山椒魚     108句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
平穏といふ退屈や山椒魚 益田風彦 199810  
鉄穴かんな流しありたる谿に山椒魚 松崎鉄之介 199811  
掌の見えて大山椒魚に貌のなし 小林鱒一 天牛 199904  
山椒魚不精の果をのそのそと 片山喜久子 雨月 199909  
たたら跡たりし公園山椒魚 松崎鉄之介 200011  
進退を決めかねてゐる山椒魚 永田等 200012  
祖父はかの岩穴に棲む山椒魚 竹内弘子 あを 200101  
冬麗やだぶだぶの大山椒魚 竹内弘子 あを 200104  
地震あるも山椒魚の微動もせず 酒井ひろ子 200108  
山椒魚ひとの気配を感じをり 竹内弘子 あを 200108  
ここは美濃山椒魚の目のやさし 戸田春月 火星 200109  
カーバイドの匂ひの照らす山椒魚 嵯峨根鈴子 火星 200109  
顎が笑つてゐたる山椒魚 岡井省二 200112  
黒岩をすべり落ちたる山椒魚 石脇みはる 200208  
峡に寝て山椒魚になつてゐる 小澤克己 遠嶺 200210  
山紅葉大山椒魚飼ふ峠 河中透水 雨月 200301  
山椒魚好きも嫌ひもなかりけり 吉田康子 青山椒 200303  
山椒魚声なきことの愛しけれ 味村志津子 雨月 200309  
山椒魚とぞ化石とも巌とも 味村志津子 雨月 200309  
山椒魚瀬々の滾ちに眼つむれる 味村志津子 雨月 200309  
腹這ひて山椒魚を見てをりぬ 影山わこ 百鳥 200309  
山椒魚見しより口の重くなり 大串章 百鳥 200310  
水清く山椒魚を見失ふ 戸栗末廣 火星 200310  
山椒魚己が姿を知らざりき 加藤富美子 200310  
わが影に藻へ身を躱す山椒魚 長谷川史郊 馬醉木 200312  
血の薬の山椒魚を目瞑り食ふ 梅原美子 200312  
飼はれゐる山椒魚の水冥む 今井妙子 雨月 200407  
向き変へたらしき濁りよ山椒魚 山仲英子 200408  
知る由もなし豪雨後の山椒魚 大橋敦子 雨月 200409  
滴りの次の滴り山椒魚 松井倫子 火星 200409  
海風が山風となる山椒魚 須佐薫子 帆船 200411  
沈思黙考とは山椒魚のこと 杉良介 200503  
長生きか死に後れしか山椒魚 鷹羽狩行 200503  
太古より雫透明山椒魚 門脇なづな 対岸 200507  
遁世の横顔ばかり山椒魚 三上程子 春燈 200508  
折からの雨間の日ざし山椒魚はんざき 大島翠木 200508  
黒雲の動くと見れば山椒魚 鷹羽狩行 200508  
清滝の硯師山椒魚を飼ふ 飯田はるみ 築港 200509  
山椒魚昼行灯を決めにけり 坂本美代子 200509  
A4に山椒魚の収まらず 高田令子 200509  
山椒魚月を沈めて眠りけり 小林朱夏 200511  
永らふることの憂ひや山椒魚 中村龍徳 200511  
うろくずの下の禁色山椒魚 栗栖恵通子 200606  
山椒魚奈落のまなこ開きける 栗栖恵通子 200606  
失ひし時間のやうな山椒魚 松本圭司 200609  
液化して山椒魚と暮らさむか 吉田明子 200609  
地の底を見てきし山椒魚の貌 浜口高子 火星 200609  
遊び下手の男と見てる山椒魚 山元志津香 八千草 200701  
山椒魚深爪の人逝きしのち 佐藤喜孝 あを 200701  
山椒魚の足の擦りゆく草紅葉 山内なつみ 万象 200701  
山椒魚太古の夢に耽れるか 大橋晄 雨月 200709  
山椒魚存在感の泡一つ 樺山翠 雨月 200709  
身の丈のターンに昏れし山椒魚 山元志津香 八千草 200712  
わがままな山椒魚と共存す 木山杏理 京鹿子 200801  
背と腹をつなぐ縫目の山椒魚 岡本高明 船団 200801  
岩になりきつてゐる大山椒魚 寺田すず江 200808  
