聖五月 3    202句

四万十川の底の明るき聖五月    長谷部朝子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
園児らがポニーを囲む聖五月
大木千鶴子
雲の峰
200209
聖五月足裏に沁みる森の音
安原ときこ
遠嶺
200209
聖五月養女二人を持つ牧師
菅谷弘子
雨月
200209
新調のピンクの旅装聖五月
刈米育子
200302
聖五月参道寂と瑞巌寺
小沢きく子
200307
メレンゲの円錘形に聖五月
矢崎すみ子
200307
森ありて水ありてこそ聖五月
村越化石
200307
聖五月キトラ古墳の星座盤
竹田圭子
帆船
200307
姉となる気丈の幼聖五月
伊藤いな栄
酸漿
200307
雑草といふものはなし聖五月
佐々木国広
築港
200307
ババロアにミント香らす聖五月
黒崎よし江
雲の峯
200307
エメラルドグリーンの大樹聖五月
宮川秀穂
200308
聖五月グリニッジの丘を独り占め
いしだゆか
遠嶺
200308
聖五月母となる娘を迎へけり
山田怜子
遠嶺
200308
金鍬を生簀にあづく聖五月
柴田由乃
風土
200308
あざらしの肉声ねだる聖五月
戸田和子
200308
文学の犠牲となる子聖五月
平居澪子
六花
200308
しんかんと道交差して聖五月
仲村青彦
200308
静寂は太刀切っ先に聖五月
瀬口ゆみ子
ぐろっけ
200308
自筆なる新居表札聖五月
山崎泰世
200309
白花の揺れに酔ひゐる聖五月
三井孝子
六花
200309
聖五月羽化するやう朝の洗濯
矢野千佳子
京鹿子
200310
スカーフの結びきりりと聖五月
西山美枝子
酸漿
200405
銅像に音叉を打ちぬ聖五月
高千夏子
200406
白無垢は美の最善や聖五月
大橋敦子
雨月
200407
あをい目の猫と目のあふ聖五月
東亜未
あを
200407
「乱」てふ乱れぬ舞や聖五月
東亜未
あを
200407
マタニティふんはりと着て聖五月
北川キヨ子
200407
聖五月耳に透けゐるイヤリング
木村てる代
雲の峰
200407
新郎の指輪きらめく聖五月
木村てる代
雲の峰
200407
オリーブの風真向ひに聖五月
酒井多加子
雲の峰
200407
制帽に白線二本聖五月
前阪洋子
雲の峰
200407
亡母のパジャマ水色聖五月
関口みよ子
帆船
200408
北国に白き花満つ聖五月
小山百合子
遠嶺
200408
みほとりに玻璃のきらめき聖五月
荻野照
遠嶺
200408
聖五月海賊の手のすべり台
松下幸恵
六花
200408
はらからは山の出で立ち聖五月
有島多美
河鹿
200408
聖五月園児来てゐる眼の高さ
丸山冬鳳
京鹿子
200409
あご上げてバイク走らす聖五月
林裕美子
六花
200409
ハミングのやうな水音聖五月
平万紀子
200409
恋生れし教会古りぬ聖五月
田中芳夫
200507
聖五月一木一草祈るなり
村越化石
200507
篤農家ミサへ馬車発つ聖五月
荒川文雄
200507
背伸びして少年育つ聖五月
宮坂恒子
200507
惑星の配置につきし聖五月
中尾公彦
200507
聖五月聖堂の鐘高らかに
小滝奈津江
酸漿
200507
森の気をもらふ朝や聖五月
宮倉浅子
遠嶺
200508
カリヨンの母校に響く聖五月
梅原美子
200508
ザビエルの鐘鳴りわたる聖五月
堀田清江
雨月
200508
洗ひたてのカーテン揺れて聖五月
清原彰子
河鹿
200509
聖五月白いポケットチーフさし
牛田修嗣
200509
花束は女性のみとや聖五月
稲畑廣太郎
ホトトギス
200605
白鳥の白きらめきて聖五月
鈴鹿仁
京鹿子
200606
脚細きグラスの響き聖五月
坂ようこ
200607
人も木も鳥も保菌者聖五月
丸山佳子
京鹿子
200607
聖五月少年の声響きけり
高木智
京鹿子
200607
結納の鶴のはばたく聖五月
吉原一暁
200607
夫婦して平和を祈る聖五月
徳田正樹
河鹿
200608
透きとほるナースの声や聖五月
高橋瑛子
河鹿
200608
手品師が白鳩抱へ聖五月
川越さくらこ
河鹿
200608
研修の首下げ名札聖五月
次井義泰
200608
ウエディングドレスを試着聖五月
峰尾秀之
200608
聖五月天使の白を着こなして
森下康子
200608
聖五月夫と連弾してをりぬ
