猿 酒     60句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
猿酒いちにち雲の遊びけり 南出律子 199811
猿酒匂ふ月夜となりにけり 白澤良子 199905
猿酒や丹波の闇は山より来る 田中藤穂 水瓶座 200002
遜悟空になりきつて酌む猿酒 川口襄 遠嶺 200002
猿酒汲まむこよひの月の痩 伊藤格 200010
生国は丹波も奥のましら酒 山田弘子 円虹 200101
猿酒や聖なる茶色の黄河かな 大谷昌弘 海程 200101
猿酒山に見慣れぬ灯の揺るる 高橋とも子 200107
口下手の猿酒の場所知つてゐさう 亀丸公俊 銀化 200201
猿酒に松のおおかた翳りたる 岩月優美子 200301
ましら酒己が己諭しをり 小山徳夫 遠嶺 200302
猿酒や祖谷の落人暮しをる 桑田青虎 ホトトギス 200302
ましら酒一壺得たれば誰も来よ 伊藤白潮 200311
ましら酒縄文太鼓の軽き音 高松由利子 火星 200312
猿酒を醸せし森に踏入りぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200410
猿酒のころや棚より忘れ酒 森下賢一 春燈 200412
猿酒やマイナスイオン濃き辺り 近藤喜子 200601
かもされしもの猿酒と聞くばかり 稲畑汀子 ホトトギス 200610
猿酒といはれ信じるほかはなく 稲畑汀子 ホトトギス 200610
ましら酒不調法には候へど 伊藤白潮 200610
猿酒真疑ともかく呑むことに 田中芳夫 200612
杣を継ぐ子の無き嘆きましら酒 安達実生子 200701
胸中に鷹棲まはせて猿酒 玉川悠 遠嶺 200702
猿酒に酔ひうたかたのごと会話 本郷桂子 ホトトギス 200704
猿酒に魂を抜かれてをりしかな 本郷桂子 ホトトギス 200704
猿酒山の神様夜ごと酌む 佐土井智津子 ホトトギス 200705
猿酒に夜毎の星の雫かな 佐土井智津子 ホトトギス 200705
猿酒を醸造中の洞ある樹 高橋道子 200801
猿酒と笑うて杣の注ぎくるる 井上浩一郎 ホトトギス 200803
猿酒を酌む手が伸びる尾が生える 稲畑廣太郎 ホトトギス 200910
猿酒と言ひて丹波の銘酒かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200910
ひとり居の仮庵に飛蝗と猿酒 佐藤恭子 あを 200912
抜露地のましら酒売る女かな 柳川晋 200912
猿酒小指なんぞを立ててをる 栗栖恵通子 200912
ましら酒一瞬奈落へ竦む夢 森理和 あを 200912
ましら酒腹より絞る芸の息 角谷美恵子 ぐろっけ 201112
猿酒や八方尾根の裾泊り 蓮尾みどり ぐろっけ 201201
猿酒甲斐の山並あかく昏れ 岡山敦子 京鹿子 201203
猿酒を酌んで浮世を遠くして 山田佳乃 ホトトギス 201203
ましら酒吉野熊野と舐め比べ 南うみを 風土 201211
山の宿猿酒などとしらつぱくれ 折橋綾子 201212
木々の奥もしや猿酒醸造所 高橋道子 201401
比賣神の手づから醸す猿酒 柳川晋 201401
裏山の風は藍いろ猿酒 柴田佐知子 201411
蓼科の宿の猿酒皆居りし 折橋綾子 201412
猿酒に酔ひ曼荼羅にまぎれ込む 高橋将夫 201511
猿酒や里山とても森深く 窪田佳津子 雨月 201602
師の話す猿酒てふを疑はず 西住三恵子 201611
ましら酒丹後若狭と舐め比べ 南うみを 風土 201701
秘されたる仏の裏に猿酒 柴田佐知子 201701
蒟蒻に遊ばるる箸ましら酒 森岡正作 201711
谷覗くための吊橋猿酒 荒井和昭 201712
鐘の音に醸されてゆくましら酒 河原敬子 201804
悪酔の虎に変身猿酒 荻布貢 201911
縄文人君も呑んだか猿酒 知念哲庵 船団 201912
猿酒ひさぐ丹波路初霞 谷口一献 六花 202004
手の込んだ肴にあらず猿酒 森岡正作 202010
杣人の講釈ながし猿酒 橋添やよひ 風土 202201
猿酒に酔うて葉守の出で来むか 大濱たい子 春燈 202211
登仙の心地こそすれ猿酒 坂井博 202301

 

2023年9月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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