山椒の芽     73句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ならば行くならば留まる山椒の芽 小澤克己 遠嶺 199805
身の白き湯引き鰈に山椒の芽 松崎鉄之介 199805
唇の奥の暗闇山椒の芽 小澤克己 遠嶺 199905
椀方や山椒の芽にこだはりて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200003
二の宮へ道の絶えたる山椒の芽 羽田岳水 馬醉木 200005
山椒の芽摘ませて貰ふ庭褒めて 勝亦年男 200008
父在らば山椒の芽の摘みし頃 新関澄子 遠嶺 200106
山椒の芽旅籠に皿を洗ふ音 皆川盤水 春耕 200205
芽山椒で目をよろこばす京料理 佐藤香女 京鹿子 200209
争ひは遠くて近し山椒の芽 早崎泰江 あを 200305
喫茶去の禅語にむつむ山椒の芽 小澤克己 遠嶺 200305
木の芽摘むいづれ実山椒花山椒 大堀鶴侶 雨月 200307
一徹を善と認めて山椒の芽 雲所誠子 帆船 200307
山椒の芽噛んで見にゆく牛角力 竹中龍青 200403
芽山椒ふはり包まれ届きけり 西畑敦子 火星 200406
山椒の芽擂るに砥の粉の如きかな 升田ヤス子 200407
真実は一つでありし山椒の芽 大久保恵美子 遠嶺 200407
芽山椒母の得意な味噌和えに 橘高絹子 200506
身の底に羽撃くものを山椒の芽 関口幹雄 遠嶺 200507
歯のたたぬ瓦せんべい山椒の芽 森理和 あを 200507
山椒喰鳴きめぐりをり木々芽吹く 伊藤いな栄 酸漿 200507
山椒の芽ひとつをこぼし漫ろ雨 戸村よねこ 遠き海 200602
皺の手でぱちりと叩く山椒の芽 浅井よしみ 八千草 200609
山椒の芽吹きを知れり棘にふれ 鈴木多枝子 あを 200705
山椒の芽の吹きだして旅心 鎌倉喜久恵 あを 200705
山椒の芽足けんけんを繰返す 東亜未 あを 200706
通すべき一念一句山椒の芽 小澤克己 遠嶺 200706
子の山椒孫の山椒も芽吹くかな 辻直美 200707
引き際の美学ありけり山椒の芽 今井松子 遠嶺 200707
山椒の土用芽をつむ庭夕ベ 伊藤一枝 酸漿 200710
山椒の芽鋭き刺の隠れをり 森山のりこ あを 200806
山椒の幹の太さに芽の揃ふ 鎌倉喜久恵 あを 200806
山椒の芽叩き夕餉の仕上げとす 泉田秋硯 200806
三光坂古地図にもあり芽山椒 東亜未 あを 200806
まだまだの待つこと久し山椒の芽 阿部ひろし 酸漿 200904
散鮨の木の芽山椒を叩きけり 山田六甲 六花 200905
山椒の芽触れて目覚めを促せり 須藤トモ子 200905
些かの野望をいまも山椒の芽 大谷茂 遠嶺 200907
ひと籠の芽とゆふぐれの山椒の木 岩木茂 風土 200908
山椒の芽煮物上手の母のこと 石垣幸子 雨月 201005
雌伏とも山椒に寒の芽寒の棘 渕上千津 201104
山椒の芽は山姥の恋心 高橋将夫 201105
水の声耳底に溜め山椒の芽 木山杏理 京鹿子 201106
いち早く芽吹いてゐたり山椒の芽 田中春子 雨月 201106
山椒の芽摘みてしみじみ夫は亡き 松本恒子 ぐろっけ 201108
ぐい呑みに出すさつと煮の山椒の芽 田所節子 201204
芽山椒を含み海馬の育ちたる 新江たか 万華鏡 201206
芽山椒雨雫ごと摘みにけり 来海雅子 201207
山椒の芽噛んで足利学校へ 大坪景章 万象 201207
山椒の芽幼の言葉真意つく 古井公代 ぐろっけ 201208
山椒の芽雀といへどまぶしき日 中山純子 万象 201305
野菜売り殊に時なり山椒の芽 四條進 201306
卒寿には卒寿の知恵や山椒の芽 伊藤百江 春燈 201406
灯りもて摘む芽山椒不意の客 北尾章郎 201406
書きちらす句帳たのしも山椒の芽 中山純子 万象 201407
すきとほる母の戒め山椒の芽 本多俊子 201407
母郷とはぴりりと苦し山椒の芽 江澤弘子 201507
勇気欲しぱんと叩いて山椒の芽 栗原公子 銀の笛 201612
一雨に庭隅ほのと山椒の芽 岡山敦子 京鹿子 201706
山椒の芽ぱんと叩いて京なまり 山田正子 201707
母に似し指に匂ふや山椒の芽 江草礼 春燈 201805
棘よりも小さく山椒芽吹きけり 柴田昭子 雨月 201806
幼子にも自我のありけり山椒の芽 橋添やよひ 風土 201806
毒舌も魅力のひとつ山椒の芽 栗原公子 201906
腰掛けて居る私に山椒の芽 高木晶子 京鹿子 201906
声かけて摘ませてもらふ山椒の芽 柴田志津子 201906
片書の付いて楤の芽山椒の芽 安食哲朗 201910
山椒の芽指に香りを残しけり 吉田幸恵 やぶれ傘 202007
ウイルスに関心殺がれ山椒の芽 大霜朔朗 末黒野 202008
芽山椒ぱんと叩いて登四郎忌 能村研三 202106
山椒の芽京の女の見せぬ意地 山下朝香 春燈 202106
山椒の芽パンと叩いて立つ香り 須賀敏子 あを 202106
一刻の雨に潤みて山椒の芽 浜崎喜美子 202107

 

2022年2月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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