石楠花       149句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
石楠花の尾根越え拝す摩利支天 植田のぼる 雨月 199807
石楠花や肩に夕日が冷えてをり 松岡隆子 199908
石楠花や檜皮寄進に子の名書き 落合由季女 雨月 199909
神様に遠い国石楠花の咲くかな 河西志帆 京鹿子 200001
深山石楠花苗字をつければ大和かな 河西志帆 京鹿子 200001
石楠花や深山ぐもりの徳音寺 中御門あや 俳句通信 200007
石楠花や澎湃として雨後の霧 西田もとつぐ 俳句通信 200007
石楠花の風やはらかき奥比叡 小川昭江 200007
堂寄りの石楠花の芽に近づきぬ 西田美智子 200007
石楠花や今が見頃と誇りゐる 久保田一豊 いろり 200008
石楠花は高嶺の花と咲きにけり 木内美保子 六花 200008
ふと見れば紅き石楠花重たげに 久保田一豊 いろり 200008
山峡を領し石楠花咲ききそふ 木村杏子 雨月 200008
色ありし石楠花咲けば白かりき 二瓶洋子 六花 200009
石楠花に花のうちなる血のまだら 日吉わたる 船団 200011
石楠花の百の蕾や雪籠り 村越化石 200104
石楠花の寒さの寺をめぐりけり 山尾玉藻 火星 200106
石楠花や健康診断始まりぬ 物江昌子 六花 200107
石楠花や一点の紅先駆けつ 山陰石楠 200108
石楠花を競り落したる植木市 佐藤貞子 雨月 200108
石楠花の人無き山に群れてをり 伊藤敬子 遠嶺 200109
石楠花や頂へなほ天の階 岡田貞峰 馬醉木 200110
石楠花や女高野の坂瞼し 青野良子 帆船 200207
石楠花や川音静か宝生寺 田中洋子 200207
石楠花やわれに試練の英彦の磴 下田水心子 円虹 200208
石楠花の散り下手といふ裏の貌 大井貞一 京鹿子 200209
石楠花の雨に打たれて無残なり 小田島成子 百鳥 200209
石楠花の女人高野で妻と会ふ 藤井忠 円虹 200305
石楠花や睡毛を濡らす午下(ごか)の風 朝妻力 雲の峯 200306
石楠花の花芽とどろく勢(きほ)ひにて 有働亨 馬醉木 200306
石楠花や村に伝への種子島(たねがしま) 川瀬さとゑ 雲の峯 200307
石楠花や苔豊かなる新羅門 伊藤月江 雲の峯 200307
石楠花に明るき沼の夕まぐれ 原茂美 雲の峯 200307
石楠花や雨の兆せる室生村 伊藤とら 雲の峯 200307
石楠花の尾根支ふごと咲きつづく 平居澪子 六花 200308
石楠花に対し生死の話など 山陰石楠 200309
石楠花に鳴りて過ぎしは道者鈴 岡田貞峰 馬醉木 200310
石楠花や仙水峠に見る日の出 清水和子 酸漿 200310
石楠花を十一面さまと思ふ 奥田筆子 京鹿子 200401
石楠花を咲かす玄関村役場 谷口秋翠 築港 200406
石楠花に明くる早さや霧ながら 岡本眸 200406
石楠花や老後のはなし飽きてきし 江坂衣代 百鳥 200408
石楠花に高野の雨の容赦なし 玉置かよ子 雨月 200408
石楠花の紅こまやかに犬病めり 淵脇護 河鹿 200408
石楠花にホースの水の音流れ 竹中一花 200409
礼服のままに石楠花見てゐたり 瀬下るか 200409
石楠花一歩一歩をたのしめり 須賀敏子 あを 200409
石楠花の大毬前に宿の庭 岡田房子 酸漿 200410
石楠花は植物園の主賓にて 塩川雄三 築港 200507
石楠花のうるさき紅に囲まるる 鹿野佳子 200507
