三ケ日      155句

こころよき炭火のさまや三ヶ日   飯田蛇笏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
太古より空の明るき三ケ日 保坂加津夫 会者定離 199900
主婦といふ心も少し三ケ日 稲畑汀子 ホトトギス 199901
三ヶ日過ぎて喪に入る屋敷神 松崎鉄之介 199903
三ヶ日終へずに逝きし弟よ 松崎鉄之介 199903
日の機嫌月の機嫌に三ヶ日 大橋敦子 雨月 199903
三ケ日ダリの時計は動かない 松山律子 船団 199907
三ケ日終りぬ年の動きだす 中浜菌芽 京鹿子 200001
結局はいつもの如く三ケ日 稲畑汀子 ホトトギス 200001
三ケ日とてたゞ過ぎて行くばかり 稲畑汀子 ホトトギス 200001
何もせぬやうで厨の三ケ日 稲畑汀子 ホトトギス 200001
三ケ日二足の草鞋干しにけり 山口淳子 銀化 200002
満月に呑み込まれゆく三ヶ日 尾上有紀子 わがまま 200002
三ヶ日過ぎて綻ぶ冬牡丹 松崎鉄之介 200003
三ヶ日静かに昏れてしまひけり 諏訪シヅ 酸漿 200004
青き空突き抜けてゐる三ヶ日 芝尚子 あを 200102
昼の湯へ下駄履きで行く三ヶ日 松崎鉄之介 200103
牛飼ひに三が日などなかりけり 保坂加津夫 いろり 200104
三ヶ日素肌美人と気取りけり 森下康子 200104
鍛冶小屋の幣の真白く三ケ日 皆川盤水 春耕 200202
チャップリン映画に暮れる三ヶ日 桑垣信子 いろり 200202
三ヶ日遊び疲れし爪の伸び 河合笑子 あを 200202
御饌の飯雀に分つ三が日 関戸文子 酸漿 200203
起重機に小さき日の丸三ヶ日 小林照子 春耕 200203
三が日厨籠もりの男帯 小澤克己 遠嶺 200204
座のひとつ欠けしままなる三ヶ日 佐藤博美 200204
三ケ日枕に近く広辞苑 松本文一郎 六花句集 200302
文机の上整ひし三ケ日 舩越美喜 京鹿子 200303
慎みて天中殺の三ヶ日 泉田秋硯 鳥への進化 200303
老いぬれば訪ふより訪はれ三ヶ日 友田直文 200305
知らん間に年とっている三が日 松山律子 六花 200401
ぬひぐるみごろりころりの三ケ日 吉村紀代子 京鹿子 200401
三ケ日過ぎ昼の月育ちゐし 宮津昭彦 200403
三ケ日をはりベツドの顔そろふ 名田西の鴉 草の花 200403
穏やかな日射し恵まれ三ケ日 吉川ハマ子 築港 200403
三ヶ日六万踏むがごとく過ぎ 高橋将夫 200403
凧揚げの子の声走る三ヶ日 大畠政子 雨月 200403
駅伝のテレビに籠り三ケ日 沼口蓬風 河鹿 200404
なんとなく声改まる三ケ日 原田竜子 河鹿 200404
水のごと流れ過ぎたる三ヶ日 服部菰舟 雨月 200404
娘の家に客となりゐて三ヶ日 綿谷美那 雨月 200404
昏睡に見る夢あるや三ヶ日 田宮勝代 酸漿 200404
あれこれの物を手近に三が日 細川知子 ぐろっけ 200501
奥志摩の波おだやかに三ヶ日 小山漂葉 酸漿 200503
三ヶ日営業中なり動物医院 森理和 あを 200503
子の遺墨床の間に掛け三ケ日 高山志げる 築港 200504
朗朗と句集音読三ケ日 沼口蓬風 河鹿 200504
何せんと思ふことなし三ケ日 原田竜子 河鹿 200504
逃げやすき自分と話す三が日 中村智恵子 200601
三ヶ日体重を皆な増やしをり 笹原紀世子 200603
三ヶ日可も不可もなくなごやかに 上藤八重子 酸漿 200603
大病院全室灯し三ヶ日 芝宮須磨子 あを 200603
蜜月のやうに過ぐるや三ケ日 伊藤豊美 遠嶺 200604
退屈を二人で分けし三ヶ日 中山勢都子 200604
