挿 木       35句

放縦な夜の汐鳴り挿木以後   河合凱夫   飛礫

作品
作者
掲載誌
掲載年月
こごまりて膝の親しき挿木かな 鷹羽狩行 199904
紫陽花の挿木の世話などして老いぬ 大堀鶴侶 雨月 200009
痛き膝折りてながめる挿木鉢 河合笑子 あを 200101
挿木して土の念力戴きぬ 山室キミ子 銀化 200105
六日目は雨となりたる挿木かな 伊藤和枝 百鳥 200106
挿木する明日へのこころ淡くして 能村登四郎 羽化 200110
挿木する旅籠に吊す縄梯子 皆川盤水 春耕 200205
根付きたる挿木ひそかな色動く 橋本佐智 円虹 200307
何の木か思ひ出せない挿木付く 中田みなみ 200404
松の枝に神鶏のゐる挿木かな 山尾玉藻 火星 200405
露晴の長過にくし挿木して 佐藤俊雄 帆船 200409
挿木せし木槿根付きぬ風通る 鎌倉喜久恵 あを 200410
活花の残り挿木に雨催 波田美智子 火星 200506
夜気どこかづきんづきんと挿木あと 北川英子 200506
挿木して体温いつも三十五度 柴田久子 風土 200508
峡ふかく挿木済みたる地靄かな 後藤秋邑 百鳥 200508
百年の枝葉如何にと挿木せり 品川鈴子 ぐろっけ 200604
挿木するこの木私を知り過ぎて 森一枝 八千草 200708
挿木して待つ日待たぬに積もる日々 渕上千津 200805
バレリーナてふ薔薇もらひ挿木せり 石川元子 酸漿 200808
挿木してふるさと振りの木槿咲く 岸本久栄 雨月 200910
挿木して四十年の額の花 須賀敏子 あを 201008
挿木して祖の椿を弥栄に 鳥居おさむ ろんど 201103
挿木して夕べゆつくり使ひけり 城孝子 火星 201106
挿木して根をはるまでの親心 高橋将夫 201607
挿木して見たこともなき花が咲く 柳川晋 201608
挿木して館育んでゆけるもの 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
挿木して庭の未来の始まれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
吾子生れし時の挿木は大木に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
挿木して育まれゆくワイナリー 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
挿木して命の神秘いのりつつ 中川のぼる 201907
挿木せし鉢の薔薇の真くれなゐ 草柳忍 201910
引越しの隣家に貰ふ挿木かな 太田良一 末黒野 202008
根付きたる去年のとなりに挿木せり 林いずみ 風土 202106
挿木して朝な夕なに見遣りをり 浜崎喜美子 202107

 

2022年4月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。