山椒魚弥勒の夢を喰つてをる 栗栖恵通子 200808  
滝壺の底に沈みて山椒魚 中田芳子 ぐろっけ 200809  
岩動くまでは動かぬ山椒魚 長田等 200901  
正月の貌して現れし山椒魚 浜口高子 火星 200904  
小さき淵山椒魚のひそむらし 池田達二 風土 200909  
西方に思ひをはする山椒魚 小澤克己 遠嶺 200910  
秋来たり山椒魚の艶増せる 石脇みはる 201001  
紅葉川山椒魚の緩リズム 坂上香菜 201002  
秘境ともいへるここには山椒魚 稲畑汀子 ホトトギス 201006  
山椒魚永らへゐたり弥陀ヶ原 山田春生 万象 201006  
湯の町のおほ山椒魚動かざり 沼本静江 酸漿 201009  
山椒魚棲むてふ渓の碧さかな 須賀允子 万象 201010  
沢水の棲み潔むなり山椒魚 伊藤希眸 京鹿子 201101  
一切を断ちて山椒魚の貌 柴田佐知子 201107  
蒜山の大山椒魚はんざきの動かざる 安藤久美子 やぶれ傘 201110  
洞を出て山椒魚の目の赤き 山路紀子 風土 201110  
半眼は父親ゆづり山椒魚 荒木甫 201111  
幸せな泡をひとつ山椒魚 山田佳乃 ホトトギス 201111  
一山を眠りにつかす山椒魚 和田照海 京鹿子 201203  
山椒魚みじろぐといふことをする 竹内弘子 あを 201204  
山椒魚醜の目鼻のありどころ 竹内弘子 あを 201204  
山椒魚たれか悲恋をわらはざる 竹内弘子 あを 201204  
億年を引き寄せ山椒魚眠る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207  
哲学科卒ばかりなり山椒魚 甕秀麿 201210  
信ずるに足るは闇ぞと山椒魚 柴田佐知子 201211  
秋出水山椒魚は岩を這ひ 坂根宏子 201211  
山椒魚岩のいろしてみじろがず 伊東和子 201211  
山椒魚を食して人間くさくなる 水野恒彦 夢寐 201306  
山椒魚闇の凸凹してゐたる 水野恒彦 夢寐 201306  
山椒魚おのれの時を生きており 貝森光洋 六花 201310  
百年を岩の色して山椒魚 服部早苗 201311  
山椒魚はんざきは鬱のかたまり動かざる 竹貫示虹 京鹿子 201407  
山椒魚水におくれて動きけり 城孝子 火星 201409  
山椒魚ちちははの顔知つてをり 城孝子 火星 201409  
動かずば化石になるぞ山椒魚 寺田すず江 201409  
深山の迷路に入りし山椒魚 中田禎子 201410  
水澄むや底に山椒魚の影 鶴巻誉白 ろんど 201412  
山椒魚地球の丸さ未だ知らず 栗原京子 201503  
動かざる如く動きぬ山椒魚 稲畑汀子 ホトトギス 201506  
山椒魚とり渓に筌おききたる 大崎紀夫 虻の昼 201510  
山椒魚八方尾根に出合ひけり 渡辺絹代 末黒野 201611  
山椒魚のぞく水底冬の鳥 門伝史会 風土 201701  
岩礁の欠ら浅間の山椒魚 碇天牛 雨月 201707  
いつの世と山椒魚の目が問へり 浅田光代 風土 201708  
銀河系の闇を濡らして山椒魚 水野恒彦 201709  
山椒魚はんざきが人工知能を狂はせる 柳川晋 201710  
山椒魚頭を見せ石となりゐたり 城戸ひろみ 雨月 201710  
古里や水湧く池の山椒魚 占部美弥子 末黒野 201710  
水槽小さし山椒魚小さし おーたえつこ 201809  
大山椒魚度胸据ってをりにけり 岩月優美子 201909  
山椒魚うごかず水を動かさず 能美昌二郎 201910  
下手物と言はず無辺なる山椒魚 高野昌代 201912  

 

2020年5月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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