三ヶ日のみかんづくしの三ヶ日 奥山明子 対岸 200604
あめつちの穏やかなりし三ケ日 青山悠 200605
姑逝きて身の置き処なき三ヶ日 大橋麻沙子 雨月 200612
三日ほど若返りけり三ヶ日 林翔 馬醉木 200701
三ケ日旅に出る人籠る人 荒木治代 ぐろっけ 200703
別れ住む子を客として三ヶ日 舛田初惠 酸漿 200703
客もなく観て食べて寝る三ヶ日 和田恭子 200704
服薬の日課忘れて三ヶ日 中原敏雄 雨月 200704
閘門に鍵のかかりて三ヶ日 金井充 百日紅 200711
三ヶ日の親子蕎麦さへうしほ汁 金井充 百日紅 200711
日の丸の国旗靡かす三ヶ日 羽田岳水 馬醉木 200803
餅食べてサンドイッチ食べ三ヶ日 鈴木榮子 春燈 200803
神棚に仕へて過す三ヶ日 松崎鉄之介 200803
三ヶ日おもてをあるく下駄の鈴 竹内弘子 あを 200803
三ヶ日犬の吼えゐるばかりにて 小形さとる 200804
志ありて怠惰の三ケ日 稲岡長 ホトトギス 200805
たちまちに過ぎゆくことも三ケ日 稲畑汀子 ホトトギス 200901
三ヶ日過ぎてたちまち旬日に 稲畑汀子 ホトトギス 200901
烏賊船は波除けの内三ヶ日 杉野原弘幸 200903
三ヶ日富士を見ぬ日のなかりけり 山口まつを 雨月 200904
句を案じ案じては捨て三ヶ日 三由規童 雨月 200905
何となく過ぎてしまひし三ケ日 稲畑汀子 ホトトギス 201001
幼児の声透き通る三ケ日 森山のりこ あを 201002
喰ひぶくれ鏡の中の三が日 鎌倉喜久恵 あを 201003
森閑として界隈の三ヶ日 椋本一子 雨月 201003
いつ見ても雪の降りをり三ヶ日 金山千鳥 酸漿 201003
日の射すもかそけき風も三が日 古林阿也子 201004
三ケ日了へ神様の眠りかな 川井秀夫 ろんど 201004
三ケ日過ぎ洗濯機回り初む 深沢和江 ぐろっけ 201004
三が日夫婦二人で恙無し 神田惣介 京鹿子 201005
三ヶ日何がめでたいひとりもの 竹貫示虹 京鹿子 201101
俎の乾くことなき三が日 塩千恵子 201103
遊ぶ子のこゑを遠くに三ヶ日 井上信子 201103
寝て待てど果報届かぬ三ヶ日 西谷良樹 春燈 201104
老とても確と充電三ケ日 後藤比奈夫 ホトトギス 201106
主婦といふ枷にはまりて三ケ日 稲畑汀子 ホトトギス 201201
とはいへど動き出したる三ケ日 稲畑汀子 ホトトギス 201201
風通り抜けし如くに三ケ日 稲畑汀子 ホトトギス 201201
三ケ日済みていつもの一人かな 稲畑汀子 ホトトギス 201201
三ケ日晴れを賜はり佳き年なり 山田をがたま 京鹿子 201203
三が日芥少なき暮らしかな 辻紅葉 かさね 201204
三が日舌噛む外は事の無し 藤井久仁子 ぐろっけ 201204
スーパーのおせちで過ごす三が日 樋口正輝 ぐろっけ 201204
観覧車家族と過ごす三ヶ日 伊吹之博 京鹿子 201204
三ヶ日つんつん香る桝の升 川井秀夫 ろんど 201204
父の手の雑煮いただく三が日 青木朋子 201206
喪心に暮らす子の家三ケ日 井上醇女 ホトトギス 201206
美しき物の言ひ方三ヶ日 阿久澤利男 やぶれ傘 201206
常の日のやうに過ぎ行く三が日 布川直幸 201301
戻り来し一人の時間三ヶ日 稲畑汀子 ホトトギス 201301
三ヶ日過ぎ早しとも遅しとも 稲畑汀子 ホトトギス 201301
ほのぼのと家がふくらむ三が日 佐久間由子 201303
三が日すぎたる障子明かりかな 浅田光代 風土 201304
釣り好きの子の落着かぬ三が日 向江醇子 ぐろっけ 201304
