蝉生まる      65句

大気汚染調査樹けやき蝉生る    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
風筋の一瞬の紅蝉生まる 小澤克己 遠嶺 199909
蝉生まる佳き教材を授かれり 福島鶴代 ぐろっけ 199911
蝉生れて鳴いては死んで仕舞ひたり 保坂加津夫 いろり 200009
適塾の軒端六尺蝉生まる 戸田春月 「光陰」 200012
蝉生れて昔むかしの忘れ物 鳴海清美 遊び蔓 200105
蝉生る山に狼煙の立ちにけり 松原仲子 200210
蝉生る当尾の風になじみつつ 谷野由紀子 雲の峰 200210
蝉生る精神医学研究所 戸田和子 200310
蝉生れて大合唱に加はりぬ 薬師神和美 百鳥 200310
蝉生る山に狼煙の立ちにけり 松原仲子 200312
蝉生まれその日に神は召されしと 山田六甲 六花 200408
赤松の幹の光りて蝉生る 諸冨清子 対岸 200409
蝉生まる夜は馥郁と匂ひけり 天野きく江 200410
蝉生れて鳴くだけ鳴いて一ト世果つ 大西正栄 雨月 200411
蝉生まれ己が殻をつかみをる 高橋将夫 200508
蝉生るるより鳴きたつる鳴きたつる 大橋敦子 雨月 200509
幾千の祈りのありて蝉生まる 近藤公子 200510
幸村の抜け穴跡や蝉生まる 西畑敦子 火星 200510
蝉生るや鳴くだけ鳴いて一ト世果つ 大西正栄 雨月 200511
蝉生れて飴色鋳型のこりけり 楠原幹子 200601
天地のここにも恵み蝉生まる 村越化石 200608
暁の蝉生る鈴を振るやうな 田原陽子 200610
まどひなくひすいの兒の蝉生れる 吉岡一三 200610
この時を過去とよぶ夜も蝉生まる 天野きく江 200708
烏瓜の葉の先端にて蝉生る 松崎鉄之介 200710
蝉生る羽根のびるまで私のもの 松原仲子 200711
たまねぎと女体の密度蝉うまる 金井充 百日紅 200711
幾千の祈りのありて蝉生まる 近藤公子 200808
地の中の湿り纏ひて蝉生るる 北川とも子 ぐろっけ 200810
蝉生れ明方の木をのぼりをり 青木陽子 酸漿 200810
背なの傷ためらひもなく蝉生まる 五ケ瀬川流一 六花 200911
前世でお会ひしたかも蝉生まる 近藤公子 201009
群星のゆりかごに蝉生まれけり 松原仲子 201009
午前三時蝉生れたらしチチと鳴く 中尾廣美 ぐろっけ 201110
翅乾くまでの静寂蝉生るる 宮井知英 201110
傘立ての傘にすがりて蝉生まる 丹生をだまき 京鹿子 201110
蝉生るる時を孤独に耐へつづけ 安部和子 雨月 201111
透きとほる翅おもむろに蝉生るる 鈴木加代子 末黒野 201112
吾一人ひかりと来たり蝉生る 安田一郎 京鹿子 201211
七年のタイムトンネル蝉生る 古沢幸次 ろんど 201211
蝉生まれけり金丸座の幟 飯塚ゑ子 火星 201309
蝉生るる命の重み振はせて 村上悦子 雨月 201311
蝉生れし穴に小枝を挿しにけり 山本耀子 絵襖 201404
神木のか細き注連や蝉生まる 丸井巴水 京鹿子 201409
葉を抱へ葉を突き刺して蝉生るる 大橋晄 雨月 201410
蝉生れしばかりを曾孫に手渡せり 高橋照子 雨月 201411
蝉生まる明日はいつも眩しくて 寺田すず江 明日葉 201505
一幹の蝉生きどころ死にどころ 上坂渥子 雨月 201509
蝉生るる薄きみどりの翅透かせ 宮本加津代 万象 201511
蝉生まれ朝のひかりを捉へをり 早川八重子 末黒野 201511
月光の蒼きを纏ひ蝉生る 平田はつみ 馬醉木 201610
幼な子の声に囲まれ蝉生る 戸栗末匿 201611
蝉生れて必死の構へ梅の木に 塚越弥栄子 末黒野 201704
小筆もつ静かな力蝉生まる 今瀬一博 201708
一週間ながらへるべく蝉生まる 齋藤厚子 201710
身を裂きて我は生まれし蝉の殻 江島照美 201710
蝉生れて七日ほどなる大宇宙 祐宗千代子 雨月 201710
蝉生まる天使のやうな翅つけて 小山直子 末黒野 201711
くわつと背ナ割れて空蝉生れゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
生まれたることの讃歌や蝉時雨 大橋淳一 雨月 201811
蝉生るる西院の河原の無縁仏 鈴鹿呂仁 京鹿子 202008
逆上り初めて出来て蝉生る 赤座典子 あを 202009
蝉生まる森の緑を透かしつつ 原博美 風土 202011
蝉生るる夜はしらしらと濡れゐたる 北村操 202207
珠の眼を闇に見開き蝉生るる 六車佳奈 風土 202210

 

2023年6月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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