佐野静子
遠嶺
200608
珠玉なる俳句入門聖五月
大久保恵美子
遠嶺
200608
ふるさとは土も玲瓏聖五月
藤岡紫水
京鹿子
200608
聖五月嫁に胎動告げらるる
太田絵津子
200608
シャンパンの泡の弾けや聖五月
梁瀬照恵
ぐろっけ
200608
人溢る嗣治遺展聖五月
山崎辰見
ぐろっけ
200608
祝福のライスシャワーや聖五月
木村迪子
酸漿
200608
新緑のやさしき重さ聖五月
平居澪子
六花
200608
楢に花櫟に花や聖五月
谷田部栄
万象
200705
張つてゐるふたつの乳房聖五月
岩木茂
風土
200707
聖五月馬上の人となりにけり
大塚洋子
酸漿
200707
水の面に風の追伸聖五月
柳里笙
200708
賞状を書く手真剣聖五月
佐藤健伍
200708
シャガールのやうな抱擁聖五月
竹下昌子
200708
働く手の汚れ易しや聖五月
笠井操
200708
聖五月父は生まれて死ににけり
苑実耶
200708
ナプキンの白帆並べる聖五月
船越和香
馬醉木
200708
初めての紺色スーツ聖五月
前川ユキ子
200807
奈良ホテルの誇る景観聖五月
松田和子
200807
聖五月フレスコ画より風生るる
小澤克己
遠嶺
200807
椅子の背の高く垂直聖五月
荒井千佐代
200807
日矢降りて湖の真柱聖五月
北川英子
200807
ふがふがとオルガンの鳴る聖五月
栗原公子
200807
聖五月木戸の音立て蝶番
齊藤實
200807
二人目は女の子だよ聖五月
片岡やす子
200808
一斉に翔つ鳩の群聖五月
北川キヨ子
200808
聖五月弥撒に明るき絵蝋燭
山本康夫
200808
ブーケトス高きに上がり聖五月
本橋葉月
遠嶺
200808
アンティークドールの瞳聖五月
町田美枝子
遠嶺
200808
海照つて納戸の奥の聖五月
小形さとる
200808
聖五月しぶける水の色自在
前川明子
200808
新装のパン屋の香り聖五月
濱上こういち
200808
とろとろと与謝の海あり聖五月
山路紀子
風土
200808
千号の親しき重み聖五月
丸山佳子
京鹿子
200808
砂よりも貝殻白し聖五月
田中よしとも
酸漿
200808
聖五月巴里のみやげの黒ショコラ
金子輝
春燈
200808
入船も出船も真白聖五月
青森公子
200809
聖五月水の瞳に出会ひけり
佐山苑子
遠嶺
200809
生かされて白寿の句碑や聖五月
浅井青陽子
ホトトギス
200810
ひざまづきをりしは男聖五月
白数康弘
火星
200906
花嫁の眩きばかり聖五月
松田洋子
200907
真っさらのエンディングノート聖五月
伊藤憲子
200907
風として海より生るる聖五月
佐藤午後
炎環
200907
ピン刺されをり聖五月の試着室
萩尾亜矢子
炎環
200907
聖五月内から卵つつく音
北川英子
200907
牛の仔の鼻輪もらひし聖五月
千田百里
200907
列柱なすパイプオルガン聖五月
秋葉雅治
200907
腕時計に昨日の疲れ聖五月
玉井江吏香
200907
囈言を聞いたと言はる聖五月
佐藤喜孝
あを
200907
聖五月鏡の中に般若をり
東亜未
あを
200907
愛想よきナースの黒子聖五月
有田蟻太
200908
眠る嬰かすかに笑みて聖五月
柴崎英子
200908
聖五月愛聴盤にノイズ有り
鳥居秀雄
200908
青年の胸のクルスや聖五月
林佳枝
酸漿
200908
聖五月いのち静かに池の鯉
石橋公代
春燈
200908
十字架の形でシヤツ干す聖五月
松田都青
京鹿子
200909
カリヨンに森の膨らむ聖五月
木村公子
花貝母
200911
聖五月セーヌの星になられしと
稲畑廣太郎
ホトトギス
201005
聖五月枕高くも低くすぎず 丸山佳子 京鹿子 201006
聖五月丘のチャペルの祝婚歌 田下宮子 201007
入院を決めかねてをり聖五月 小林成子 201007
良き笑顔の人と出合ひし聖五月 中村喜美子 春燈 201007
縁といふ見えぬ糸あり聖五月 四條進 201007
聖五月火鉢の灰を洗ひ干す 東亜未 あを 201007
聖五月転ばぬさきの杖持ちて 芝尚子 あを 201007
ブラウスは薔薇染の赤聖五月 刈米育子 201008
木洩れ日の中の母子像聖五月 関根洋子 風土 201008
聖五月点滴一滴づつひかる 松本圭司 201008