ごちそうも和食恋しき三ケ日 丸田信宏 京鹿子 201304
服薬を確かめ合ふて三ヶ日 佐藤山人 201304
読みかけのヒロイン待たす三ヶ日 石田きよし 201304
悔いのなき看取りに明けし三ケ日 赤川誓城 ホトトギス 201306
三ケ日だけ片づいてゐる書斎 稲畑汀子 ホトトギス 201401
残りたる仕事忘れて三ケ日 稲畑汀子 ホトトギス 201401
賽銭の飛び交ふ社殿三ヶ日 山口キミコ 201403
三が日花がちっとも枯れなくて 林田麻裕 201403
ことさらのことなくせはし三ケ日 大野芳久 やぶれ傘 201404
片言を話す孫来て三が日 神田惣介 京鹿子 201404
それぞれの里の雑煮を三ヶ日 菅野蒔子 末黒野 201404
一族のかたまり行き交ふ三が日 山内碧 201405
工事現場防音壁の三が日 中堀倫子 201405
病む妻に我が三ヶ日饒舌に 赤川誓城 ホトトギス 201406
三が日声もあらたに爺と婆 水原春郎 馬醉木 201502
楽しくてあっという間の三が日 松久奈桜 201503
駅伝の話題に弾む三ヶ日 仁平則子 201503
三ヶ日過ぎて喜知次(きんき)のおみおつけ 鳥居美智子 ろんど 201504
三が日かかさず雪を掻きにけり 小林輝子 風土 201504
三が日休みどころなき六腑 神田小夜子 ろんど 201505
三ヶ日駅伝に明け暮れにけり 浦川哲子 201611
家族皆揃ひて過ぎし三ケ日 稲畑汀子 ホトトギス 201701
三ケ日過ぎて生活の戻りけり 稲畑汀子 ホトトギス 201701
眠るひまもあらざる正月三が日 山田六甲 六花 201701
寂しさを徒然にして三ケ日 東秋茄子 京鹿子 201704
三が日舟の形の月澄みて 前原マチ 末黒野 201704
しひたけとこぶかまぼこの三ケ日 大坪景章 万象 201704
三が日妻の賄ひ朝忙し 伊吹之博 京鹿子 201705
前向きといふ言の葉も三ケ日 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
映画館はしごで過ごし三が日 山田六甲 六花 201801
日の燦と月も円かに三が日 金森教子 雨月 201804
参考書広げ眠る子三が日 伊吹之博 京鹿子 201804
老いらくの人恋ほしさの三ケ日 赤川誓城 ホトトギス 201806
三ケ日とはあつけなく忙しく 稲畑汀子 ホトトギス 201901
三ヶ日の分まで大川の土手歩こうか 佐藤玲子 春燈 201904
家居してあつといふ間の三ケ日 大久保白村 ホトトギス 201905
飲食に視ゆる衰へ三が日 広瀬弘 201905
しきたりもほどほどにして三が日 児玉充代 201907
故郷の山に抱かれ三ケ日 稲畑廣太郎 ホトトギス 202001
病みしこと忘るることも三ケ日 稲畑汀子 ホトトギス 202001
三ヶ日心ふれあひ助け合ひ 宮地静雄 末黒野 202004
三ヶ日新たな気力漲らせ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
おだやかな日和たまはる三ヶ日 大室恵美子 春燈 202103
街の灯が遠くあざやか三が日 小巻若菜 やぶれ傘 202103
三ヶ日ゆるゆる過す老二人 土井ゆう子 風土 202104
三が日錺師謝する座り胼胝 森村江風 202105
静もりて過ぎゆく時間三ケ日 稲畑汀子 ホトトギス 202112
飽食を気付かぬ振りや三が日 平田きみ 末黒野 202204

 

2023年1月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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