さより    51句

先赤きあごより尾までさよりかな    川崎展宏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
傷みやすい七十男と針魚食ぶ 金子兜太 海程 199906
白木蓮散るこだわりの高さより 保坂加津夫 いろり 199906
腕時計置いてきし夜のさより鮨 杉浦典子 火星 199908
清まし汁具には結びて鱵かな 稲畑汀子 ホトトギス 200002
釣り上げしものに加はる鱵かな 稲畑汀子 ホトトギス 200002
光りつつ針魚の吻が迫り来る 白澤良子 200007
火傷して針魚がそばに来たような 坪内稔典 船団 200007
口吻をなほ研ぎあげよ鱵より 中原道夫 銀化 200104
眼の青きままに細魚の簾干し 岩村節子 200104
海青し群るる針魚の縞の渦 市橋章子 ぐろっけ 200106
雲の峰針魚の群れの一列に 大串章 百鳥 200108
曳売にさよりは嘴を重ねたり 小倉行子 風土 200204
銭入れの空缶に音さより売る 小倉行子 風土 200204
金色の鉢に藻塩と鱵かな 延広禎一 200206
釣れてゐないやうで釣れたる針魚かな 田中呑舟 火星 200206
畦道に声を掛けくる針魚売 大竹節二 春耕 200206
水揚げの鱵ひかりの束となる 近藤暁代 馬醉木 200207
猪口ぐいと次は鱵の握りから 稲畑廣太郎 ホトトギス 200207
鱵とは神出鬼没の槍騎兵 河内童楽 六花 200210
細き身を捩りて鱵釣られけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
さより釣り上げて一日の釣果かな 稲畑汀子 ホトトギス 200302
月光を浴びて鱵の一夜干 山戸暁子 円虹 200305
鍾乳洞通り過ぎたる鱵釣 堀義志郎 火星 200305
美しき鱵の干物かごの中 今井久良子 酸漿 200306
あげ潮に乗りて煌めく細魚かな 林敬子 酸漿 200405
さよりさより波のほつれ目縫ふやうや 工藤進 200408
糶安値鱵は口を尖らせて 一民江 馬醉木 200508
笹一枚褥としたる小針魚かな 北上良一 四葩 200603
潮待ちの日差しゆれをりさより舟 杉浦典子 火星 200605
海底の鱵の影を数へけり 泉田秋硯 200705
さより舟東京湾に雨走る 岡本一路 京鹿子 200707
細魚からうすき烟が見てをりぬ 佐藤喜孝 あを 200707
三月や天心にいるさよりたち 坪内稔典 稔典句集 200804
わだつみの光こぼして細魚かな 北島正太郎 炎環 200904
霊山の清水棲み処に針魚影 塩路隆子 200911
入れ食ひの冬のさよりへ竿携ふ 吉田政江 201002
水面を海老跳び逃げる追ふ針魚 堀志皋 火星 201106
ほろ苦き味は細魚の刺身かな 天野美登里 やぶれ傘 201206
色白の板さん握る針魚かな 今井春生 201305
秋潮に鱵湧きをり芦屋浜 堀志皋 火星 201401
遠雷にあをむ鱵の一夜干し 山尾玉藻 火星 201403
いかだ舟ゆれて早瀬に鱵くる 中谷富子 201405
さより食む海の光の色を食む 江島照美 201505
群れゐてもさより一匹づつ光る 内山花葉 201805
針魚来る浮桟橋の揺れの先 高田令子 201605
干細魚焙りて海の香をたたす 亀井福恵 京鹿子 201806
細魚並べて金正恩似の男 岡田一夫 201807
二十四の瞳のやうに針魚透き 奥田筆子 京鹿子 201907
さより干す鞆の女でありにけり 竹下陶子 ホトトギス 202007
さざ波の光となりてさより寄す 南うみを 風土 202105
淡白も男伊達なり鱵船 楠本和弘 202206

 

2023年2月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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