寺男萎え石楠花を軍手摘み 品川鈴子 ぐろっけ 200507
ちぎれ雲石楠花の影残しけり 黒澤千世 帆船 200507
石楠花や女人高野の鎧坂 持田e子 風土 200508
石楠花の山へさそはれ肌寒し 助口弘子 火星 200508
石楠花の坂を一団少年僧 長田曄子 火星 200508
山寺の石楠花に置く錆ごころ 山崎靖子 200508
石楠花や越の山々重畳と 河合大拙 百鳥 200509
石楠花は三國越え來るひとの手に 瀧春一 菜園 200509
姫石楠花日ぐれのごとき昼の雨 永田二三子 酸漿 200510
石楠花に室生寺の旅恋ふことも 稲畑汀子 ホトトギス 200605
父植ゑし石楠花囲み一家撮る 杉谷文江 200607
石楠花の池を囲みて五重塔 長崎桂子 あを 200608
石楠花の香氣浄土の此処にあり 長崎桂子 あを 200608
石楠花の花の大きに大き虻 辰巳あした 雨月 200608
石楠花の磴下りたまへ観世音(室生) 荻野嘉代子 春燈 200609
石楠花の抱きしづめる氷室口 小林和子 風土 200609
ブルーマウンテン石楠花の花ざかり 堀内一郎 あを 200609
まぎれなく石楠花咲けり蘆の中 瀧春一 200706
石楠花の色彩にふれ石山寺 佐藤健伍 200707
石楠花や嘆きは天を向いてをり 瀬戸悠 風土 200709
残心さながら石楠花の返り花 山崎靖子 200803
石楠花に脈打ちゐたる虻の尻 山田六甲 六花 200805
石楠花の初咲僧に教へらる 高木千鶴子 酸漿 200807
石楠花や賓頭盧に雨降りかかり 丑久保勲 やぶれ傘 200808
石楠花の雨に打たるる彌陀の前 中村風信子 馬醉木 200808
石楠花のためらひがちにひらきけり 町田美枝子 遠嶺 200808
石楠花や母の箪笥に母子手帳 高橋秋子 200811
石楠花や警策ひびく山の寺 木下忠雄 酸漿 200811
のぼりけり石楠花の咲く築山に 瀬島洒望 やぶれ傘 200907
石楠花の艶研ぐ雨に法話聴く 松本鷹根 京鹿子 200908
ほのくらき石楠花の森さまよひぬ 小澤昭之 200908
石楠花や女人高野は奥の奥 須賀敏子 あを 201007
石楠花の色に少しくときめけり 鈴木阿久 201007
石楠花の群れて日蔭の行者みち 和田森早苗 201007
石楠花の花毬なして咲きこぞる 渡辺暁 酸漿 201007
石楠花の蔭に在はせる道祖神 清水侑久子 201009
石楠花や鎖を辿る岩場道 廣瀬雅男 やぶれ傘 201009
石楠花の落ちて大きな色となる 嶋田一歩 ホトトギス 201010
石楠花や笛と太鼓の音合はせ 林日圓 京鹿子 201103
女人高野石楠花色を深めけり 清水美子 春燈 201103
石楠花の蕾紅差し春立てり 浅野恵美子 酸漿 201104
石楠花の真っ赤が宙に揺れ揺るる 近藤豊子 雨月 201107
石楠花や瓦ずれゐる地蔵堂 丑久保勲 やぶれ傘 201108
石楠花に午後の日ぬくき遠忌かな 杉浦典子 火星 201108
石楠花の薫る神前厳かに 伊吹之博 京鹿子 201109
石楠花の紅白公館車寄せ 品川鈴子 ぐろっけ 201206
石楠花の蕾に雨のやはらかし 郡山真帆 かさね 201207
石楠花や水車の砕く日のひかり 松本三千夫 末黒野 201208
石楠花は室生に承くと僧のいふ 寺岡ひろし 雨月 201208
石楠花の花房おもし雨上がり 池内とほる かさね 201208
石楠花のほほけそめたる人出かな 藤原若菜 春燈 201208
石楠花や開け放されし靖邸 小松昭子 風土 201208
石楠花の道過ぎ尾根へ九十九折 甕秀麿 201310
