秋 耕     113句

生涯を修行一途に秋耕す    伊万里梅城

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋耕や土のぬくもり鍬つたひ 長沼紫紅 199902
秋耕の夕陽均して村豊か 小林鳳円 京鹿子 199903
雪渓を白馬に上げて秋耕す 神蔵器 風土 199911
女体めく秋耕されし起伏の丘 上原瑞子 199912
秋耕の土のくろさをふりかへり 西村純吉 199912
趣味とする程の百姓秋耕す 上市良子 俳句通信 199912
秋耕に日矢厳かや日暮来る 中里カヨ 酸漿 200001
尼院僧院相聞く鐘に秋耕す 本橋怜加 「牡丹 200003
秋耕を終へし轍が舗装路に 川瀬里江 俳句通信 200012
秋耕や蜂に螫されて歸る牛 男波弘志 200012
秋耕の地の膨みや風渡る 島崎晃 遠嶺 200101
新妻の畝まっすぐに秋耕す 高木悠悠 200101
秋耕の正午きつちり鍬を置く 清水公治 200101
秋耕の農夫居並ぶ夕日影 中里カヨ 酸漿 200101
したたかに生き秋耕の鍬と鋤 小澤克己 遠嶺 200101
猪の荒し畑秋耕の手間はぶく 山口秀子 酸漿 200111
秋耕や自足にはげむ修道女 中島徳子 酸漿 200112
秋耕の後ろにつづく足袋の跡 菊地英雄 酸漿 200112
秋耕や土塊に蠅とまりゐる 大串章 百鳥 200112
秋耕の僧をはげます尉鶲 塩谷はつ枝 馬醉木 200201
秋耕や石灰に手を染めながら 小浦遊月 酸漿 200201
曲り瓜妻は椀ぎをり秋耕す 小浦遊月 酸漿 200201
秋耕の一人の鍬の光るとき 伊田和風 円虹 200202
秋耕の後先のあり土の色 渡辺玄子 酸漿 200202
門川に秋耕済みし鍬浸す 春田淳子 春耕 200202
秋耕の大地の広さ畝長き 渡辺玄子 酸漿 200202
秋耕の鍬に力のこもりたる 増田久子 酸漿 200211
秋耕や共にはゆけぬ旅もあり 戸村よねこ 遠嶺 200211
石のごとく秋耕の土固まれり 丸本博子 200302
秋耕を終へて夕影曳く家路 稲畑汀子 ホトトギス 200310
一せいに秋耕の音響きあふ 永田あき 酸漿 200310
秋耕に抜けし楔を打ち直す 加藤サヨ子 築港 200311
秋耕の打込む鍬に石火花 石渡雁聲 築港 200311
秋耕や三毳の山の裾を打つ 小林共代 風土 200311
秋耕や土黒々と鍬に乗る 川合広保 雲の峰 200312
秋耕の人に芭蕉の句碑を問ふ 川合広保 雲の峰 200312
秋耕の俄農婦に鍬重し 大関とし子 築港 200312
秋耕や鍬の楔(くさび)を打ち直し 岡本明美 雲の峰 200312
秋耕の影まだ動く夕間暮 遠野萌 200312
修道士秋耕の一日暮れにけり 小林朱夏 200312
秋耕の遠きひとりへこころ寄す 山口速 200401
秋耕の飯豊嶺に雪来てゐたり 柏村与一 草の花 200401
秋耕や道一本の雑木山 田中矢水 遠嶺 200401
雨のあとはや秋耕をしてゐたり 高橋信佑 あを 200401
秋耕の畑なにを撒く鵯の声 中里カヨ 酸漿 200406
秋耕の大地に画く畝真直ぐ 水原春郎 馬醉木 200412
秋耕の腰立たざるを遠見せり 三留早苗 200501
秋耕のすぐに影絵となりにけり 田中のりえ 200501
秋耕やプロ野球何時終りしか 稲畑廣太郎 ホトトギス 200510
秋耕も手つかぬ地震の地なるべし 稲畑汀子 ホトトギス 200510
秋耕に土驚いてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200510
秋耕の人折り返すとき光る 林昭太郎 200512
わが影を日時計となし秋耕す 飛鳥由紀 200601
秋耕や海に日の落つ島暮し 古賀勇理央 百鳥 200601
秋耕に島の聖鐘流れゆく 森脇貞子 雨月 200601
秋耕に飛行機雲の伸びゆけり 大西裕 酸漿 200601
