小夜時雨    72句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
サントリーホール出づれば小夜時雨 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
小夜しぐれ妻への電話怠りて 小澤克己 遠嶺 200002
小夜時雨煌々と灯の何事か 谷榮子 雨月 200201
小夜時雨微笑遺影の妻聞くや 大橋宵火 雨月 200201
小夜時雨母の独り居患ひをり 久保田雪枝 雨月 200202
小夜時雨せめて心は湿らせず 酒井礼子 200202
傘とりにゆく程もなし小夜時雨 鈴木喜三郎 ぐろっけ 200302
耳鳴りのふと止みにけり小夜時雨 芝尚子 あを 200302
読さしの本を閉づれば小夜時雨 網野茂子 酸漿 200304
小夜しぐれ一つ枕に耳預く 宇都宮滴水 京鹿子 200312
ふと思ふ父征きし日の小夜時雨 小山漂葉 酸漿 200402
ぐつぐつと豆の煮えきぬ小夜時雨 平田はつみ 馬醉木 200402
しづけさや街灯に見る小夜時雨 山口マサエ 雲の峰 200403
「着信あり」の明滅憂きや小夜時雨 佐藤仁 200503
いねがての戸締りに聞く小夜時雨 芝尚子 あを 200601
篠笛の東の廓小夜時雨 塩由造 万象 200602
小夜時雨君が瞳を濡らすとき 稲畑廣太郎 ホトトギス 200611
さつくりと白身のフライ小夜時雨 宮澤さくら 遠嶺 200703
きらめきをネオンに集め小夜時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 200711
小夜時雨橋の向こうに花街の灯 藤見佳楠子 200901
小夜時雨道行く人のくぐもれり 日山輝喜 200902
小夜時雨亡き友をるらし止り木に 西村純太 200902
おのづから家路せかるる小夜しぐれ 舩越美喜 京鹿子 200904
命毛のゆるりとぬける小夜時雨 岸本幸 ろんど 201001
小夜時雨ありしや朝の雨戸繰る 筒井八重予 六花 201002
終の住処決めしと文や小夜時雨 上田明子 雨月 201002
祭壇の翔先生や小夜しぐれ 橋本良子 遠嶺 201002
信玄の秘湯の宿や小夜時雨 片野美代子 酸漿 201003
返却日過ぎてなほ読む小夜時雨 佐藤恭子 あを柳 201003
いつしかにとつぷり暮れて小夜しぐれ 舩越美喜 京鹿子 201003
奥飛騨の酒は辛口小夜時雨 藤本一城 201003
深大寺の蕎麦啜りをり小夜時雨 田中臥石 末黒野 201004
小夜時雨軒借る店の紅を買ふ 藤見佳楠子 201102
はやばやと居間にこもりて小夜時雨 林美智 ぐろっけ 201102
小夜時雨人恋しとも疎しとも 鷹崎由未子 花野 201112
ウィンカー灯る車列や小夜時雨 五十嵐章子 201202
小夜しぐれ鼠の意地におこさるる 丸山佳子 京鹿子 201211
小夜しぐれ増えし薬に身をあづけ 平野伸子 馬醉木 201302
小夜時雨月命日の妣話題 植田雅代 ぐろっけ 201303
島唄の三味しみじみと小夜時雨 大木さつき ホトトギス 201305
小夜時雨赤いスクラップ帳たたむ 陽山道子 船団 201306
小夜しぐれねむりつがむと目をとづる 丸山佳子 京鹿子 201312
滲み出るペンの先から小夜時雨 藤井杏愛 京鹿子 201501
露座佛を音なく洗ふ小夜時雨 藤岡紫水 京鹿子 201501
雨戸打つほどの雨音小夜時雨 國保八江 やぶれ傘 201502
切なげに立ち尽くすパイロン小夜時雨 呉文宗 春燈 201503
自販機に人待つ明かり小夜時雨 笹村恵美子 201503
車庫入れの音に目覚めぬ小夜時雨 波多野孝枝 末黒野 201505
微酔ひのネクタイ外す小夜時雨 松本三千夫 末黒野 201603
大坂で終へし旅路や小夜時雨 沼田巴字 京鹿子 201612
小夜時雨道はわづかに上り坂 小山陽子 やぶれ傘 201701
東海道品川宿や小夜時雨 中嶋陽子 風土 201702
瓦斯灯のあかり滲むや小夜しぐれ 庵原敏典 末黒野 201704
眠剤に割線のある小夜時雨 細川洋子 201801
退院のまだゆるされず小夜時雨 山口地翠 春燈 201802
小夜時雨言葉のいらぬ刻はやし 片桐てい女 春燈 201803
事故跡の献花にそそと小夜時雨 市川夏子 末黒野 201803
斎場へ集ふ家族や小夜時雨 伊吹之博 京鹿子 201804
天空のホテルの窓を小夜時雨 伊藤希眸 京鹿子 201901
豆乳の湯葉となる間や小夜しぐれ 千田百里 201901
高層や音無く煙る小夜時雨 中谷未知 末黒野 201902
靴底の鋲鳴らしゆく小夜時雨 能村研三 201902
人形のかんざし震ふ小夜しぐれ 鷺山珀眉 京鹿子 201902
咬みしめる文の甘さよ小夜時雨 藤井杏愛 京鹿子 201903
一見はならぬ通りや小夜時雨 仲里貞義 202001
寄席果てて潤む街の灯小夜時雨 高木邦雄 末黒野 202003
東山三十六峰小夜時雨 田中信行 202004
小夜しぐれ古都に馴染の店に入る 善野行 六花 202005
小夜時雨教皇ミサの昂りに 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
音もなく甍を濡らす小夜時雨 秋山蔦 春燈 202102
小夜時雨深夜電車のレール音 七郎衛門吉保 あを 202201
能果てて街は音無き小夜時雨 高木邦雄 末黒野 202203

 

2022年11月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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