京鹿子 200205
春蘭にさわいでをりし微塵光 奥田節子 火星 200205
春蘭の香れる庭に父送る 井上紘 雲の峰 200205
春蘭の花芽をけさも数へたり 足立登美子 春耕 200205
春蘭の花芽ふくらむ句碑の裾 吉田百合子 春耕 200205
春蘭の一株をもて祀りけり 石脇みはる 200206
春蘭の水揚げてゐる句座のなか 公山礼子 200206
春蘭せ長方形の美容室 谷口佳世子 200207
春蘭は何故に下向き美を隠し 片渕清子 ぐろっけ 200207
春蘭の鉢より部屋の模様替 稲畑廣太郎 ホトトギス 200303
春蘭や記憶の余る神のみち 宇都宮滴水 京鹿子 200304
春蘭に濃すぎる雨後の日差しかな 朝妻力 雲の峰 200305
春蘭と同居しながら土筆立ち 片渕清子 ぐろっけ 200305
春蘭に声挙ぐ八ヶ岳の散歩かな 遠藤逍遥子 風土 200306
雨残る森に春蘭開き初む 岡田万壽美 雲の峯 200306
春蘭や鈴音響く奥の院 田口愛子 栴檀 200405
春蘭の花芽や朽葉押し分けて 塚本富士子 栴檀 200405
一隅の春蘭明かり妻癒ゆる 廣島泰三 200406
春蘭をひつくり返してネコ逃げる 松下幸恵 六花 200406
春蘭の人知れず咲き終りたる 桑添礼子 栴檀 200407
春蘭の楚々とありたる祝の家 森内利之 遠嶺 200407
春蘭や木地師は鑿を研ぎそろへ 中村翠湖 馬醉木 200505
春蘭の目覚め促す風とこそ 辰巳あした 雨月 200505
春蘭の昼を灯して隠れ咲き 高橋澄子 200506
春蘭や昼たけなはの城の跡 阿部ひろし 酸漿 200507
春蘭の一鉢抱いて退院す 浦川哲子 200508
咲きみてる春蘭撮るに跪く 松崎鉄之介 200605
春蘭に水与へかつ神話聴く 村越化石 200605
この先の谷の榊と春蘭と 雨村敏子 200606
春蘭や慈眼さやけき観世音 井出やすはる 酸漿 200606
春蘭の机上に置かれ誕生日 藤原りくを 八千草 200609
春蘭や引っ込み思案の男の子とも 物江晴子 八千草 200610
春蘭の芯の蕾の浅葱色 阿部悦子 酸漿 200704
春蘭や奥つ城に富士耀きて 小林碧郎 馬醉木 200705
一輪づつ殖え春蘭の三年かな 横田初美 春燈 200705
春蘭や遠き蘇州の地に見つけ 中島玉五郎 200705
春蘭のおひたし庭のもので足り 小林草人 200706
春蘭の花芽出でたり震災日 横山迪子 六花 200706
春蘭や行基の寺の石組に 長崎桂子 あを 200706
春蘭の色はネガティブ日陰好き 中田ひさ 200707
春蘭や陶工の指細かりし 菊地惠子 酸漿 200710
春蘭や駆け落ちをして今ここに 坪内稔典 稔典句集U 200804
春蘭に涙をそそぎ吉野山よしの出づ 神蔵器 風土 200905
春蘭や山霊ひそやかに添ひぬ 近藤喜子 200906
春蘭や吾の病める日も癒ゆる日も 小澤克己 遠嶺 200906
春蘭の深山を恋うて俯ける 安達風越 雨月 200906
春蘭の花確かむるまはり道 篠原普美子 酸漿 200906
春蘭と共にひっそり生くるかな 柴田良一 雨月 200907
ふるさとの山春蘭の咲きし頃 須賀允子 万象 200907
春蘭の一花添へらる懐石膳 市川稲舟 201005
賜はりし春蘭の香を大切に 清海信子 末黒野 201006
春蘭や父の遺せし日記帳 中山静枝 201006
春蘭の控へ目が好きかく生きむ 柴田良二 雨月 201006
春蘭の七八年のほほけけり 石脇みはる 201007
春蘭のうすみどりしてこの世かな 竹内悦子 201008
春蘭の庭によき日の続くかな 安武晨子 201008
春蘭に笑顔をもらふ大家族 池田光子 201103
春蘭の淡き花びら咲きつづく 池田光子 201104
追うたでもなきに春蘭隅に咲く 岩本紀子 201106
春蘭や研ぎ澄まされてきし五感 近藤喜子 201106
春蘭や日の斑明るき寺の径 黒滝志麻子 末黒野 201107
春蘭に屈みて地震をやり過ごす 城戸緑 末黒野 201108
春蘭の一株を抱き吉野出づ 武井美代子 万象 201110
春蘭の花芽に触るる安堵かな 松原三枝子 万象 201205
春蘭のうぶ毛光りつ首もたぐ 岩本紀子 201205
春蘭の透明な蜜あふれをり 水野恒彦 201206
母と来し山の春蘭仄めける 石田厚子 馬醉木 201305
春蘭の花芽を抜くる風硬し 鈴木一三 末黒野 201305
春蘭に心の動く齢かな 時澤藍 201306
春蘭や山窪の日は急がざる 福永みち子 馬醉木 201307
春蘭の俯き加減てふ機嫌 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
春蘭や朝日のあたる半日陰 筒井八重子 六花 201406
春蘭や山霊の先づ触れてゆく 近藤喜子 201406
春蘭や金婚の妻六十九 田中臥石 末黒野 201406
春蘭をがんじがらめにして娶る 瀬川公馨 201407
いつも薄暮の春蘭は咲く遠きかな 堀内一郎 堀内一郎集 201412
祈りの手解き春蘭にかがみゐる 中島讃良 ろんど 201505
春蘭の花は葉の色寂しき日 福島照子 京鹿子 201505
正も邪も呑みこんでゐる春蘭 寺田すず江 201506
春蘭や日の回りけり笑ふなり 寺田すず江 201506
春蘭や亡き母の性つがざりし 太田昌子 馬醉木 201506
春蘭の切なげに咲く岩間かな 室伏みどり 雨月 201507
春蘭や錠と鍵屋のおかみさん 庄司久美子 201605
春蘭やまだ恋しらぬ薄みどり 近藤喜子 201606
春蘭のまだ日に慣れぬ硬さかな 森清信子 末黒野 201608
春蘭を備前の壺に古道具屋 川西栄江 末黒野 201707
放りおきし春蘭花をつけにけり 志方章子 六花 201707
春蘭や閻魔堂への谷の道 庄司久美子 201905
春蘭の音を拾って調律師 川島由紀子 船団 201906
春蘭の恥ずかしげなり花もたぐ 寺田すず江 201906
春蘭や小さき灯りの展示場 平野秀子 末黒野 201907
春蘭のかきわけ蕾たしかむる 鈴木愛子 202005
砥部焼きの鉢に咲く春蘭の花 吉田幸恵 やぶれ傘 202007

 

2021年3月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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