秋耕や翅あるものの地に伏して 戸村よねこ 遠嶺 200606
秋耕や決して後ろ振り向かず 小宮山勇 遠嶺 200612
越えて来し嶺を遥かに秋耕す 間宮陽夫 馬醉木 200612
秋耕の鍬を短く使ひをり 山田弘子 ホトトギス 200703
半日は秋耕もして句碑を守る 山田弘子 ホトトギス 200703
秋耕や除けし醜草顔馴染み 中島玉五郎 200711
秋耕やかやつりぐさを抜く仕事 金井充 百日紅 200711
秋耕の日暮を背負ふだけ背負ひ 布川直幸 200712
秋耕の土の香空に吸はれゆき 小椋夏 200801
秋耕や父の忌日の大落暉 佐藤ナオ子 遠嶺 200802
秋耕や丈夫に生んでくれし母 山仲英子 200809
媼ふたりの秋耕鳳仙花を残し 藤田宏 200810
秋耕や我が家にも灯の点り初む 赤羽正行 遠嶺 200901
秋耕の折り返すとき天仰ぐ 鷹羽狩行 200910
なだらかに秋耕終へし畑黙す 遠山みち子 200911
秋耕の今年限りと鍬を執る 亀卦川菊枝 末黒野 200912
校長に秋耕といふ余生あり 城台洋子 馬醉木 200912
秋耕の尻はしょりすが和尚とは 柴田良二 雨月 201001
秋耕の残り根深く張つてをり 中野京子 201001
秋耕の畑の濡れをり北の大地 伊藤紫都子 201002
秋耕の夕日まみれとなりにけり 白石正躬 やぶれ傘 201002
秋耕や高々と盛る畝の土 内藤三男 ぐろっけ 201011
秋耕や日照りつづきの土埃 寺岡ひろし 雨月 201012
秋耕のヒト科ヒト属ヒトとして 中野京子 201012
混沌の野に秋耕のひとりかな 久津見風牛 201012
秋耕や山に兜れて小休止 松岡和子 201101
秋耕や祖の守りたる黒き土 遠山みち子 201112
秋耕の土の匂や遠筑波 堺昌子 末黒野 201112
秋耕のふたりの間合ひ富士小さし 松本三千夫 末黒野 201201
来年のことには触れず秋耕す 佐川三枝子 201202
秋耕の遊ぶに似たるトラクター 白澤よし子 馬醉木 201211
秋耕の石打つひびきてのひらに 南うみを 風土 201211
塹壕をしのぶ漢の秋耕は 古井公代 ぐろっけ 201212
札所への道秋耕の燃やす煙 森岡正作 201212
秋耕の人らいづれも山を負ひ 松岡和子 201301
秋耕の土塊深く浅く掘る 岩下芳子 201312
秋耕の鍬の楔を確と打つ 水谷靖 雨月 201312
秋耕のとつても固き水の惑星 山本久江 201312
秋耕のひと鍬土の黒きかな 佐藤喜仙 かさね 201401
秋耕の遠くてみんな祖父に見ゆ 定梶じょう あを 201412
秋耕の夕影使ひ果すまで 松井志津子 201511
遠嶺見るとき秋耕の手を重ね 原友子 201512
秋耕や昼餉うながす声届き 白石正躬 やぶれ傘 201602
金婚の夫健啖に秋耕す 田中佐知子 風土 201611
秋耕のひとりにチャイム谺せる 白澤よし子 馬醉木 201612
秋耕や軽目の鍬を選びたる 笹倉さえみ 雨月 201701
秋耕のをとこ帽子を飛ばさるる 田村園子 201701
秋耕を下校の子等に励まされ 秋山信行 やぶれ傘 201712
秋耕の腰に手をやる男かな 廣畑育子 六花 201801
秋耕やひと畝ごとに背を伸ばし 秋山信行 やぶれ傘 201901
秋耕のサラダが育つ土の中 辻響子 201912
秋耕や小枝に上着かけしまま 秋山信行 やぶれ傘 202101
空ばかり見る秋耕の手を休め 稗田寿明 202112
秋耕のおのが夕影削りゆく 中村重幸 202112
秋耕の土の生命の真新し 澤田英紀 202112
秋耕の石塊ひとつなかりけり 三井所美智子 202205
俄か農土曜日曜秋耕す 黒澤次郎 やぶれ傘 202212

 

2023年9月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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