石楠花を越ゆれば展けアンナプルナ 坂根宏子 野山の道 201404
大岩も小岩も石楠花冷えの中 布川直幸 201405
石楠花の苗木を植うる塔のもと 服部鹿頭矢 馬醉木 201406
石楠花を眩しみ行くや湖ほとり 森礼子 雨月 201408
石楠花や宇治に一つの雲もなし 片山煕子 京鹿子 201408
カンバスに石楠花の影重ね置く 柴田久子 風土 201507
石楠花に歓声老いの山ガール 羽賀恭子 201508
石楠花は恋の最中(さなか)の色なりぬ 廣畑育子 六花 201508
女人高野石楠花の白さかな 寺田すず江 201508
石楠花や日時計の指すお昼時 有賀昌子 やぶれ傘 201510
石楠花の群落の先明日の峰 甕秀麿 201510
石楠花の蕾はじける万華鏡 中川のぼる 201602
二合目を埋むる石楠花風静か 長尾タイ 末黒野 201604
石楠花のつぼみの中や信綱寺 鈴木庸子 風土 201607
石楠花や湖に入り日の翳深く 高橋恵美子 馬醉木 201608
石楠花やをみなばかりの写経の間 市村明代 馬醉木 201608
石楠花の紅の繚乱岨の道 菅野日出子 末黒野 201608
石楠花の開ききつたる重たさよ 山下良江 万象 201608
石楠花の花の息づき日を撥ぬる 松原三枝子 万象 201608
石楠花や秩父連山雲に浮き 大島寛治 雨月 201608
石楠花や産土神に日が降るよ コ井節子 馬醉木 201707
石楠花の金剛峯寺は雨の中 秋川泉 あを 201707
石楠花や梵字一字の磨崖仏 林八重子 馬醉木 201708
石楠花の急な坂道尼の墓 廣畑育子 六花 201708
石楠花に雨降る坂を窯場まで 藤井美晴 やぶれ傘 201708
石楠花の奥も石楠花女人寺 林八重子 馬醉木 201709
石楠花の奥も石楠花女人寺 林八重子 馬醉木 201709
石楠花に白山の霧おりてくる 大坪貞子 万象 201710
胎内をくぐり石楠花めくらまし 山田六甲 六花 201806
やん事無き色石楠花に出でにけり 山田六甲 六花 201806
高村山荘石楠花のいろ真くれなゐ 大森三保子 馬醉木 201808
石楠花やとびとびに読む敗者の碑 吉田葎 201809
石楠花の色に明けゆく吉野かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
石楠花の花の莟に冬の風 早崎泰江 あを 201901
石楠花の色に明けゆく吉野かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
賓頭盧を撫で石楠花の山登る 丑久保勲 やぶれ傘 201907
石楠花へ曲る細道三輪車 田中藤穂 あを 201908
石楠花は女人高野をやさしうす 高橋将夫 201909
石楠花は百の石段降りてより 天野美登里 やぶれ傘 202007
石楠花や木喰仏の深き笑み 木村傘休 春燈 202008
石楠花や道標のなき岨の道 岡野里子 末黒野 202008
石楠花や鬼の伝説この地にも 岡井マスミ 末黒野 202108
石楠花や不意に明るむ坂の道 平野秀子 末黒野 202108
屋久島の石楠花庭に丈遅々と 鈴木石花 風土 202110
咲きそろふ日本石楠花のみの露地 鈴木石花 風土 202110
小国町「新札」石楠花賑々し 七郎衛門吉保 あを 202207

 

2023年5月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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