さやけし     92句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
暦日の句の自在境さやけしや 大橋敦子 雨月 199909
花嫁のベールさやけし礼拝堂 花島陽子 遠嶺 199911
さやけしや抱きし嬰とダンスして 田中矢水 遠嶺 200001
さやけしや奥まで澄める獣の目 岡山裕美 俳句通信 200010
さやけしや義仲寺に見る翁杖 中御門あや 俳句通信 200011
さやけしや口笛吹きし配達夫 小川花久 いろり 200011
讃美歌の流るる葬さやけしや 谷榮子 雨月 200012
貝塚のさやけし第四間氷期 石山惠子 遠嶺 200105
さやけしや写経を終へし母の顔 児島千枝 春耕 200110
さやけしや岸に海鵜の羽繕ひ 阿部悦子 春耕 200110
浜風のさやけし野外コンサート 山田天 雨月 200112
さやけしや紫衣の袖より数珠光り 細川コマヱ 雨月 200201
さやけしや水の速さの色に出て 片山由美子 200202
目を瞠る先端医療さやけしや 辰巳比呂史 200202
さやけしや海馬の芸のしなやかに 金川眞里子 百鳥 200212
縷を引けば高虚子の句碑さやけしや 古田考鵬 雨月 200212
仏心に背かず生きてさやけしや 下平しづ子 雨月 200301
せせらぎの音のさやけし水芭蕉 山本昭夫 雲の峯 200308
さやけしやモンローもゐて天井絵 柴田由乃 風土 200311
さやけしや古代瓦の波模様 渡辺周子 雲の峰 200311
直哉様と漱石の文さやけしや 竹内喜代子 雨月 200312
さやけしや五百余通のラブレター 上原カツミ 帆船 200401
さやけしや書を読みて時わすれたる 長崎桂子 あを 200411
多羅葉に旅さやけしと一行詩 西村しげ子 雨月 200501
鉄棒の着地きまりてさやけしや 高橋将夫 200501
イチローの人気世を駆けさやけしや 久保晴子 雨月 200501
さやけしや乾き初めたる麩饅頭 中島陽華 200501
陵王の土鈴さやけし初詣 辻井桂子 雲の峰 200503
さやけしや古里で買ふ藁草履 浜崎芙美子 対岸 200511
『JAPAN』の句味読音読さやけしや 沼口蓬風 河鹿 200512
さやけしや火山は貌を蒼く剃り 沼口蓬風 河鹿 200601
さやけしや黒子の白き足袋の裏 鎌須賀礼子 万象 200602
円柱を廻りさやけし国生めり 西村純太 200602
さやけしや愛の絵手紙語りくる 舟橋千枝子 八千草 200603
平服のチャペルの挙式さやけしや 篠田純子 あを 200611
さやけしや王子男瀧の音浴びる 芝尚子 あを 200611
誦んじ得たる律詩朗吟さやけしや 久保晴子 雨月 200612
さやけしや皇子誕生に湧く列島 北村香朗 京鹿子 200612
前髪の櫛目さやけし七五三 大塚民枝 酸漿 200701
さやけしやわだかまりなき一と日とて 青垣和子 雨月 200701
朝まだき鳶の一と声さやけしや 加藤禮子 春燈 200712
湯上りの背に虫の音のさやけしや 四條進 200712
文化勲章胸に遺影のさやけしや 森脇貞子 雨月 200801
さやけしや天眼鏡手に案内さる 水野加代 万象 200802
さやけしや介護の粥と離乳食 篠田純子 あを 200811
さやけしや梁山泊の喫茶店 後藤眞由美 春燈 200812
さやけしや妙好人の住居跡 花岡豊香 酸漿 200901
さやけしや始発電車に急ぐ人 河村多惠子 200911
さやけしや能楽堂の板に立つ 東亜未 あを 200912
さやけしや髭の独歩の肖像画 遠藤和彦 遠嶺 201001
犬猫を繋ぎて露店さやけしや 山口天木 雨月 201003
さやけしや夜の映像の馬頭琴 犬嶋テル子 春燈 201012
衆僧の譜曲の唱和さやけしや 大畑善昭 201012
さやけしや森林太郎とのみの墓 稲次登美子 雨月 201012
さやけしや大聖堂へ寄せる濤 中島霞 ぐろっけ 201101
さやけしや甘き香りの玉露汲む 村井一之 末黒野 201101
さやけしや目を閉ぢ宇宙のこゑきかむ 近藤きくえ 201112
さやけしと書かば児の髪匂ふかな 井上菜摘子 京鹿子 201201
さやけしや橋に武将の名の遺り 丸尾和子 雨月 201201
仄明り観音菩薩さやけしや 粟倉昌子 201211
さやけしや子供の歌ふ「シャンゼリゼ」 辻前冨美枝 201211
さやけしや五百羅漢と向き合ひて 杉本光祥 201211
さやけしや朝日の透くる山毛欅の森 中野久雄 末黒野 201301
遅参にも拍手さやけし嬉しやな 東野鈴子 雨月 201302
少年野球に少女が二人さやけしや 島谷征良 風土 201302
さやけしや着付師帯をぽんと打つ 田岡千章 201402
さやけしや十七文字の結ぶ縁 涌羅由美 ホトトギス 201403
さやけしや夫の口髭ほめそやす 和田政子 201411
さやけしや諸味しぼりの吊り手石 能村研三 201411
磴下る少女のこむらさやけしや 紅谷芙美江 万象 201412
さやけしや朝市に買ふ青き花 紅谷芙美江 万象 201412
漱石居縁に風音さやけしや 水野節子 雨月 201412
さやけしや無垢の柾目に仏間成り 浅井青二 雨月 201501
さやけしや筆圧強き父の文 苑実耶 201502
さやけしや対岸の灯は隅田の灯 井上信子 201512
さやけしや切り口揃ふ和紙千枚 山田和 京鹿子 201601
譲り合ふ気持があればさやけしや 高橋将夫 201612
さやけしや古刹にメモを取る少女 中山皓雪 201612
水琴窟の音さやけしや杜若 伊川玉子 万象 201708
さやけしや朝刊はまづ羽生の手を 石田きよし 201712
さやけしや貝塚抱く総の国 藤原照子 201712
さやけしやカルボナーラの赤胡椒 赤座典子 あを 201712
妻の客みんな健なりさやけしや 佐藤淑子 雨月 201811
甲子園反り身の校歌さやけしや 園部蕗郷 春燈 201811
さやけしや毘沙門天の横坐り たかはしすなお 201912
さやけしや白一色の点字本 角野良生 202005
さやけしや楷書のごとき佇まひ 菅原健一 202111
神主の声さやけしや地鎮祭 小澤えみ子 202112
さやけしや行間匂ふ新刊書 三代川玲子 春燈 202112
さやけしや上毛三山背伸びして 小菅澄重 春燈 202112
さやけしや学校田の風が鳴る 浜田はるみ 202211
さやけしや赤子の垂らす涎さへ 善野行 六花 202301

 

2023年9月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。