キャラメルに天使の意匠聖五月 鳥居秀雄 201008
抽斗も胸も空つぽ聖五月 小林正史 201008
納戸神に隠れ十字や聖五月 森幸 雨月 201009
聖五月名画のごとき母子なり 小滝奈津江 酸漿 201009
聖五月水ゆたかなる星に生れ 佐藤美紀 ろんど 201009
黒猫の背は思考中聖五月 宮田香 201107
皆明日へ向つて歩く聖五月 穐好樹菟男 馬醉木 201107
現世は男と女聖五月 四條進 201107
高台の墓新しき聖五月 山田孝枝 酸漿 201107
聖五月白洲正子の展覧会 及川澄江 風土 201108
嫁ぎゆく姪つ子いとし聖五月 藤原繁子 春燈 201108
牧師へとめざす娘の聖五月 林美智 ぐろっけ 201108
聖五月バージン・ロードいと長し 細川知子 ぐろっけ 201108
聖五月草も木も子も耀けり 池内結 ろんど 201108
聖五月拳開きて眠る稚 大川暉美 末黒野 201108
聖五月神は奇数を愛で給ふ 松田都青 京鹿子 201109
職退きて踏み出す一歩聖五月 石川かおり 201207
天草は伴天連の島聖五月 田下宮子 201207
少女らの素直な返事聖五月 亀井紀子 201207
女学生胸張り歩む聖五月 小山繁子 春燈 201207
おひさまのゆびわを描く児聖五月 藤見佳楠子 201208
ジャズが似合ふメリケン波止場聖五月 和田孝村 春燈 201208
人の才眩しみてをり聖五月 清海信子 末黒野 201208
シャガールの墨絵の女聖五月 河合とき 末黒野 201208
忙しさも幸せのうち聖五月 山本茂子 末黒野 201208
三百年先の日食思ふ聖五月 成田美代 201208
マルクスも遠くなりけり聖五月 佐々木紗知 京鹿子 201208
花嫁の白の眩しき聖五月 仲田眞輔 ぐろっけ 201208
口髭横顔ヘルンの遺影聖五月 栗山恵子 雨月 201208
おふくろと呼ばるる日待ち聖五月 頓所友枝 冬の金魚 201209
聖五月姉は乱れを見せず逝く 白水良子 201210
おふくろと呼ばる日待つや聖五月 頓所友枝 201301
聖五月祈りの日々となりゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201305
百の燭の百の祈りや聖五月 上山永晃 鶴翼 201305
水撒いて畑に虹立つ聖五月 生田作 風土 201401
聖五月翼下の灘は地図通り 能村研三 201406
聖五月生れ日入りの卵買ふ 千田百里 201407
譲られし席にまどろみ聖五月 中田みなみ 201407
木洩日のひと日の小径聖五月 石川かおり 201407
聖五月すこやかに身を血のめぐり 田所節子 201407
もてなしの鄙の団子や聖五月 森田利和 201407
ピアスして退院の朝聖五月 飯田美千子 201407
聖五月天地しかと分れたり 有松洋子 201408
目を合わせ両手に握手聖五月 田中繁夫 末黒野 201408
高僧の数珠の輝き聖五月 栗原京子 201408
カウベルの音が風にのる聖五月 飯塚ゑ子 火星 201408
一本の棒に影ある聖五月 本多俊子 201408
粗草やかにたの村の聖五月 すずき巴里 ろんど 201409
聖五月三人寄りて介護論 岡山敦子 京鹿子 201409
樟の葉の青き恩光聖五月 齋藤晴夫 春燈 201409
聖五月人生はまだ途上かな 槇野あさ子 風土 201501
腹の子はサッカー好きや聖五月 中谷富子 201507
聖五月風一山を輝かせ 竹内タカミ 201507
聖五月萬年橋のスカイツリー 和田政子 201507
幼児に家鴨つきゆく聖五月 萩庭一幹 馬醉木 201508
限りある命かみしめ聖五月 亀井紀子 201508
調教のいななき近し聖五月 高野春子 京鹿子 201508
聖五月絆よろこぶ句座なりし 山下健治 春燈 201508
聖五月銀座に老舗パール店 甕秀麿 201508
聖五月薔薇園にある募金箱 田中佐知子 風土 201508
糸杉はゴッホの焔聖五月 生田作 風土 201508
どんな日もすべて特別聖五月 島照美 201508
聖五月アンダースローの手首なる ねじめ正一 船団 201508
聖五月ポプラは風を誘ふ木 林昭太郎 201510
聖五月 →4      

 

2021年5月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。