サルビア       60句

サルビアの咲く猫町に出でにけり   平井照敏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
湧水群見てサルビアの赤に会ふ 山本潤子 いろり 199911
サルビアのそこが危いバス曲がる 星野早苗 空のさえずる 200002
屋上にサルビア燃えて退院す 松下幸恵 六花 200002
サルビアの道なりに映ゆ遠い母 伊藤希眸 京鹿子 200009
千年紀サルビアの赤鮮らしく 伊藤希眸 京鹿子 200009
サルビアの狂気はじまる十七歳 伊藤希眸 京鹿子 200009
未完の苑風にサルビア動かざり 伊藤希眸 京鹿子 200009
サルビアの奏でる彩に不眠の歩 伊藤希眸 京鹿子 200009
サルビアの火の辺り鳩あゆむかな 藤田宏 200011
サルビアの赤を重しと思ふ日よ 山田弘子 円虹 200109
祈祷所へサルビアの緋のつづきけり 名和節子 200111
観光の大風車裾サルビアみつ 紺野とも子 200112
淋しくて燃ゆるサルビアかも知れず 山田弘子 円虹 200209
サルビアの一群を過ぐ瞬く間 鈴木喜三郎 ぐろっけ 200209
サルビアの真紅新聞休刊日 城田郁子 帆船 200211
青春にサルビアの朱ほどの悔い 岩岡中正 円虹 200211
サルビアの赤に両の目充血す 鎌田つた枝 築港 200308
日の落ちてサルビアの影なかりけり 赤座典子 あを 200309
修道院うしろサルビア明りかな 松岡映子 帆船 200311
サルビアの花咲き盛り六十歳 町田静子 対岸 200311
サルビアの映ゆるガーデン雲早し 長谷川通子 雲の峰 200410
サルビア炎ゆ少女はジャンヌダルクとも 山元志津香 八千草 200501
サルビアの雨やとことん向き合へり 松本きみ枝 遠嶺 200606
路端のサルビア愛でつ知らぬ町 芝宮須磨子 あを 200611
気を強く強くサルビアこぞるなり 斎藤道子 馬醉木 200701
遺作展へとサルビアの帯に沿ふ 田村園子 200709
サルビアのさばしる中央分離帯 上谷昌憲 200711
サルビアや以下同文の感謝状 野崎タミ子 炎環 200809
サルビアの青の移りし兄の骨 波田野雪女 炎環 200810
サルビアむらさき避難所の大看板 細川和子 炎環 200810
サルビアに百雷の打ちころげたり 藤田宏 200810
サルビアの坂の上まで咲き続く 高田令子 200810
サルビアの燃えて二学期始まりぬ 永田あき 酸漿 200811
サルビアやひとけなき街の十字路 吉岡一三 200812
サルビアの火群の中へ車椅子 本橋葉月 遠嶺 200901
サルビアの城に異人も旅の連 泉田秋硯 200908
咲いてよりサルビアの色濃くなれり 高橋将夫 200909
書を売りぬブルーサルビア風に揺れ 中原俊之 200911
サルビアの松明一揆村の道 鎌田悟朗 ろんど 200912
サルビア燃え男くささの省浄忌 水野恒彦 201001
サルビアの名残りの紅に秋日濃し 岡野ひろ子 201001
サルビアや子豚レースの埒あかず 有馬克代 201001
サルビアの盛りや小糠雨の降る 齋藤朋子 やぶれ傘 201001
レストランメルヘンはサルビアの赤 雨村敏子 201002
海を見るためサルビアを育てもす 豊田都峰 京鹿子 201008
サルビアの赤を辿りて玄関へ 舩越美喜 京鹿子 201008
サルビアや戦の石碑撫でる人 山田孝枝 酸漿 201010
サルビアの列なす外科の非常口 大坪景章 万象 201012
犬小屋の跡にサルビア咲かせをり 石川かおり 201108
未来図に赤きサルビア植ゑておく 岩月優美子 201109
今日笑いましたか友よサルビアよ 中原幸子 船団 201201
一株のサルビア庭を照らしをり 本郷宗祥 かさね 201207
サルビアの燃え尽きるごと夏終はる 塚原洋子 201208
サルビアの朱に醒めてゐる六十路かな 黒澤登美枝 201208
サルビアの夕日の色に極まれり 羽賀恭子 201212
サルビアの心変はりのなき朱さ 田中貞雄 ろんど 201212
歯科医へ急ぐサルビアの真つ盛り 中田のぶ子 ろんど 201212
サルビアに植ゑかはりたる花壇かな 松村光典 やぶれ傘 201301
サルビアの赤の映れる陶の獅子 呉屋菜々 万象 201305
サルビアの花を印象御堂筋 樺山翠 雨月 201312
未来図に赤きサルビア植ゑておく 岩月優美子 グピドの瞳 201506
サルビアや我がまま過ぎて若過ぎて あさなが捷 201510
サルビアを吸へと女の薄笑ひ 山田六甲 六花 201610
サルビアの憚ることなく思ひこめ 柴田靖子 201709
虚子庵のサルビアの朱の翳りかな 森清信子 末黒野 201802
ザルビアの燃ゆる静けさ虚子旧居 岡野里子 末黒野 201802
サルビアの憚ることなく思ひこめ 柴田靖子 201709
虚子庵のサルビアの朱の翳りかな 森清信子 末黒野 201802
ザルビアの燃ゆる静けさ虚子旧居 岡野里子 末黒野 201802
サルビアを眉睫に待合室の椅子 田中臥石 末黒野 201903
サルビア赤しまだまだ赤く十二月 たかはしすなお 201903
サルビアの緋のタンゴ舞ひ狂ふとき 江島照美 201908
燃え盛るサルビア青春は一度 岩月優美子 201909
燃えてゐるサルビアいつの日か終る 柴田靖子 201909
サルビアの想定外の占有率 近藤綾 201912
花サルビア銀座吟行立ち飲みす 佐藤恭子 あを 202010
サルビアを眺めて散歩引き返す 山田暢子 風土 202011
朱を解くサルビア言ひ訳ひとつ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202108
サルビアに昨日の嘘を見透かされ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202108
奔放に生きサルビアの赤愛す 山中志津子 京鹿子 202109
サルビアを結界として天主堂 山中志津子 京鹿子 202109
サルビアの火の真ん中にゐて孤独 西村白杼 京鹿子 202109
プレゼンのはじめサルビアのブルー 井尻妙子 京鹿子 202110
思考回路の真つ赤サルビアの昼 鷺山珀眉 京鹿子 202110
一面のサルビアに雨降り注ぐ 藤井美晴 やぶれ傘 202209
サルビアの風返信の届きけり 谷口摩耶 202210
サルビアの味を教へてくれしひと 古山智子 202212
何恋うて激るサルビア赤々と 由良則子 202212

 

2023年6月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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